竜族たち

一.『太陽の王』ティリアル=ロ=ハル


◼︎ティリアル=ロ=ハル[Thylirl-Ro-Hall]

(名前の意味:竜の涙の泉の守護者、悲しみの癒し手)



◼︎イメージワード


 ——光

 優しく強く すべてを包む

 その身に宿るは 強さ

 裏切りすら許しる 太陽の王——



◼︎雑記


 光を放つような金の髪、紫の目。

 外見年齢は二十歳前後。身長185cm。


 地球Earthに人が存在するようになる少し前に、同じく始まりの時より在るクォーム、リュライオのもとへ現れた、光の司竜しりゅう。生身ではありますが『世界の大いなる意志』によって形成された存在であり、他の司竜含めた竜族たちとはり方の違うドラゴンでもあります。


 クォーム、リュライオよりは後に形成された(つまり歳下)のですが、立ち位置的には二人の保護者であり、身体的にも精神的にも歳上。司竜の中では珍しい既婚者でもあります。

 妻の名はティリーア。二人の出逢いを描いた物語が「砂の伝説・第一部」です。


 リュライオと同様にすべての生あるものを愛し、また、妻であるティリーアをも深く愛していたハルは、自分の司竜としての役割と妻への誓いを両立させようとします。

 その始まりは、妻とともに人間の国の王として彼らを守護し、導くことでした。


 数百年に渡り自国ライデアに平和と繁栄をもたらした彼ですが、人と世界の関わりが節目を迎える時代に、自ら『竜族による支配の幕引き』を決断します。

 その際、光に属する強大な力(自身の生命そのもの)を世界に散らし、世界が竜族の力にらずとも存在力を保てるようにしたのですが……。

 もともと風竜により造られ風の属性が強い世界に、膨大な光の魔力が加味されたため、、という予期せぬ事態に。


 ハルの判断、決断が正しかったかどうかは、誰にもわかりません。(書き手である私自身も、善し悪しという意味での判断はしていません)

 それが自然で最善であり、シエラやアスラであれば違う決断を選んだことでしょう。


 ハルは世界のことわりを読み解くのが得意でした。彼は妻と交わした『永遠の愛』という誓いを守るため、死に際し『言葉を介した魔法』を仕掛けます。

 彼女が星へ祈り続けることにより奇跡を蓄積する、という、途方もなく成功率の低い『約束』を、ティリーアは疑うことなく信じ続けました。

 そして奇跡は果たされ、彼は千七百年ののちに、愛した妻のもとへ、愛した世界の大地へ再生を果たすことになるのです。

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