銀色の戦士(3)

「奥の僕の部屋、使っていいよ。ドライヤーは洗面所にあるから。」

「ありがとうね。」

ミカは服を乾かすために僕の部屋に行き、ドアを閉めた。


ー数分後ー


「いくらか乾いたよ。」

「もう大丈夫なの?」

「うん。とりあえずは大丈夫になった!」

あー良かった…これでまだ透けてたら僕はもう顔合わせられないや。

「お礼に夕飯作っておこうか?」

「えっ?いや夕飯なら自分で作れるし…」

「でもここんところインスタント系しか食べてないっぽいし…たまには家のご飯も食べなよ。」

「それもそうだね…じゃあお言葉に甘えて…」

ミカに半ば強制されるように夕飯を作ってもらってしまった…いや、こんなこともあるのかな…


ー数十分後ー


「ほれ!出来た!」

フライパンいっぱいに盛られたのはパラッパラのチャーハン。かなり美味しそうだ。

「お母さん直伝の柳家チャーハン!」

「凄い!ありがとうミカ!」

「いえいえ!これも一休みさせてくれたお礼だから!」

チャーハンを皿に盛り付けてラップをしてくれた。後は食べる時レンジでやれば好きに食べられる。


ー玄関ー


「雨、止んだね。」

「うん。これなら安心して帰れるよ。」

その時、何を思ったのかミカは両手を僕の頬に添えてまじまじと僕の顔を見つめた。グッと顔が近くなった途端、僕は顔から湯気が出そうになった。

「えっ…どうしたのミカ…」

ただミカは黙って顔を見つめてる。

「何かあっくんって可愛い顔してるよね…」

「何言って…んむっ!?」

唇を…塞がれた…まさか絶対ありえないとは思ってたけど…こんな言葉を遮るように口づけをされるとは思ってもいなかったから…

「今日はありがとう。じゃあねあっくん。また明日!」

「あ、うん…また明日…」

ガチャ。

「はぁ~あ~……」

玄関を閉めた瞬間、さっきの行動がフラッシュバックされた。何でミカはいきなりあんなことを…?

『アキラ…嫌ではなかっただろう?』

「確かに嫌じゃないさ…でもミカがいきなりするとは思ってもみなかったから…」

『いやはや私も冷や汗を掻くところだった。君と同じように。』

「金属生命体も汗とか掻くのか気になるところだけどね…」


ーその夜ー


『どうしたアキラ?手が止まってるぞ。』

「ダメだシルバーマン…夕方のことが忘れられなくて夕飯に手が届かない…」

せっかくチャーハン作ってくれたのに何故か喉を通らない。まだあの感覚が残っていてどぎまぎしているからなのか…

『人間はあのようなことが起こると結構響くものなのか。』

「えっ…?」

『今思うと体を貸してもらったのが君で良かった。君のおかげで人間の表情とか感情が少しずつ分かるようになってきた。改めて感謝するよ。』

「シルバーマン…」

ズドォォォォン!!!

またこの前の時と同じような爆発音!?もしかしてまた怪獣が…!?

「怪獣が…また街を…」

『アキラ、急ぐぞ!』

「うん!」


ーアパート外ー


前と同じような場所に怪獣はいた。しかも今回のはシルバレスの時とは違う禍々しいものを感じた…

『アキラ!一体化だ!』

「分かった!」

ブレスレットを掲げ、右手の人差し指と中指でブレスレットに触り、一体化する時の台詞を叫ぶ。

「SILVER CONTACT!!」

ギュウウウン……

銀色の光に包まれ、僕はシルバーマンと一体化した。

ズドン!ズドン!

『デヤァ!!』

続く。



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