ダリア=エイク

俺とエイクは以前俺が魔法の確認をした森の奥まで来ていた。




「よし、やるか!」




「うん!」




おお。ここまで2時間ノンストップで走ってまだ元気とは。まあ俺は身体強化使っているから楽なんだけどね。




「まず、ステータス見させてもらってもいい?」




「いいけど。」




「ステータス」






名前/ダリア=エイク


種族/人間


年齢/3歳


レベル/1


HP/362


ATK/13


MP/35


属性/火、水、雷


スキル/無し




まあ普通はこんなもんだろう。




「ネス君のステータス見させてもらってもいい?」




ええ。すごくいやなんだけど。あちらも見せてくれたし、いいか。




「ステータス」




「え・・・」




エイクは絶句した。まあ仕方がないだろう。あんだけ色々あれば。




「僕は異例だから。それより魔法の練習に入ろうか。」




「うん!そうだね!」




え?あれだけステータスの差を見せられても平気なの?俺だったら泣いて帰るけど。




「何でそんなに元気なの?」




「ネス君に負けられないなーと思って。」




単純でした。




「グルルルルルル」




茂みの向こうから4、5匹の狼がいた。


ここは森の奥。魔物がいてもおかしくない。




「ガインウルフだ!ネス君逃げないと!」




「え?なんで?」




「なんでって、ガインウルフはレベル6の魔物なんだよ!」




いや俺、ちょっと前にレベル7のワイバーン倒してるんですけど。ちょうどいい。魔法の手本を見してやるか。




「エイク!」




「この緊急時に何!?」




「今から僕が手本を見せるからしっかり見とけよ!」




ガインウルフは俺達を囲んでいる。こいつら頭がいいな。だったらあの魔法に限るな。




「フォール・ライトニング!」




俺の手のひらから雷が放出されガインウルフに向かっていく。




「エイク動くなよ。お前にも当たるから」




この魔法は威力こそ弱いが自動追尾ができ、あたると気絶させることが出来る。




「ギャウン!」




どうやら最後の1匹に当たったようだ。




「エイク、しっかり見てた?」




「ネス君凄すぎでしょ。あのガインウルフを一撃だなんて。」




そう言うとエイクは気絶したガインウルフを触ろうとしに行く。勇気あるなぁ。まだ生きてるのに。




「触ってもいいけど殺してないから、気をつけてね。」




エイクは寸前の所で触ろうとするのを止めた。




「何で殺してないの?」




「殺そうと思ったら殺せるけど」




「けど?」




「僕が見せたかったのは、エイクが持ってる雷魔法の威力の調整でレベル6のガインウルフも綺麗に倒せるということ。」




「なるほど。ただ殺しても、調整が出来なかったら素材がダメになるからね。」




そういうことじゃあないと思うんだけど。まあいいや。




「そんな感じだよ。エイクには魔法学園に入るまでに火、水、雷のうち1つ、これぐらい出来るまでにする。」




「今のを僕に!?無理だよ。」




「無理じゃない。やるんだ。魔法学園入りたくないのか?」




「うう・・・わかった。がんばるよ。」




と頷いた。




こうして俺によるエイクの指導が始まった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る