季節巡る、愛と幻想の物語

冬に閉ざされた街の中で紡がれる、春を巡るお話。
幻想という概念をそのまま紡いだかのような筆致は、感覚鈍る冬の冷たさや、命巡る温かい春の風をありありと感じさせます。

独創的な世界観は、作者様が表現したい幻想を余すことなく、かつ独特に表現しきっています。
際立った季節という概念を生かす殺すという、普通であれば思いつかない壮大な設定。
それを書き切る高い描写力。描かれるキャラクターたちと、愛という強い感情。
すべてを美しくまとめ上げる夢見里様の描写技術や構成力に感嘆するばかり。

ほんの少しのつもりが、つい夢中になって読み進めていました。

美しいものや幻想譚を愛する方であれば、是非とも一度読んでいただきたい作品です。

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