不承不承

 あまり気が進まないという感情を表現するための技法。気が進まない理由を分析することを意図的に避けていることに注意。きちんとした分析は解決の第一歩であるが、この場合はむしろ解決する気はないのである。


1. まったく同じ内容の文を繰り返す。多少変化させても良い。(p373) 「『夕飯カレーにする?』『んーカレーかあ』彼女は画面のほうを向いたまま、ゲームのコントローラーをカチャカチャやっている。俺は彼女の顔と画面の間に自分の顔を割り込ませた。『んーカレーかあ』彼女は前を向いたまま、もう一度同じ言葉を繰り返した」


2. AだからB、BだからAのような循環論法。(p636)「あの得意先、あんまり行きたくないんだよなあ。理由は分からないけど、いつも道に迷って遅刻しそうになるんだ。社屋全体がなんか陰鬱で見つけにくいからかな。なんでそう見えるかというと、あの会社が苦手だからなんだ。ああ嫌だなあ」

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