生徒が家から出られない理由が泣けました

ある事情から特別支援級の教諭になった行橋。
行橋はあることがきっかけで過敏腸症候群に苦しんでいたが、そんな彼のもとに大きな難題が降りかかる。
不登校の生徒を担当することになったのだ。
名前は田部滉太。
行橋たち学校側と、教育委員会、社会福祉協議会が協力し、田部をなんとかしようとするが——。

ホラーです。社会派ホラーというべきなんでしょうか。
教育現場で起きているリアルな問題を鮮やかに見せていく一方で、ホラーなんですよね……。
まさかプ(規制)とシ(規制)ーがあんなに恐怖の根源になるとは思いませんでした……。筆者様の筆力に恐れ入りました。
もうシ(規制)ーを穏やかな気分で見られないかもしれないです!!夜中に見たら泣きます!!

とはいえ、最後の最後のみんなが出した結論が、確かにとても人の噂に立ちそうな大きな問題ではあるんですが、納得のできる結論でした。だから読了感が良くて、ホラーなのに爽やかな優しい気分になれました。みんなが幸せになれますように。
あと、ちょっとネタバレになるかもしれませんが、結局のところ、怪奇よりも怖いのは人間だと……しみじみと感じました。

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