ジイチャン常にはやとちり

雄MAN

一章 ジイチャン 異世界へ

第1話 灰色の部屋へ



「どこだココは?」

 なんだココは全面灰色なんて


「起きましたか」


ジイチャンの近くには中性的な顔立ちの美しい子供がいた


「起きましたかって

アンタ誰?

ココはどこなんだ?」


「言葉は問題無く通じてるね


そうだね

まずは挨拶だよね

ボクはジンパ

よろしくね

早通塵(ハヤトチリ)常(ツネ)さん」


「これはどうも

って

なんで俺の名前知ってんだ

あれかお前

ほら あの あれだ

なんてったっけか


ストーブ 違うな

ストール

ストーム

ストーカー

ストーブ

ストーリー 違うな


そうだっ

ストーカーってヤツか?

こんなジイチャン捕まえてどうすんだ?」


「違うよ

ストーカーじゃないよ


それにストーカーって1回出てきてたよ」


「違うんならなんだ

それでココはどこだ

それとお前は男か女か」


「ボクは女だよ

それで常さんに仕事っていうかなんというか

常さんのいた世界と違う世界

まぁいわゆる異世界だね

その世界で常さんらしく暮らして欲しいのさ」


「暮らして欲しいって

モニターみたいのか?」


「まぁそうだね」


「そんな仕事をくれるのか

こんなジイチャンに?」


「うん そうなんだよ

異世界へ行く事になるし、コッチの世界には帰れないけどね」


「そうか

まぁ異世界ってとこは何処か分からないけどな

大阪の新世界みたいな処なんだろ」


「全然全くもって違うよ

異世界は常さんがいる世界と違う世界なんだよ」


「そりゃ新世界とは違うだろうさ

ソコは異世界って名前なんだろ

行くよ」


「違うんだけどなー

分かってくれないなー

って行ってくれるの?」


「あぁ行くよ

ジイチャンに二言は無いぞ

女房は若い頃に亡くなったしな

子供もいないしさ

何処へでも行くよ」


「ありがとう常さん」


「いいよ

でも体動かす仕事はなー」


「それならば

体を丈夫にと

後は何か欲しいモノとかやりたい事とかあるかな?」


「そうだな

生活が楽なのと」

「生活魔法をと」


「何でも切れる包丁とかも」

「何でも切れる包丁っと」

「一本で済むようなのがあれば」

「包丁は形状変化っと」


「なんでも吸えてゴミ捨てが楽なハンディ掃除機とか」

「掃除機も形状変化した方が楽かな

それでなんでも吸えてゴミ処理いらずっと」


「なんでも入る鞄とか」

「収納もっと」


「それと包丁と掃除機と鞄は壊れないのにしとくれ

すぐに壊れたんじゃな」


「それはそうだね 不懐もっと

それと包丁と掃除機は重量変化もあった方が使いやすいかな」


「あとは・・」


「あとは何かな?」


「あぁ


女房が亡くなってからは恋だ愛だのをしてこなかったんだけどな

この年になって、今になって欲しいモノとやりたい事と言われてな

また恋愛がしたかったなとか

子供も欲しかったなとな」


「そうなんだね

それじゃぁ若返りもっと

後は無いかな?」


「そうだな

無ーな

それでその異世界ってとこまでジンパが送ってくれんのか?」


「そうなんだけど

心配だなー

異世界って分かってるのかな

常さん」


「分かってるさ

その異世界ってとこにとりあえず行って暮らしてけばいいんだろ」


「そうなんだけどさー

異能力もあげとくかぁ


って駄目だな


とりあえずもう1回

よし


あとは異世界で1年位は暮らせるお金としばらくの食糧と水っと

これくらいかな」


「それでもう行くのか」


「常さん」

「なんだ」


「異世界へ行く前にイロイロなモノの扱い方を教えますね」


「掃除機ぐれー使えんぞ」


「はぁ 大丈夫かなぁ」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る