2章 第3話

自分は夢を見ていた。


自分がまだ幼い頃だろうか、目の前には若い男性と女性が幼い自分の手を握って引いて歩いていた。


多分この二人はぼくの両親だろう。そう思ったのは顔が少し自分に似ていた。


二人は笑顔で手を引きながら、街を歩く、周りの人達も家族連れや友達と恋人と色々な人が街の中を歩く、幼い自分は両親と一緒に何処か遊びに行くのだろうかそれとも、何かの記念日で食事に行くのだろうか、どっちにしても幸せな事に変わりはない。


そう思ったのは一瞬で消えた。


あの異業の化物達と会うまでは……


街の中に化物達が突如と現れ、人々を襲った。


ある者は家族を目の前で化物のやられる瞬間を見て絶望する。


ある者は恋人に化物に喰われ、自分もその道に委ねる者


街は恐怖に包まれる。そして、幼い自分も化物に襲われるが両親が化物の前に立つ。


ーーーー逃げろ。


ーーーーこの子には指一本ふれさせない!


両親は幼い自分を守る為に犠牲ぎせいになったのだろうか。化物に立ち向かう両親だったが、化物は仲間を呼び、両親を囲み、一斉に襲いかかる光景を見る。


やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!!!


幼い自分は両親が化物に襲われる姿を見て言葉にならない程の悲鳴をあげる。


  ◆◆◆


「ミツルさん!ミツルさん!」

「ハァ!?」


ヒナガがうなされているミツルを起こす、ミツルはひどくのどかわき身体はひどく汗が出ていた。ミツルは夢を見ていた、昔の記憶の夢を。


「大丈夫?ミツルさん」

「アリサ先輩、ミツルさんが起きてこないから心配していた。でも用事があったから。あたし達がアリサ先輩の変わりに起こしにきた」


ヒナガとアスガはミツルの部屋に入っていた。だが確か、鍵をかけていたはずだったような。


「大丈夫だ、それよりたしかこの部屋鍵がかかっていたはずだが」

「「部屋からうなり声が聞こえてきたから鍵を壊して入った」」


ヒナガとアスガは両方声を揃えて言う。


ミツルは少しだけ呆れてしまったが。少し元気が出た、さっき見た夢はヒナガとアスガと一緒に遅めの朝食をとった後、もう忘れていた。


アリサ先輩の所に向かった。ヒナガとアスガとミツル。


三人はアリサがいる、図書館に向かった。アリサは何故図書館に用事があったのだろうか?っと考えるがわからなかったが、会えば解るだろうとヒナガとアスガは考えるのをやめた。


図書館


「ミツル先輩?珍しいね朝寝坊するなんて」

「少しバリケードの見張りで疲れたのかもしれない。心配かけた」


アリサは「いいよ」と言う。アリサは図書館で本を読んでいた。


アリサは一体何を読んでいるのだろう。三人はアリサが一体どんな本を読んでいるのか聞いてみる。


「この街について調べているの」

「この街について?」

「そう、ほら私達ってこの街が何なのか知らずに過ごしてきたじゃない。今までヒナガとアスガが食材がどこから来ているのかと聞いてなかったら知らないままだったし、ガスや電気もそう。そして池や川、武器をを作る部屋などは一体どうやって現れたのかとか、今、それについて何かのっていないか調べていたの」


だが、結果はなしだった。ここなら何か知ることが出来ると思ったがそう簡単には行かないみたいだ。


アリサは図書館でもう少し、調べると、ヒナガ達とミツルに伝える。まだ調べてない本棚があるからだった。


「わたしも手伝う、アリサ先輩」

「その方が効率的に探せるアスガは本を読むのは得意じゃないけど、これだと思う物を探してみせる」


しかしアリサは首を振る。


「うんうん、ヒナガもアスガも訓練があるでしょ、強くなる為にだからこっちで調べておくから二人は訓練頑張って」


ヒナガ達が一緒に探す手伝いを断る。しかし、二人は今日の訓練は休むことにすると言う。この街で食料や水など、何処から現れたことについては興味はなかった。二人がアリサの手伝いをしたいという意識しかしてなかった。


「アリサ。二人も探すのに、やる気でてるからここは一緒にこの街についての書かれている本がないか探そう」

「そうね、じゃお願いしようかな」


ミツルとヒナガとアスガ三人はアリサと共に街のことが書かれている本を探す手伝い始めた。


ヒナガ達とミツルは二手ふたてに別れた。図書館の中は広く、三階建になっている。為、一階の本棚をアリサにヒナガ達は二階の本棚を、ミツルは三階の方の本棚を調べる。


ヒナガ達は二階にある。本棚を調べる、アスガは棚に入ってる本を全てテーブルの方に置き、ヒナガはその本の中身を確認し、街のことについて載ってないか調べる。


「お姉ちゃん、どう?」

「載ってない。次」


アスガはまた違う本棚から全ての本をテーブルに置き、ヒナガが調べ次々と本を調べることの繰り返す。


「うん?」


アスガはある一冊の本の絵に注目した。アスガは街についての本をテーブルに持っていく使命を忘れて、中身を見る。


アスガが本を持ってこないのでヒナガはアスガの様子を見に来た。元は一人の少年だったことが理由なのか、お互いに何処にいるのかが判るらしい。


「アスガ、何を読んでいるの?」


ヒナガはアスガの隣に座り、アスガが読んでいる本を見る。


「【これでわかる☆動物の生態図鑑】これで君も動物博士だね」


その本のタイトルにはそう書かれていた。アスガは動物が写っているページを興味津々で見ていた。


(こんなに興味を持つ姿のアスガは初めて見た)


アスガは「おおー」っと小さくつぶやいたりしながら次のページをめくりながら見ていた。


「アスガ」

「は!、お姉ちゃん、ごめんなさいこの本をすごく興味が湧いてそれで……」


ヒナガはアスガの頭に手を乗せ、よしよしと撫でる。


「いい、アスガ、ここはあなたに任せるはわたしは別の所の本棚を調べる。何かに興味を持つことは、良いことだとわたしは思うわ」

「お姉ちゃん………うん…!」


ヒナガは別の本棚を探しに向かった。アスガは先程の本を読み終えると、また違う本を取り、読み始める。


  ◆◆◆


ミツルは三階の本棚がならぶ廊下を歩いていた。長い廊下を歩き、ある本棚に足を止める。


「これか」


ミツルは一つの本を手に取ったそれはこの街以外の観光スポットが載った雑誌だった。この街についての本は一切置いておらず、地図さえも載っていない。それならと、この街の近くにある隣街について何かこの街についても載っていないか探してみた。


「シナガワ、トウキョウ、……これか!」


ミツルはポケットから地図を出す、この街だけ空白になっている部分と観光スポットの地図と照らし合わせる。そしてこの街がなんの場所かわかった。


「アキハバラ。この街の名前に関する資料がないか探せばいいってことか!!」


秋葉原アキハラバに関する本を本棚から探す、しかし、秋葉原に関する本はどこを探しても見つから無かった。


「無いなどこにもアキハバラに関することこの街についてのことも載っていない」


ミツルはこの街に関する本を探しても、探しても見つからないのが少し恐ろしくなる。まるでここの街の記憶だけ消されているかのような感じがした。


「とりあえず、一度、アリサの所に合流するかこの街についての名前も解ったことだ」


ビー!ビー!


電子音が外から聞こえてきた。この音は死者達がバリケードを破った音だった。ミツルはすぐ三階の手すりから身を乗りだし、飛び降り一階から無事着地する。


「化物がバリケードを破った、すぐ仲間を集めて、戦う用意だ」

「わかったミツル先輩。すぐみんなに声を掛けるわ、ミツル先輩はヒナガ達をお願い」

「場所は中央広場に集合だ!!」


アリサは外に出ると手から【ディフォン】を取り出す、いつの間にか仲間の全員の手に持っていた携帯端末、連絡や現在位置の情報まで、様々な機能を持つ。


これでみんなと連絡するのが楽になり、仲間に連絡するアリサ、すぐ仲間も中央広場に駆けつけると、返事が来た。



  ◆◆◆



中央広場


「みんな、武器の用意はいい?」


仲間全員揃い、武器を構えていた。ミツルとヒナガ達は先に死者達の所に向かい。後からアリサ達が向かう予定だった。


アリサは仲間に作戦のことを伝え、話しが終わった五分後に作戦開始の予定だった。


「訓練の成果出るといいけど」


ランは不安そうに言う。作戦開始前にランはこれまで訓練が活かせる不安らしい。その後ろからナナがランの背中を叩く。


「大丈夫だって!、訓練通りにやれば、死者共を倒せれるって、アハハハハハ!」

「もー。ナナは緊張と縁がない」


二人が話していると、アスナとレイがやってきた。


「ラン。緊張するのもいいけど、わたし達は子供達を一人も死者達から指一本触れさせない為に全滅させないと、そんな意気込みを持ってもいいとわたしは思うわ」


アスナが子供好きなのはわかっていたランは少し、気持ちを引き締める。自分も街にいる子供達の為に頑張らなければと思ったのだろう。


「でも、無理はしないで欲しいわ、ラン、アスナ、ダメな時は必ず逃げること、アリサ先輩言っていたじゃない」

「「うん!」」


ランとアスナは同時に答える。すると、アリサから連絡がくる。


「それじゃ全員作戦開始!!」

「「おおーー!!」」


仲間達は声を上げ、作戦を開始した。

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