第33話 次のステップへ?

なんとなく白馬生活にも慣れて来た頃、

雅ママから、妙な提案が挙がった。

『新しく店をやらないか?』と。

『明日、新人さんが1人来るから、その子も良かったら連れて行くから』と。


実は、私が来る前から、ママは春さんに話していたらしい。

求人を出してはいるが、ソレ込みでの求人らしかった。

使えそうなら連れて行く、そうでなければ置いて行く。


たしかに、雅ママには不思議な魅力もあり、

新店をオープンするのは、なんとかなるような感じはした。

だけど・・・。

だけれども・・・。


『雨月は、どう思う?』

と、春さんは聞いて来る。

雅ママに電話面接され、採用されて、ここにいる私と違い

春さんは、マスターと電話で話し、白馬へ来たそうで。

『ママには色々教えてもらって感謝してる』

『けれど、今、ここにいるのはマスターのおかげ』

と。

問題は、ソコでがない気がするのだが、

春さんは、前々から雅ママから話を聞いていて

どうすればいいのか判らなくなっていたらしい。


『雨月は、どう思う?』

と?

もちろん反対した。

私達は、寮があるから住む所があり、

職場があり仕事があるから収入があるのだ。

いずれは店をオープンさせるであろうとは思うが

まだ店を持たず、寮も確保していない雅ママにはついて行けるはずもない。


春さんを説得し、新人さんを丸め込み、

雅ママがマスターと喧嘩になり辞めるといった際に

『私達は残る』

と、雅ママとマスターに告げた。


春さん、水商売デビューして、わずか4か月で

雇われママに就任するのであった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る