ぎっちりと詰まっている。文字が?違う、物語が!

web小説では、読みやすいように適宜行を空けるのが王道だと思われます。
実際、紙媒体に比べて、特に横書きだと、行が詰まってると読みづらく感じる方は多いと思います。

そのうえで、この作品。
詰まっている。
web小説としてあるまじき詰まり方。
これは、読みにくい?
……ノン。
問題なく、読める……!

この詰まり方で問題なく読めるのは、本当にうまい文章を書けてないと無理だと思います。
事実、うまい。
そしてストーリーが、おもしろい!

web小説の王道とは外れたストーリー、方向性は海外文学が近いでしょうか?
西洋風の雰囲気、学園、貴族の子、秘密、下水道の冒険、地下に隠された異民族、発展する産業、魔法……
登場人物にしっかりと厚みがあり、だから人物同士の軋轢、信念のぶつかり合いが腹にたまる豊潤な物語となる。

例えるならステーキ。分厚い肉を一切れ噛み締める、あふれるようなうまみとすっと歯が通りながらぶつぶつと筋繊維を噛み切る音が聞こえてくるような確かな歯応え……!
伝わりますでしょうか。この小説はステーキです。(違うよ?

肉厚の物語。
ぜひとも噛み締めてみてください。