空腹時の調理音
- ★★★ Excellent!!!
お腹が空いて、良さげな飯屋に入り、気になる料理を注文し、少し離れた厨房から調理の音が聞こえてくる。
運ばれて来る料理を想像しながら、調理の音を堪能する。
野菜を切る音。
揚げ物の音。
肉を焼く音。
旨そうな音は微塵も腹に貯まらない。
聞く程に空腹が増していく。
空きっ腹をさらに拡張するような小悪魔な音。
それでも聞く事を止められない。
もっと聞いていたい。
続きを聞きたい。
新しい音も聞きたい。
目の前に料理が提供されるその時まで、小悪魔な音を堪能したい。
実際にキャンプを実行し、設営して、肉を焼き、食らい尽くすその時まで、作品を読んで生まれた欲求を満たす事はできないだろう。
だからその時まで、この旨そうな音を堪能していたい。