四章目あらすじ

『四章:仮面で奏でし恋の唄』


 三章目から約半年後。唄遊び、という遊びが流行り始めた夏。町では怪盗パストリルが大騒ぎしていた、乙女の恋心と宝石を盗む大泥棒。警察や兵士も頭を悩ませていた。

 一方、テリーは城で開かれる仮面舞踏会に頭を悩ませていた。舞踏会に参加すると言うことは、嫌な思い出しかない城に大嫌いなメニーと共に行くことになる。拒んだテリーは髪を切ってしまう。

 しかしそれでも行った方がいいという執事のギルエドの言葉を聞き、テリーは泣く泣く舞踏会に参加する。


 参加したのはいいものの、やはりどうしても気分が優れず、金髪の紳士に助けられながらバルコニーで休憩を取るが、症状が悪化。テリーはトイレに駆け込んでしまう。うなだれながらも離れたメニーとアメリを探す中、キッドと再会。キッドに引っ張られて城の庭で楽しいひと時を過ごす。

 せっかくだからとキッドと踊ることにしたテリー。舞踏会会場の中心で踊る二人。この時、テリーがキッドに恋をしていることを自覚する。しかし、その時、怪盗パストリルが舞踏会会場に現れてしまった。


 大混乱の舞踏会の中、キッドが第一王子であったことを告白。怪盗パストリルを捕まえようと戦うが、身の危険を感じたパストリルがメニーを誘拐。謎の唄を残してその場を去った。キッドの正体が分かったテリーも、このままでは再び死刑になる危険性を感じ、キッドから逃げてしまう。その際に、テリーはキッドに対し、酷い裏切りを感じてしまった。


 時は流れ、メニーの捜索が続く中、サリアがメニーの居場所を推理した。自分の故郷の『タナトス』にいるとのこと。タナトスには不可解な未解決事件が残っており、そのことを綴った唄をパストリルが残したのだという。それを聞いたテリーはメニーの好感度を上げるため、サリアと共にタナトスの観光旅行に向かう。一方、キッドもタナトスへ向かっていた。


 タナトスでは、三日間カーニバルが行われていた。三日目には仮面舞踏会が行われる。そこにパストリルが現れると言ったサリアの言葉通りに、テリーは三日間サリアとカーニバルを楽しむことにした。その中でリトルルビィと再会。その晩に、テリーを守りたいという発言をするリトルルビィにいざという時のために血を吸ってもらう。


 二日目、テリーはメニーの姿を見る。メニーを追いかけた先に、金髪の女性が待っていた。彼女の目を見ると気分が悪くなるテリー。迎えに来たサリアに引っ張られ、その場を後にする。

 その日の晩に夢を見るテリー。キッドとの思い出を思い出し、また憎しみを倍増させる。


(前編はここまで(*'ω'*))


 後編。


 仮面舞踏会当日。テリーとサリアは作戦を練り、様々な道具を用意する。そして仮面舞踏会会場へ。サリアと別行動をすることになったテリーは美しい少女と出会う。この時、自分が今までに感じたことのない感動を覚えたが、それどころではないと言い聞かせ、少女から離れる。

 仮面舞踏会会場に行くと、自分好みの金髪の紳士が現れ、ぜひ踊ってほしいと誘われたため、テリーが誘惑に乗り紳士と踊る。しかしその正体は怪盗パストリル本人であった。


 中毒者になり、目を合わせると催眠をかけられるようになった力を使って、盗みを遂行していたのだが、その力はテリーにとっては目眩だけの効果であった。そのため、危険人物なのか、安全なのかを確認するためにテリーに近づいたところ、キッドが現れ、二人の距離を引き離す。怪盗パストリルのファンであったテリーはパストリルと踊れたという事実に発狂。キッドとパストリルが再会出来たのをきっかけに舞踏会が戦場と化す。勝利を目前に、パストリルの催眠でキッドが倒れてしまう。催眠にかかったキッドを起こそうとテリーが頬を叩くが、キッドはまるで起きない。危険な身であると自覚したテリーの前にパストリルが現れ、テリーを誘拐する。


 隠れ家に連れてこられたテリー。そこでようやくパストリルの正体が判明。彼女はソフィア。貴族を酷く恨んでいる中毒者であった。テリーが騙されたと号泣。ソフィアはテリーをもてなし、催眠で操るメニーと共に優しくするが、テリーは結局いいおもちゃとして弄ばれてしまう。


 ソフィアと二人で話し合うテリー。ニクスの件で中毒者には時間制限があると痛いほど理解したため、説得を試みるがソフィアが拒否。このまま死ねるなら死ぬと、テリーに銃を撃つ。しかし全て当たらず、隙を見たテリーがソフィアに頭突きをする。まるで拗ねる子供のようなソフィアに怒鳴る。不幸なら自分が拾ってやると宣言。ソフィアも楽しそうと思うが、頭に魔法使いから命令が下され、テリーを殺そうとする。そこで飲んだ血の匂いを辿ってきたリトルルビィに連れてこられたキッドが間に入り、再びテリーとソフィアを引き剥がす。


 テリーを餌に、キッドがソフィアと戦闘。激しい乱闘の末、ようやくソフィアに注射器を打ち、戦いは終了する。


 しかし、まだ戦いは残っていた。テリーがキッドに騙されたと怒鳴り散らす。話し合いの埒が明かず、二人で話している最中に、催眠で操られていたメニーが暴走。包丁でキッドを刺す。この時に、キッドの来るはずだった死が再びやってきた。死にかけるキッドに、ドロシーがテリーにかけた魔法を思い出し、テリーはとある方法を使って魔法を発動。精神世界において、キッドと会話をする。静かに泣くテリーに手を伸ばし、守らなければいけないテリーを残して死ねないキッドは死から逃れた。


 キッドが蘇り、喜ぶ兵士達をよそに、テリーはメニーを連れてサリアの元へと帰っていく。


 翌日。どうしても話があるからと兵士達に連行され、キッドの元へ行くテリー。キッドが自分の身の事情を話す。王になりたい。そのためには婚約者が必要だった。そして、自分には欠けたものがあると、テリーに説明する。キッドはテリーを離したくない故、婚約者として、付き人として傍に置きたいと言うが、テリーが拒否。もう嫌だと言うテリーに奴隷にすると発言。これに怒った付き人のビリーがキッドを殴り、泣きわめくキッドをテリーが慰めた。しかしその隙を見られ、キッドがテリーの指を噛み、血が出た指に婚約届の印を押させた。これを返してほしくば、再び自分の家に来いとキッドが言う。


 数日後、キッドの元に再び向かうテリー。そこでキッドが女を好きになれない体質だと知ることになる。しかし、魔法を発動させた際の行動で、キッドがテリーを好きであると自覚した。運命を感じた。だから離したくない。つまり、キッドは本気でテリーに恋をしていた。告白をされるがテリーが拒否。

 ならば勝負をしようと持ち掛けたトランプでキッドが勝利してしまい、テリーはキッドの婚約者を継続することになった。


 一ヶ月後、町の中央区域に図書館が建つ。そこで働く司書の中に、元怪盗パストリルのソフィアが紛れ込んでいた。彼女はキッドの部下として、ここで働いているのだという。


 テリーがメニーと共にソフィアの今後について話すうちに、ソフィアは秘めた想いをテリーに告白する。自分のものになれと言ったテリーに、ソフィアが本気で恋をしていたのだ。テリーが拒否。しかし、それよりもメニーが大反対。


 メニーの嫉妬の怒りを鎮めるため、テリーの罪滅ぼし活動は再び幕を上げた。


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