俺、映画館内にて。

「先輩。映画の後はお昼ご飯にするつもりなので、ポップコーンは一つ買って半分こでもいいですか?」


「う、うん、いいよ。」


首をコテンと傾けながら聞いてきたので、オーケーする。

買わないという選択肢はなかったのか………?


ていうかこの子、さっきからやたらと俺の心にグッとくる仕草するんだ。

狙ってやってるのか!

でも、向こうにメリットないし、わざとじゃないんだろうな。

可愛い!

こう、クールに見える後輩が幼い感じの仕草するとギャップがすごい!

わかるだろ!?


「それでは先輩、行きましょう。」


いつの間にかポップコーンを買ってきていた桜ちゃんが言う。


あれ?

もしかしなくても、女子にポップコーンを買いに行かせた俺はかなりダメな奴なのでは?


そんな思考も手を握られてきたことで吹き飛んで、俺はただ引っぱられていくのであった。

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