仲間と力を合わせて、平和と日常を取り戻せ!

☆ 【長】『魔穿の國』作者……スラ猫さま

※ 古代中国を舞台にした作品。時代は前書きから察するに「栄」(九六〇~一二七九)くらい?

 また自主企画の都合上、第一節を読み終えた時点でのご紹介となります。ご了承ください。


             『登場人物一覧』


博俊ボジュン……補佐官の職に就いている少年で、主人公。髪の色はそくで、陽の光を浴びると白銀にも見える。腰まで伸びている不思議な色合いの髪を、一つの白い紐で右側へ結んでいる。魚と肉が食べられない体質。一人称は私。

 素肌は雪のような白さ、曲線を描く細い眉、唇は薄く、女性と見間違えるほどの容姿。梓宸ジシェンとは正反対の頭脳労働タイプ。黒点虎こくてんこと呼ばれる、猫に似た霊獣を操る。


コウ 梓宸ジシェン……黄家出身の青年で、主人公。細身ながらも少し焼けた体はがっちりしており、強く引きしめられた眉、細く鋭い灰汁あく色の瞳。発せられる声は荒波のようだという記述があることから、武芸に長けた者であると思われる。

 ぶつかった相手(博俊)に自分から謝ることから、まったくの常識外れではない。一人称は俺で、食欲旺盛。


蘭花ランファ……目鼻たちのすっきりした美少女で、色白で髪よりも少し濃い人参にんじん色の瞳。アイザイと呼ばれる赤い花柄の衣装を着ており、両脇に深いスリットと白いズボン。口達者で梓宸の幼馴染で、一人称はわらわ

 物語の途中蘭花ランファが経営するお店で、何者かによる猛毒混入事件トラブルに巻き込まれる。


パイ 純宇チェンユ……梓宸が通う道場の主の名前で、老人。


仙女 妲己だっき……皇帝を惑わし国を崩壊へ導く。黄家のご先祖さまが戦った親玉。


妖魔……妲己だっきの家来。人間のふりをしながら長い年月を生きる、不老不死のような力を持つ。縄を自由に操り、その力を利用して梓宸らを拘束することが出来る。


            『特徴・印象に残った点』


一 主人公の二人が正反対ゆえなのか物語にメリハリがあり、楽しく読み進めることが出来ます。時折見せる、博俊ボジュン梓宸ジシェンを抑止する姿(荒っぽい言葉遣いになる)も魅力的です。

 個人的に気に入っている場面は、冷静沈着な博俊がまるで子どものように無邪気に〇〇を採取するシーンです。(〇〇の内容については、実際に作品をご覧になってご確認ください)


二 『封神演義』という作品に世界観が似ており、昔の中国の世界観・光景などを忠実に再現しています。戦闘シーンでは霊獣が登場するので、独自の緊張感を体験出来る点もポイントです。そして人間ドラマはもちろんのこと、謎解きあり・戦闘ありと、色んな要素を含んでいる中華ファンタジー ドラマ小説です。

 また舞台が昔の中国ということもあり、『三国志』『水滸伝』などの歴史小説が好きな方にもおすすめです。


三 中国が舞台となっているためか、登場人物の名前すべてにルビが振ってあります。そのおかげで名前が読めないということもなく、素直に作品の世界観を堪能することが出来ます。


             『気になった点』


一 強いてあげるとすれば、ルビを統一して欲しいと思う場所がありました。作中では盖子を「カイトゥ」「ガイズ」という読み方があったので、若干混同してしまいます。

 

              『総合評価』


 昔ながらの中国の世界観の魅力が存分に伝わる作風に加えて、少し笑ってしまうような博俊ボジュン梓宸ジシェンのコンビが最高です。そこに蘭花ランファも加わることで、三人の何気ない会話がさらに面白さを増します。戦闘描写も控えめなので、中華風ファンタジー ドラマとして普通に楽しめる作品です。

 作品の世界観も中国を舞台にした独特なもので、作者さまの作品に対する情熱が読者にしっかりと伝わってくる、そんな素敵な作風が魅力的です!


      魔穿の國

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886320732

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