時が流れても冷えない想いがここにある。SF要素の効いた恋愛小説。

主人公の龍宮棘はJKである。
ただのJKではない。難病のために治療法が確立されるまでの14年間コールドスリープ処置を施され、つい最近になって目覚めた、肉体年齢は16歳、戸籍上は三十路のJKである。

というユニークな設定が持ち味の恋愛小説です。
コールドスリープというガジェットは主にSF作品で活用されるものですが、こちらはあくまでも現代日本(というと冷凍睡眠技術が存在する以上語弊はあるかもしれませんが)を舞台とした恋愛小説なわけで、珍しいパターンと言えるのではないでしょうか。

目覚めたときには世の中は様変わりしていて、すっかり浦島太郎状態の棘。世代の異なるクラスメイトにうまく溶け込めないばかりか、眠っている間に両親は離婚、新しい母親とともに弟まで出来ている始末。
孤独に苛まれる中でイケメン同級生・桐生輝明に手を差し伸べられた棘は、彼と交流しながらお互いに想いを深め合っていくのですが……。

終盤まで読んだとき、タイトルの本当の意味が明らかになります。

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