ヒロインは、聖人君子でも「良い子」でもない。でも・・・

この物語はコールドスリープと『眠れる森の美女(またの名をいばら姫)』を掛けまして、主人公棘ちゃんは、病気を治すため、十五年ほどたってコールドスリープから目を醒まし、高校生活に入るのですが……。

実母いません。父親再婚してます。腹違いの弟います。
と言った感じで、彼女にとっては突如環境が変化してしまいました。
おまけに友人たちは子どもも生まれた大人ばかりで、彼女にとっては一人ぼっちになったようなものです。
そんな感じで繁華街の夜に出かけるも、根が真面目なので大したグレ方はしません……が、危険な目に遭うのが冒頭です。

彼女は病気になっても支えてくれた親に反抗するわ、いつも気にかけてくれる義母には悪態つくわ、仲良くなりたがっている弟にはそっけなくするわで、一概に「いい子」というわけではありません。
まず、もう「高校生」なので、「子」じゃないですね。でも、そんな彼女にも、ヒーローが現れます。

泣いて喚いて、ボケてつっこんで、後ろ向きになりそうでも前向きになって。そんな棘が、どのように過ごしていくのか。

この物語は家族のハートフルストーリーであり、キュンキュンする青春恋愛であり、そして、伏線がいくつも張り巡らせています。その伏線の回収の仕方に、すごい、の一言です。
悲しい涙ではなく、あたたかいホロホロとした熱の涙。是非ご一読ください!

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