泣いた女子と見た男子、ふたりが織り成すラブストーリー

いつでもどこでも、感情が大きく揺れると泣いてしまう女子だった神崎渚子。
彼女は一念発起、場所を選んで泣けるようになろうとがんばった。結果、彼女はひとりになると泣いてしまう不穏な女子高生となってしまい、さらにはある日、その様をクラスメイトの男子、田中に見られてしまった!

という感じで始まるこの作品、ひと言で表わすなら「くぅー」です。
泣いた渚子さんと目撃者の田中くん、お互いクラスがいっしょなだけの関係だったのが、心はあたふた、状況はわーわー、いつの間にか距離を詰めていきます。
運命の出逢いってほど重くないのに俯瞰して見るとなんかこれ運命じゃね? っていうこの構成、実に「くぅー」なんです!

渚子さんのキャラ立てもいいんですよ。思い詰めてやらかしちゃう系の人なんですけど、それがかわいらしくて、ドラマをぐいぐい引っぱっていって。主人公の強さはすなわち物語の強さですから、その点も実にすばらしい!
まだ始まったばかりの物語ですが、続きが待ち遠しいですねぇ。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)