正気と狂気、生と死。その狭間に、確かにあった「青春」。

読み手を幻惑するような独特の文体で描かれた本作は、最初から最後まで難解かつ解釈の広がりがある怪作です。

不眠の末に起こるあの渦を巻くような頭痛を思わせる、独特の快感とも不快感とも言い切れない中毒性のある文体と話の構成は、確かな技量を持ってして初めて描けるもの。

作者様の次回作に期待です。