第55話 踊る紅は全てを喰む


 剣戟けんげきが、鳴り響いた。


 あちこちで響く怒号、唸り声、血の臭い。辺り一面、男たちが剣を交える。これまでの陽気が嘘のような曇り空だった。白雪が降りしきる。

 フェンは白い息を荒く吐いて、何人目か分からぬ兵士を斬りつける。血が舞い、相手はうずくまる。動きは封じつつも致命傷にはならない、ぎりぎりを狙って騎士団の兵士を切り倒した彼女は、近くにいた反乱軍の男に向かって怒号を上げる。


「状況は……!?」


 応じたのは、クルガだ。彼は、火傷の跡の残る顔を歪めて応じる。


「死者はいません! 怪我人は多数……!」

「動けない者を後方へ!」

「ですが姫様! 彼らもまだ戦えます!」

「それは、自身の命を省みなかった場合でしょう! いいから早く下がらせなさい!」


 思わず本心からフェンが一喝すれば、クルガは驚いたように口をつぐんだ。彼女の剣幕に押されたように、指示を伝えに行く。

 その進路を守るように、フェンは剣を構える。


 フェン達がいるのは、森の入り口に広がる空き地だ。ダリル村は背後にあるが、そこまで隠れられるような場所はない。

 先程まで、火の国の兵士達がひっきりなしに現れていた、森の入口を見やる。新たな兵の姿は見えない。何か策でもあるのか、単純にこちらの出方を伺っているのか。

 頬についた血を、フェンは乱暴に肩で拭った。唾を吐く。そこには己のものとも敵のものともつかぬ血が混じっている。

 視界が揺れる。散漫になりかける思考を叱咤して、フェンは必死に考えを巡らせる。


 一刻の猶予もなかった。


 反乱軍は騎士団と衝突するなり、すぐに押され始めた。ここまではフェンの予想通りだ。訓練させたとはいえ、反乱軍など所詮ただの村人に過ぎない。彼らを騎士団と直接戦わせるつもりは毛頭なかった。だからこそ、男たちには極力剣を交えぬよう言い含め、火の国の兵士を可能な限り森からおびき出すように指示を出した。


 機を見て、炎神の力で兵士達を一掃する――表向き、反乱軍にはそう伝えてある。

 だが、フェンの真意は別にある。


 反乱軍と火の国の兵士を引き離した所で、フェンの口から火の国へ降伏を申し入れること。

 王族たる己の命と引き換えに、反乱軍の男たちの身の保証を要求すること。


 これにより、双方に死者が出る前に、戦の決着をつけること。


 現状、概ね上手くいっているように見える。

 反乱軍に死者はいない。騎士団の方も本気でフェン達を攻める気がないのだろう。

 そして同様に、反乱軍側も騎士団の人間を殺してはいない。今のところは。


 だが、この微妙な均衡がいつまで続くか。戦を終わらせるためには、兵士達を――とりわけ、兵士を率いている人間を早々に森から引きずり出さねばならないが、その居場所はようとして知れない。

 フェンは剣の柄を握りしめる手に力を込めた。


――あははっ! 必死だな、巫女よ!


 戦の音が束の間遠ざかった空間に、姿なき炎神の笑い声が響く。フェンは顔を歪めた。


「……黙っていて、くれませんか」


――つれないなぁ。我はただ、お前の身を案じておるだけよ?


「はっ……笑えない冗談ですね」


――つくづくお前は、妙なやつよ。反乱軍の奴らは、死にたいと言うておるのだ。ならば死なせてやればいいだろう? 


「……それは……駄目、です」


――では、反乱軍を守るために我の力を使えばいい。火の国の兵士どもなぞ、漏れなく焼き尽くしてやろう。


「……っ……いいえ……」


――我儘だなぁ……! お前のその甘い考えが、この状況を生み出していると気づかんのか?


 不意に笑いを消して、炎神が告げる。フェンは言葉に詰まった。剣の柄を握る手が震える。


 分かっている。そんなことは。

 けれど……僅かでも可能性があるのならば。


 フェンは、そう思う。言い聞かせる。膨れ上がる不安を押し殺し、無視する。弱々しく、胸中で呟く。


 誰も彼もが救える道があるのならば、それを選び取るべきだ、と。


 炎の神が、揶揄するように笑った。


――そう呑気なことを言っている暇があるのかね?


 その瞬間だった。

 背後で、身の毛もよだつような悲鳴が聞こえる。

 弾かれるように振り返ったフェンの目の前で、ダリル村へと引き上げていた反乱軍の男がゆっくりと倒れる。周囲の男たちが、動揺と共に男を抱きとめる。フェンの全身から血の気が引いた。慌てて駆け寄る。


「しっかりして……っ!」


 男たちを押しのけ、辿り着いた先でフェンは膝をついた。ぐったりした様子で仰向けに倒れ込んでいたのは、見覚えのある顔だった。幼さが抜けきらない若い青年。ほんの数日前に、フェンが剣の扱い方を褒めた彼。

 その彼の肩口に、一本の矢が深々と突き刺さっている。致命傷を僅かに避けた一撃。青年に息はある。今からでも治療をすれば間に合うはずだ。


 だがそれは、反乱軍の男たちを決起させるに十分な一矢だった。


 口汚く罵りながら、反乱軍の男たちが腰元の剣を抜き放った。

 機を図ったように、茂みから騎士団の兵が次々と姿を現す。刃を滑らせる音を響かせながら、兵士は剣を抜く。

 フェンは総毛立った。

 兵士達からの明確な殺気が肌を刺す。今まで戦ってきた兵士とは、明らかに質が違う。そのことにしかし、怒りに我を失った反乱軍の男たちは気づいていない。


 反乱軍の男達が、型もままならぬまま剣を構える。

 クルガが激高のままに声を上げる。


「貴様ら……ッ! また我らを傷つけるつもりか……!」

「っ……待って! やめて!」


 フェンの制止の声も虚しく、男たちが駆け出す。

 兵士達は動じるでもなく、不気味なほど静かに男たちを待ち構えている。

 だが。


 火の国の兵士が動いた瞬間に、反乱軍の男たちは殺される。考えるより先に、フェンはそう直感して。


 我を忘れて立ち上がり、フェンは剣を抜いた。彼女を待ちわびたように紅の光が舞う。


『っ、破壊を司る炎神よ――! 我が名において 数多の敵を屠る嵐を呼べ……!』


 悲鳴のような声に応じて紅の光が渦を巻き、弾けた。反乱軍と兵士を分かつように炎の壁が顕現する。

 止まれ。止まって。フェンは祈るような気持ちで、肩で息をする。だが。


 反乱軍の男たちは止まらない。炎に勇気づけられたように、雄叫びを上げて兵士達に斬りかかる。

 騎士団の兵士達は止まらない。炎に動揺の声を上げる。それでも、反乱軍の男たちの素人同然の刃を受け止め、切り結んでいく。

 炎神の高らかな笑い声が響き渡る。


「そ、んな……どうして……」


 どうして、止まらないの。


 呆然と呟いた、フェンの視界がぐらりと傾いだ。倒れそうになる体を、なんとか地面に剣を突き刺して支える。


 怒号が響く。

 赤が舞う。

 十年前の戦の時と同じ光景が、目の前にある。憎しみと怨嗟に満ちた光景が。


 体中が熱かった。急速に喉が乾いていく。止まらない。止められない。焦りと恐怖が、フェンの中に残っていた僅かな望みをも蝕んでいく。


 何を……何をすればいい。

 次は何をすれば、彼らを止められるのか。

 彼らを救えるのか。





 ――彼らに救う価値があるのか。






 ぞっとするような暗い声が耳朶を打って、フェンは目を見開いた。全身が震える。汗が止まらない。なのに、体中の血液が一気に凍てつく。


 響いた声は、どちらのものなのだろう。

 炎神のものなのか。

 それとも己の本心なのか。


 フェンの喉奥から、小さな悲鳴が漏れる。

 身の内で燃え盛る炎に呑まれるかのような錯覚。そして。


 最後に彼女の耳に届いたのは、燃え盛る空気を裂かんばかりの、鋭い馬のいななき声だった。


*****



 戦場で、紅蓮の炎が上がった。



 その一点を目指して、アッシュは森の中で馬を走らせる。

 街道として整えられた細い道の先からは、禍々しい炎の赤光が振りまかれていた。近づくにつれ、反乱軍と火の国の兵士が剣を交えているのが見え始める。


 アッシュは舌打ちした。予想していたとはいえ、兵士の方はユリアスの息がかかった男たちだ。幸いなのは、炎のせいで実力が出し切れていないことだろう。反乱軍と兵士は拮抗しているようにも見える。

 だがそれも、いつまで続くか。


 黒馬が高らかにいなないた。アッシュの焦りに応じるように、馬は躊躇なく炎の中を突っ切る。男たちを蹴散らす。身をかがめながら、アッシュは辺りを素早く見回す。

 紅蓮の炎で焦がされた空気。胸が悪くなるような戦場特有の臭い。怒号と共に刃がぶつかり合う耳障りな音。炎の紅。血の赤。舞い散る雪の白。


 そして、戦場の中心。

 剣に寄り掛かるようにして立つのは。


「――っ、フェン・ヴィーズ!」


 アッシュは叫ぶ。馬をそちらへ近づける。炎の中で、うつむいていた彼女がゆるりと顔を上げた。彼女の握る剣が地面から引き抜かれる。そして。


 その刃がアッシュへと向けられる。

 反射的にアッシュの体は動いていた。


 彼は鞘から剣を抜き放つ。疾走する黒馬から飛び降りる。そして眼前に迫る凶刃を受け止める。

 この場に不釣り合いなほど、澄んだ音が響き渡る。


「……っ」


 地に降り立ったアッシュは、不利な体勢ながらも迫る刃を弾いた。素早く後ろに飛びすさる。しかし彼に刃を向けるフェンの動きは止まらない。顔を僅かに俯け前髪で表情を隠したまま、彼女は距離を詰める。淡々と剣を振るう。言葉をかける間もなく、アッシュは再び剣を受ける。受け続ける。


 フェンの剣は、騎士団で教えられる型通りの剣筋を辿る。しかしそれは、極限にまで洗練されていた。無駄がなく、隙もない。彼女の剣戟は、戦場に似つかわしくないほど美しい。

 アッシュは顔をしかめた。フェンの剣は正確無比だが、捌けないほどではない。だが、彼女が自分に剣を向ける理由は何なのか。


 敵対する者同士という立場を演じているのか。

 反乱軍にほだされ、本気でアッシュの命を狙おうとしているのか。

 それとも。


 何度目かの攻撃を受け流し、アッシュは小さく舌打ちした。彼女の真意がなんであれ、時間をかけるのは得策ではない。


 防戦に徹するのをやめ、アッシュはわざと剣を大ぶりに振るった。

 フェンが素早く後方へ飛び退く。それを織り込み済みで、今度はアッシュがフェンとの距離を詰める。左肩の痛みを無視して、アッシュは腰元の鞘へ手を伸ばす。

 無言のままに、フェンは再びアッシュへ向けて剣を振り下ろした。それをしかし、アッシュは己の刃で掬い上げるように受け、押し返す。銀の騎士の技工がいかに優れていようとも、膂力りょりょくの差は埋めがたい。軋んだ音と共にフェンの刃が上方へ弾かれる。彼女の胸元ががら空きになる。


 アッシュは素早く息を詰めながら、左手で握った鞘でフェンの胸元を狙う。斬れないのは百も承知だった。昏倒を狙うだけの一撃。

 すんでのところでフェンは身をかわした。空振りした鞘が彼女の前髪を掠める。彼女の目が露わになる。


 蒼の目に揺れる、禍々しいほどの紅の光が。


「っ、お前……っ」


 返す刃で追撃しようとしていたアッシュは、思わず動きを止めた。

 たった一瞬。

 その機を逃さずフェンはアッシュの懐へ飛び込む。


 美しい銀髪が、周囲で燃え盛る炎の赤光で艶やかに輝く。

 形の良い口角が、喜悦に歪む。

 そして彼女は、くつくつと喉の奥で笑って。



「――よくぞ辿り着いたなぁ、殿下。だが残念」


 巫女の体は、確かに我がもらい受けた。


 そう言ってフェンは――彼女の体を奪った炎神は、アッシュの胸元へ剣を突き立てた。



*****


 ダリル村の女性達が引く荷車と共に歩いていたルルは、顔を跳ね上げた。


 言い知れぬ悪寒と共に振り返る。彼女たちが歩いてきた道は、木々が鬱蒼と茂り黒々とした影を落としている。森は不気味なほど静かだ。鳥の鳴き声一つ聞こえない。目を凝らした所で何が見えるわけでもない。

 気の所為だったのだろうか。

 けれど。


「――早くしなさい」


 前方から、迷惑そうな感情を滲ませた女の声が飛んできた。ルルは後ろ髪を引かれながらも、前方に向き直る。女たちが無言で引く荷車は、軋んだ音を立てながら少しばかり先を進んでいる。

 ダリル村を出て二日が経つが、ルルは未だに女たちを好きになれなかった。


 それは女たちの変によそよそしい態度のせいなのかもしれない。

 あるいは彼女たちのまとう陰鬱な空気のせいか。


 いずれにせよ、気が重い以外の何物でもなかった。けれど、駄々をこねるほどルルは幼くもない。彼女は小さく息をついて、女たちの方に駆け寄る。数人の女たちが、無遠慮な視線をルルにぶつけてくる。それにルルは気づかないふりをして。


 不意に、先頭で荷車を引いていた女が立ち止まった。


「……馬の足音だ。それも複数」


 女の言葉は、周囲に緊張を走らせた。皆一様に動きを止め、不安げに目配せしあう。荷車が動きを止め、森の中に静寂が落ちる。


 そして耳に届く、不吉な蹄の音。


 ルルは我知らず服の裾を握りしめた。

 この辺りの地理に疎いルルでさえ、自分たちの進む道が街道から外れていることは分かった。彼女たちの辿る道は獣道も同然だ。


 自分たちは何者も通らないであろう道を選んでいるのだ。

 だというのに、前方からやってくる人間がいる。

 しかも、あれは。


 前方に目を凝らしていたルルは、馬の足音の正体を目にして体を震わせた。



 三頭の馬それぞれに、旅装姿の人間が跨っている。

 馬上の彼らは、ルル達の姿を認めるなり腰元の剣を抜き放った。


*****



 王都の空は、ここ数日の陽気が嘘のように陰鬱だった。


 灰色の雲が、空一面を厚く覆っている。太陽の光は一筋たりとも差し込まない。冬特有の冷たさをはらんだ風は、王城の廊下に嵌められた窓を揺らす。風が窓の隙間から漏れ込み、悲鳴のような鋭い音を暗い廊下に響き渡らせる。


 昼間だというのに、人通りは全く無い。壁に背を預けたオルフェは天井を振り仰ぐ。吐く息こそ白く染まらぬものの、足元から忍び寄る冷気は体を芯から冷え切らせる。

 不意に足音がした。

 オルフェは壁から背を浮かせ、廊下を塞ぐように立つ。ややあって、暗闇に沈む廊下の先から男が姿を表す。

 男は、殊更ゆったりと歩を進めていた。オルフェの姿に動じた様子もない。それにしかし、オルフェ自身もさして驚きなく口を開く。


「――お待ちしてましたよ、ユリアス殿下」


 あと少しですれ違うというところで、男は――ユリアスは静かに足を止めた。緩く波打つ朱髪を僅かに揺らしながら小首をかしげる。赤い目に戸惑ったような光を浮かべてみせる。


「やぁ、オルフェ君。どうしたんだい?」

「どうもこうも、殿下に用がありまして」

「一体どういう要件かな」

「これに見覚えは?」


 オルフェは懐から取り出した小瓶を突きつけた。小瓶の中には浅緋あさあけ色の布が入っている。

 だが、自身を象徴する色で染められた布を前にしても、ユリアスは微かに笑みを浮かべただけだった。


「見覚えは、ないねぇ」


 掴みどころのない返事に、オルフェは目を眇める。


「実はこの小瓶、私の商会が運んでいた積荷の中から見つかりましてね。しかも、殿下から依頼された積荷だったものですから」

「へえ? それは驚いたな」

「驚いたのは、こっちですよ。積荷を運ぶ際に貴方から書類を頂きましたが……そこに記載されていた積荷の内容は小麦であって、小瓶ではない。まして、爆薬ですら、ないはずですが?」

「そうだね。確かにその書類には覚えがある」

「殿下、商人との取引は信頼が命です。だからこそ、私達は依頼者の積荷の中身を調べずに運搬する。ですが……殿下ともあろうお方が中身を騙っていたとなれば、今後の取引は考えものだ」

「弱ったな。弟くんのこともあるし、君が我々王族を疑いたくなる気持ちも分かるけどね」

「…………」

「力になりたいのは山々だが、残念ながら身に覚えがない。私も忙しい身でね。商品の積み込み自体は別の人間に任せていたんだ……あぁでも、その中には元々ルルド商会の人間だった男たちも混じっていたな。彼らが妙な気を起こして爆薬を仕込んだのかもしれない」


 どこまでも白々しい回答に、オルフェは苦々しく息を吐き出す。

 ユリアスは、にこりと微笑んだ。話は終いと言わんばかりに、再び歩き出す。ゆったりとした足取りのまま、黙り込んだオルフェに近づく。

 そして横並びになる、その一瞬でユリアスは低く囁いた。


「――ここまで辿り着けたのは褒めてあげよう。でも、こんな悠長なことをしていて、水の国の村は大丈夫かな?」


 オルフェは顔を上げた。視界の端で、ユリアスが肩をすくめる。

 暗い廊下に慌ただしい足音が響き渡った。

 廊下の先――ユリアスが向かおうとしていた方向から、一人の兵士が姿を見せる。髪を振り乱しながらユリアスの元へ駆けつけ、素早く地に膝をつく。


 ユリアスは血のごとき赤い目を愉悦に光らせた。

 オルフェは無言のまま、手の中の小瓶を握った。

 そして平伏した兵士が口を開く。



「恐れながら申し上げます――!」

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