宝くじの日

拝啓、猫先生。

まだ暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。

手紙を書こうと思ったのですが、うまく書くことができません。

こういうときは何かが足らない場合が多いです。

手紙に限ったことではありませんが、相手のことを考えず自分のことをべらべらと話す人間は、底が知れているものだそうです。

しかも長々と話されては、相手が疲れてしまいます。

そう思いながら手紙を書くと、筆が進みません。

よくよく考えてみれば、自分の話をあれやこれや書いているではないですか。

自分語りはわたし自身、嫌いです。

なにぶん面白くない。

楽しく、ユーモアがなければ、読んでいられないものです。

どうしたらユーモアある手紙が書けるのでしょうか。

猫先生の肉球でもムニムニすれば楽しい手紙になるのでしょうか。

前足の肉球が七つあるとは、知りませんでしたね。

そういえば最近、お姿を見かけしませんがお元気でしょうか。

お友達はよく見かけます。

散歩しているどこぞのおっちゃんにすっかり餌付けされたのか、散歩している人の後ろを尾行し、あわよくば餌をもらおうとしています。

くれない人には見向きもしません。

手紙も同じく、餌付けするような興味あることを書きなさいとおっしゃりたいのでしょうね。

それがなかなか難しい。

もうしばらく暑い日が続くみたいですが、お体にお気をつけてください。

                           敬具

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