第33話 王粲《おうさん》:魏の制度制定をつかさどった人物

 王粲おうさんは字を仲宣といいます。

 若いころから才能にすぐれており、当時名高かった蔡邕さいよう(蔡琰の父)に高く評価されていました。

 

 十七歳のころに司徒に招かれ、黄門侍郎に任命されましたが、長安が戦乱であったことから就任せず、荊州へ向かって劉表を頼りました。

 しかし劉表は、王粲はやせ細っていて風采が上がらないのを見て、あまり重用しませんでした。


 劉表が亡くなったのち、王粲はその子の劉琮りゅうそうに、曹操に降伏するようすすめます。これによって曹操に認められ、そのもとで昇進していきます。

 魏で新しい制度を制定するときには、王粲がかならずそれを主宰しました。


 建安二十一年(二一六)年に呉の討伐に従軍しましたが、翌年道中で亡くなりました。四十一歳でした。

 

 王粲の特徴といえば、その優れた記憶力でしょう。

 石碑をひと目読んだだけで、一字一句間違えずに暗唱することができました。また対戦中の囲碁の盤面も、ひと目見ただけですべてを覚えて再現できたそうです。

 さらには計算や文章をつくるのもうまく、書いたものは手直しが不要なほどだといいます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る