4日目


 今日を旅の四日目と呼称してよいかどうかは微妙なところである。一日目は船に乗っただけで、四日目は船から降りただけ。まぁ家に帰るまでが遠足という金言があることだし、エピローグということでここはひとつ。


 正直な感想を言うと、紀行文と聞いて名所巡りを期待した読者には申し訳ない気持ちがある。一方で読み手の想定ができるほど発信力のある物書きではないので、そのあたりを気にしたところで大した意味はないようにも思っている。一人でいるのが苦にならないタイプの常として、こちとら自己満足で充分なのである。


 筆者は自分のしょうもない卑屈さを楽しんでいる人種のため、他人にとっては毒にも薬にもならない文章を喜々として書くことができる。これもまた才能かなと適当に自己肯定しつつ、明日は休養に努めることを固く誓っていたりもする。


 自分はこうして真面目さの使いどころを間違えながら生きていきたい。今の世の中はどうにも暗いニュースが多すぎる。そう思わせてくる世間の風潮が嫌いだ。深刻な問題を提起することは重要だが、そればかりが蔓延していても解決策は見えてこないはず。


 いや、だからこういう真面目な話はしたくないんだけれど。これから友人と会う予定だからと家に直帰せずにいるせいで、平衡感覚だけでなく思考の論理性までも乱されてしまっているらしい。


 でもこれでようやくリアルタイムに追いついた。


 そんなわけでそろそろ筆をきたいと思う。


 シーユーアゲイン、ネクストトラベル。

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