第37話 ラドゥン王

「ラドゥン陛下お連れしました」


俺たちはグレールの国王である、ラドゥン王に会いに来ていた。

広く豪華な王座の間の一段高い位置の立派な椅子に、座っている老人がいた。

顔はペペの顔に少し似ている。茶髪ではなく白髪にはなっているが、大柄な体は独特な圧力を感じさせていた。



「お初にお目にかかります。私はスサイド=イズムド=パト=マルトの孫で、ポポ=イズムド=ペペ=マルトです。以後お見知りおきを」


膝まずくとポポはそう言った。

王族の本来の名前が、自分の名前、ファミリー名、親の名前、住んでいる所の名を言うそうだ。


「若い時の兄によく似ているな……よく、我が孫のシルフを無事救い出してくれた」


60歳を超えているはずのラドゥン王の声は、まだ若々しく威圧感があった。


「はい、救出に至っては、このクラーク親子たちの手助けを受けて盗賊団、オーガの剣を殲滅いたしました」


そうポポが言うと俺らを睨みつけるように見て、暫し沈黙をする。


「クラークか……久しいな」


長い沈黙の後に、クラークの方をみて言う。


「どうもお久しぶり、11年ぶり?」


クラークがまるで友達に挨拶するような感じで片手を上げて挨拶をする。


「お父さん!普通に挨拶して」


俺は恥ずかしくてクラーク上げた片手を抑える。

完全に周りの空気がピりつく、周りの騎士が剣を構え直した。

クラークがいつも通りと言えばそうだが、ここでのこの行動は勘弁して欲しい。


「あー、よいよい、あのクラークなら仕方がない……変わらんのう、クラークにも子がいるのか?名前はなんと申す?」


クラークさんはここでも特別扱いか、なんかすごいというか……てか恥ずかしい。

おっと俺のことだな!


「はい、クラーク=マルトの息子のラーク=マルトです。父が大変失礼しました。以後お見知りおきを」


「ほー……いくつになる」


「はい、9歳ここのつになります」


ラドゥン王は目を見開いてから感心したように俺を見つめた。


「ほう、成人前の9歳で素晴らしい。あのクラークの息子とは思えないな、できた息子に育ったな。のうクラーク」


「俺の息子はすごいだろ!」


「お父さん、もう恥ずかしいから!」


もうやめてー!クラークは少しは緊張してくれ!呆れられているから!


「まあいい、クラークに礼儀作法を求める事ほど無駄なものはない、出来たら騎士にでもしておったわ……親とは違って息子がまともに育ってよかったのう、クラーク」


「そうだろ!俺の息子は自慢の息子だよ」


クラークそれは褒めてないから!さりげなく馬鹿にされているから!

もう勘弁してください、俺は恥ずかしくて顔真っ赤だよ。





「ラドゥン王、今回のことでご申告があります」


ポポがラドゥン王に向かって喋りだす。


「なんだ申してみろ」


ポポは立ち上がり話し出す。


「今回の事件は裏で、奴隷ギルドが関係しています。私が奴隷ギルドで奴隷を購入しようとしたことが原因で拉致されました。裏で奴隷ギルドが関与しております」


「なに?」


今まで笑っていたラドゥン王から微笑みは消え、瞳に炎が宿る。


「ラカッド王子がお忍びで、奴隷ギルドにて愛玩用の奴隷を購入していたそうで、購入後に、ラカッド王子はそれが原因でさらわれたと考えられます。たまたまその場に一緒だったシルフ姫も攫われたそうでございます。」


ラカッド王子はシルフ姫の一つ上の兄で、近隣の町に行くのに一緒の馬車に乗っていた居たところをさらわれたと言っていた。

奴隷に関してはシルフ姫は関りが無かったそうだが、ラカッド王子は奴隷を集めて痛めつけるのが趣味だったとマッシュの調べでわかっていた。


そしてラカッド王子は、他の部屋で無残な姿で殺されて強姦された挙句拷問いた。



ラドゥン王はそれを聞くと静かに立ち上がる。


「それは本当か!おい奴隷ギルドの者を捕まえろ」


近くにいた騎士に声をかける。


「はっ」


そう言って騎士達が、部屋から出て行こうとする。


「お待ちください」


ポポがそう言った。


「どうした!」


ラドゥン王が怪訝そうにポポを見つめる。


「いえ、その奴隷ギルドの者たちはすでに鷹の翼こちら手の者によって、確保されています。私も奴隷ギルドの者に恨みを持っていますので、これから復讐をしようと思ってとらえてさせてありますが、ラドゥン王が望みならその者たちを全て引き渡します……ただ引き渡すことで一つお願いがあります」


ラドゥン王は椅子に座るとポポに睨み付ける。


「……手早だな……なにが望みだ」


ラドゥン王はポポを鋭い目で見つめる。ポポはその視線を受けるように顔を見つめてこう言い出した。


「奴隷ギルド者たちを渡す代わりに、奴隷のギルドの所有する全ての奴隷を引き取らせてもらえませんか?」


「ほう、だがそれでは、他の者たちには道理が通らない」


ラドゥン王の言う通りだ。

犯罪者の財産は被害者に払われるのが一般的だ。もちろん奴隷も財産になる。

犯罪者奴隷ギルドとの交換で、ポポだけに奴隷財産を全てくれと言うのはムシが良すぎる。

特に今回のことでは、王族と貴族の者にもかなりの被害者が結構いるから、俺達だけが、財産奴隷独占をして良いわけにはいかない。

全ての奴隷をこちらに渡すとなると、他の被害者に賠償金が渡らなくなるからだ。


普通この場合ならば、奴隷を売りその金を均等に被害者に分配されるのが普通だろう。

特に今回は王族に手をかけた仲間だ、王が総どりをしてもおかしくはないし、誘拐されても助かった者が権利を言える事は難しい。


「もちろんタダとは言いません、奴隷分の対価をお支払いします」


「対価か……。いくら出すつもりだ?奴隷ギルド全体の奴隷となると結構な額になるぞ」


ポポはラドゥン王の目を見つめてこう答える。

あそこにいた奴隷だけではなく、近隣の村では奴隷ギルドの支所があり、買い取っているはずだ。



「これを対価としてはどうですか?」


ポポは持ってきた箱を、ラドゥン王の前に差し出す。


「これは?」


ラドゥン王は不思議そうに箱を見つめる。


「これは砂糖と言う甘味料でございます。虫蜜蜂蜜や他国から輸入しているラクドの蜜メープルシロップに変わる物でございます、これからマルトの名産にしようと思っております」


ラドゥン王の横にいた紫の髪をした、頭のよさそうな30代ぐらいの男が、その箱を取りに来て、箱を開ける。

きっと彼は、この国の大臣か賢者だろう。

蓋を開けると中からは、茶色の砂糖が出てくる。


「これが砂糖?」


男が不思議そうに聞く。

この世界では、甘味料甘い物は、蜂蜜や木の汁ラクドの蜜のみたいな液体か、果物と言った固形の物ぐらいしか、存在していない。

砂糖みたいに粉状のものは見たことが無いはずだ。


「ご賞味ください」


ラドゥン王が目で合図をすると、その男は箱の中の砂糖を、恐る恐る口に入れて食べる。


「あっ」


驚きで動きが止まる。きっと生まれて初めての甘味料砂糖の味で驚いているのだろう。

果物みたいに他の味で邪魔されない、純粋な甘みは感じたことが無いはずだ。


「どうした」


男の様子を確かめる様に、見つめるラドゥン王。


「はい、ラドゥン王、毒ではありません」


そして砂糖の箱を渡し、ラドゥン王も砂糖を舐めると同じように驚く。


虫蜜蜂蜜並みに甘いが味が全く違う……これが対価か?これは珍しくて素晴らしいがこれだけの量と奴隷全部と交換はなかなか難しいぞ」


砂糖の価値はわかってくれたみたいだ。


「いえ、この砂糖の製造方法を対価としてラドゥン王に買い取っていただきたい、これを国の産業にすれば莫大な富を得ます」


ポポはそう答える。


「これの製造法か?これを簡単にできるのか!」


ラドゥン王はポポを見つめる。


「はい、簡単ではないですが、このグレールにある物で同じように製造は可能です。大量に製造が可能になり、かかる単価コスト虫蜜蜂蜜ラクドの蜜メープルシロップよりは、はるかに安く、大量に作れて気軽に手に入ることになるでしょう」


ポポもラドゥン王を見つめて答えた。


「本当か?」


ラドゥン王は驚いている。


「はい、その製造方法の価値にしたら、5000万ギル以上……いやそれでも安いと思います、なのでもう一つお願いがあります」


「欲深いな、なんだ申してみよ」


ラドゥン王はポポをにらみつける。


「今度は金銭的なものではありません。昔、我が祖父スサイドと約束したことを守ってもらうことを確定させたいのです」


「なんの約束だ」


ポポは懐から一枚の羊皮紙を出す。


「ソルトの峠より西以降を、スサイド一族の物とすると言った約束です」


そうスサイド王子はグレールを追い出される時にマルト周辺の土地をもらった。

元々は第一王子であるスサイド王子が、グレールの正当な後継者だったはずなのだが、ラドゥン王の策略で魔物だらけの未開の地マルトに追いやられたからだ。

正直スサイド王子が追いやられた36年前までは、マルトには全く価値のない土地と言うことだった。


だがこれからは違う。俺がマルトを一つの街として価値を高めていく。

これから価値を上げていくのに、後からマルトもラドゥン王の物と言われたら困るからだ。


「そんなことか……よかろう!その約束は覚えておる」


良かった!上手くいくぞ!


「はいありがとうございます。この羊皮紙念書にラドゥン王のサインお願いできますか?」


ポポはその羊皮紙を差し出す。

横にいた男がそれを受け取り、ラドゥン王に渡す。するとそれを見たラドゥン王が、ふっと笑う。


「この計画を立てたのは誰だ?ポポ……お前の考えではあるまい」


ラドゥン王はいきなりそんなことを言い出した。


「さて、なんのことでしょう、これの全ては私と父の計画です」


ポポは顔色を変えずにラドゥン王を見つめて言う。


「ふっははは、お前がそこまでの能力があるか無いかぐらいは調べている。何度かこのグレールに来た時までの情報では、ここまで肝は据わっていなかったと聞くが……まあいい、おいクラークの息子のラークとか言ったな」


「はい!」


なんだよ突然、俺か?こえーよ!ラドゥン王が俺を睨んでいるぞ!


「お前か?」


えーーーー!?なんで俺が全て計画したことがばれているの?……いやいやいくら何でもバレるわけがない。


「何がですか?」


とりあえずとすっとぼける。

ラドゥン王は俺を見つめ続ける。俺は冷や汗がだらだら。

そうするとふっ笑い出す。


「ふははははっ!いやすまん……賢そうだったからついな……そうだな成人したら孫の婿になるか?賢そうだしクラークよりは物分かりがよさそうだ」


えっ?どういう事?俺って婿入り?

隣でクラークが一歩前に出掛けているのを、ポポが手を出して止めた。


「ラドゥン王、残念ながらラークは成人したらと結婚する予定でございす。すみませんが、お断りします」


えっ?なにいってんの?

俺がポポと結婚って誰が決めた!


「男同士のではないか?そのままでは結婚は出来ないぞ」


ラドゥン王がニヤニヤしながらそう言った。


「はい、だから女とも結婚して、多夫多妻で結婚する予定です。そしてつきましては私はシルフ姫とも結婚をしたい。もちろんシルフ姫とラドゥン王の許可をもらった上ですが、お許しになればこの私とシルフ姫を結婚させてください」


ポポが両腕を胸の前に交差させて、深々とお辞儀をした。これは相手に無礼の許しをもらう敬礼になる。

抵抗できないように腕を隠して相手に首を差し出すので、気に入らなければそのまま斬ってもらっても構わないといった意味になると、マッシュにそう教えてもらっていた。


「ふははははははっなかなかやるな!結婚をしてシルフの誇り・・とこのグレールとの繋がりを保つということか!そしてワシの願い通りに孫と結婚させて有能な手駒・・・・・を失わないのか!」


ラドゥン王が大笑いしている……。

だけど目が笑っていない。


「はい、そのつもりです、さすがラドゥン王は聡明な方なのですぐにわかって下さると思っていました」


ポポがそう答える。目は逸らさずラドゥン王を見つめ続ける。


しばらくの沈黙がある。


「良かろう!後はシルフの意思次第にしよう!ワシは賢い者は好きだぞ!奴隷件も了承した!後はお前の好きにするがいい!ふはははぁっ」


ラドゥン王が口角をつり上げて笑う。


「はいありがたき幸せ」


そしてラドゥン王が、俺を見てこういった。


「ラークよ……これからポポとシルフを支えてやってくれな」


「はい、かしこまりました」


そう俺が言うとラドゥン王は、顔に刻まれた皺を増やして笑い続けた。








こうしてラドゥン王との会見は終わった。


城を出ると城の門の前にはマッシュたち鷹の翼が、奴隷ギルドの連中をとらえて、俺の作った手錠と足枷をつけてから、縄で繋げて縛っていた。口には魔法が使えないように猿ぐつわがしてあった。

その中には大怪我をしている者がいるが、今のところすぐに死にそうなぐらいの怪我をしてはない。


「では騎士殿、これらが奴隷ギルドの者ですお渡しします」


ポポは付いてきていた、青い髪の騎士に言って渡す。


「これが奴隷ギルドの者どもですか!おいっ皆の者、こいつらを牢屋ぶちこんどけ!」


騎士たちが、奴隷ギルドの奴ら連れていく。




「よー上手くいったか?」


マッシュが近寄ってきた。


「ラークの計画に間違いはない」


いやいやクラークのせいで、やばくなったところがあったぞ、自慢げに言うな!


「うん何とかね……いろいろと予定外もあったけど」


そして俺はポポを睨む。するとポポはにっこりと笑って手を振る。

……これは確信犯だな!








奴隷ギルドに行くと、そこには百人を優に超える奴隷たちがいた。

その中には死にかけていた奴隷も、数多くいる。


「くそなんて管理だ」


もちろん俺より年下の子供が多くいて、一番年下だと3歳ぐらいの子供が全裸で鎖につながれていた。

ただ逆に30歳を超えた大人がほとんどいない。マッシュに聞くと30歳を超えると売れにくいから、よほど美形とか才能がないと、処分として森の中に捨てる魔物に食べさせるそうだ。




俺は魔法を駆使して、奴隷を治療していく。


「………ラーク、俺が死にそうなんだけど……」


体力があるクラークの生命力エナジーを使って、奴隷たちに分けたのですでに瀕死のクラーク。


「お父さん、あとで何でも好きな物作ってあげるからもう少し頑張って」


「そうか!ならプリンとアイスと唐揚げとあっ後ハンバーグもいいな………」


なぜか生命力が上がった?自分の父親ながらクラークチート能力を持ちすぎだろう。バケモノかよ?

なんとか奴隷達全員の治療が終え、みんなを歩行ができるぐらいには回復させた。




「さて皆さん、今日から君たちの所有者はこの俺、ポポ=イズムド=ペペ=マルトの物となる!」


奴隷たちの前でポポは大きな声で喋っている。その大きい声はよく響き、周りの空気は震えている。

みんな奴隷達はポポを見つめる。その顔はこれから新たの主人に支配される恐怖と、死から助かった安堵の表情が混ざった、不思議な表情をしていた。


「これからは皆の者は我が国・・・マルトで暮らして働いてもらう……だが今までのように虐待や暴行はしない。そしてマルトのために働けば、衣食住の生活を完全に保証しよう、その上で働きに応じて給料も出す!働いて金を溜めればその金でお前たちの身分を買うことで、奴隷からも解放しよう」


ざわざわと奴隷たちが騒ぎ出す。

普通はそうだろう、奴隷を解放するなんて話は聞いたことがないはずだ。


「このことは嘘ではない!我がポポ=イズムド=ペペ=マルトの名において約束をしよう!だが本気で働かない者は虐待はしないが給料は出さない、それは覚悟しておけ!」


「「「「「おおーーーーー」」」」」


奴隷たちから小さい声だが歓声が上がる。

まあいきなりは信じられないか……。





「皆さん、食事ができたので食べてください」


キュロが、そう声をかけた。

俺の指導の元、マルトから持ってきたうどんをキュロたちに作ってもらっていた。

土魔法で作った器に入れて、奴隷たちに渡すと恐る恐る口をつける。



「うめー」

「なんだこれ」

「あー」

「美味しい」

「すごい食べ物だ初めてだ」

「こんなもの食べれるなんて……」


肉と野菜を消化しやすいように細かく刻んだスープの中に、うどんを入れ味噌で煮込んだ味噌煮込みうどんを、奴隷達は我先にと食べだした。

この味噌をふんだんに使った味噌煮込みうどんは、まだこの世界の誰もが食べたことがない美味しい味なはずだ。


「「「うううぅ」」」


中には号泣している奴隷が結構いた。

ガリガリで空腹の奴隷達にとっては、空腹を満たす極上な味の上、助かったことに対する感情の高まりで泣いているのだろう。



「美味い!おかわり」


「父さん……あまり食べ過ぎないでよ」


クラークも奴隷達に混ざって、食べだしていた。

まあクラークには、生命力エナジーを沢山分けてもらったし仕方がない。


「「「うまいーーー」」」


よく見ると鷹の翼の連中も食べだしていた。

うーんマルトから持ってきたうどんが足りるかな?




「上手くいったな」


ポポが俺に近づいて話しかけてきた。


「なにが上手くいっただ!聞いてないぞ!あんなこと!」


俺はポポを睨みつける。


「うーん勝手に言ったのは悪かったけど、まあ無事に終わったことだし、いいやん、気にするな」


ポポはワインレッドの色をした腕輪をしている腕で、頭をボリボリとかいていた。


「何がいいやんだ!ゴルド!」










そう話は少し前にさかのぼる。


「ラーク……やっぱり俺には無理だこんな役目、ラークが代わりに言ってよ」


ポポが泣きそうな顔で俺に言っていた。


「俺が言ったら駄目だよ、身分が違うから俺が言えない、てかポポが言わないと意味がない」


この計画はポポでないと駄目だ。王族筋で、マルトの支配者であるポポが言わないと、全ての意味をなさない。


「俺が代わろうか?」


「えっ?」


ゴルドが俺の後ろからそう声をかけた。


「どうやって……まさか?」


「俺が化けたらいいだろ」


「たしか化けるのって……」


「そうだな俺とセックスすることが必要になる」


ゴルドがニコッと笑いながら言った。

いやいやそれはちょっと駄目だろ?


「……わかった俺はするよ」


ポポは震えながら言う。


「いいのかポポ」


ゴルドが確認する。


「うん、でもラークは……ついてきて」


「えっ?」


俺もか?いくらなんでもそれは……。


「俺はどっちでも構わんよ、早速するか?」


「うん」


ポポは俺の手を掴んで、アーロンの家の一番奥の部屋に入っていく。

部屋に入り、内から鍵を閉めた。


「いいよ」


そう言ってポポは目をつぶる。

女の子の姿のゴルドは、背伸びをしてポポにキスをする。

ゴルドは今は可愛い女の子の姿だ。別に変な感じはしない。

段々と舌を絡ませていく。


「あっ」


ゴルドは、ポポをベッドの上に押し倒す。


「固くなっているね」


そしてポポのパンツを下ろすと、中からでかくなったチンコを出す。


「ああっ」


ゴルドは固くそそり立ったチンコを、まるで飴のよう舐めだす。


「ああ気持ちいい」


ポポは悶え出す。

ゴルドはしごきながら、丁寧に袋まで舐める。


「ああっだめいきそう」


するとゴルドは、舐めるのを止めて服を全部脱ぎ全裸になる。


「ご主人様も参加したいのなら、していいよ」


そういうと俺にウインクして、そのままポポの上にまたがる。

ポポのいきりたったモノを、自分の恥部に当ててゆっくりと腰を下ろしていく。


「ああんんんおっきい」


ゴルドは声を上げる。


「ああすごく気持ちいい、これが女の子の中なんだ!」


ポポは腰を動かしていく。ポポは犯されたことはあっても男として女の子を犯したことはこれが初めてだ。


「だめっ奥に当たっているああっんん」


するとポポは、逆に段々と激しくしていく。


「あっんああ」


「駄目もう我慢できない……いくっ」


「きてぇ」


ポポは痙攣したかのように腰を動かした後、そして二人とも動かなくなった。




えらいもの見たぞ!幼馴染の童貞喪失初体験を見てしまった……。

てか子供9歳児の前でするなよお前ら……。

すでに興奮してギンギンになっているぞ俺。


しばらくするとゴルドは立ち上がって空中を触る。

中から赤い腕輪を出してきた。


「ご主人様、こっちの首輪をこの腕輪と交換してくれ、ポポこっちも同じ奴隷の腕輪だろ鑑定してみろ」


ポポは見ると。


「……うん、ほとんど機能は同じだ」




「おいっお前らなんでセックスした後にそんなにも平然としてんだ?俺はかなりショックだぞ!」


なんてことを叫んでも、まったく二人には聞いてもらえなかった。


俺は納得しないまま、ゴルドの奴隷の首輪を腕輪に交換した。

そして……。


「この我が身を我の愛したもの姿に変えろ、愛者姿変身あいしゃへんげ


するとゴルドはポポと同じ姿に変身する。

こうしてポポに変身したゴルドと俺とクラークは、一緒にラドゥン王の元に行ったのだった。










俺はこいつらにはついていけないかも……。

そう思ったラークであった。


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