第14話招待状と片岡あやめ!

ある日、会社に行くと桂が嬉しそうに何か持ってきた。

たちばな先輩~♪ これどうぞ! 」

僕が何かを受け取るとそこには『招待状』と書かれていた。

桃井さんと桂の結婚式の招待状だった。


「ついに結婚するのか! 桂! おめでとう! 」

そうかそうか。桃井さんの両親に反対されていたけど、ようやくか……


ここ、1年でえにし……高梨先輩……桂……結婚式がたくさんあったな。


「何回も何回も家に行きましたよ! やっと許してくれて……向こうの両親がお腹が目立たないうちに結婚式あげたいらしくて急遽仏滅を狙って2か月後に」

桂は嬉しそうだ!


今日は10月2日……桂の結婚式は12月2日ちょうど2か月後かあ。

ああ、もうすぐ蔵子さんの誕生日だな。


~会社の帰り道~

歩いているとアクセサリー屋さんがあった。

僕はなんとなく、入ってみた。

そこの商品は一点物らしく同じものが置いてない

可愛いクマのぬいぐるみが付いたピン止めがあった。

僕はなんかそのクマのぬいぐるみが気に入り、蔵子さんの誕生日プレゼントにしようと思った。

「すみません~これ、プレゼント用に包んでください! 」

ピンクのラッピングに赤いリボンに『I love you』と書かれた紙が貼ってある


お店を出るとスマホが鳴った。

相手は縁だった。

電話 縁

『もしもし!橘!あやめと連絡が取れたぞ』

電話 橘

『おお! ありがとう! 』

電話 縁

『8日の夜なら空いてるって』

電話 橘

『ありがとう!20時にいつものお店で』


片岡あやめさんとは縁以外になかなかつながりがなくて連絡しづらかったから助かったよ


~翌日~

桂からTOINが来た。


TOIN 桂

『桃井ちゃんから聞いたんすが、今猿さんと小豆沢蔵子さん10月10日有給取ったらしいですよ』


2人だけで誕生日会する気だな!10月10日に今猿コンサルティングに行こうと思ったのに蔵子さんいないのか……困ったな


TOIN 橘

『どこに行くか知らないか?』


TOIN 桂

『そこまで分からないらしいっす』


TOIN 橘

『ありがとう!また頼むよ』


うーん。如月さんでも場所がわからないとは、今猿さんが口止めしてるな。


~その日の夜~

僕はいつものお店(取り憑き婚活1話で出てきたお店)で20分前から待機していた。

「最近人連れてよく来るね。うちからのサービスだよ」

「おやじさんいつもありがとう」

「いいってことよ!」

時間ぴったりに誰かがこちらの席に来た。


「橘 権太くんかしら? 」

胸元があいていてスカートが短い服を着ている巨乳のナイスバディの女性が話しかけてきた

顔は蔵子さんとは違う感じで美人だ。

「あっ……はい。片岡あやめさんですか?」

僕は片岡さんがあまりにも高校時代と変わっていて驚いた。


「胸がメロンぐらいあるのう」

下品なことを言うな。権蔵!


「蔵子ちゃんを脅した犯人を探してるって聞いたけど……」

「そうなんです」


「不知火くんが何かを必死で探していたのを覚えているわ。あと夜中に近くのコンビニに行く途中で聖川先輩が藁人形に釘刺してた。青柳くんが必死に蔵子ちゃんを口説き落とそうとしてたけど失敗して、プライドが傷ついたみたい」

片岡さんは淡々とセクシーに大人の色気を振りまきながら言った。


笹野ありす同様クールだが、片岡さんはセクシー系クールだ。笹野ありすはストイック系クールだな。


「このねえちゃんエロいのう」

だ・か・ら権蔵!下品なこと言うな


「たくさんの情報ありがとうございます! 蔵子さんのことはどう思っていたのですか? 」


「別に……どうも思ってないわよ。橘くんは蔵子ちゃんのことどう思ってるの? 」


「でも友達ですよね? 僕は蔵子さんのことが好きなんです」

「だからなんとなく友達というかあ……」

うーん。片岡さんは天然系クールかも


「それよりいいの? 橘くんの愛しい人……明日男と台湾にお泊まり旅行に行くけど……」

片岡さんの言葉に驚いた。


「えっ!?有給は10月10日だけじゃ……」

「9日は元々お休みが合ってたらしいわよ」

うそ~!泊まりだと完全に……やばい!


「どうしよう……!」

僕は頭を抱えた。


「面白くなってきたわね。今から行ってみる? 」

「場所分かるんですか?」

僕はわらにもすがりたい思いだった。


「明日一緒に行きましょ。空港で待ってるわ」

片岡さんはお金を置いて帰って行った。


「権蔵! 片岡さんのことは何か分かったか? 」

僕がそう言うと、権蔵はぎくっとしてニヤついた顔から表情を変えた


「しまった……ねえちゃんの体ばかり見ていて忘れておった……ぎゃああ」

権蔵が言い終わると同時に僕はお守りに念じた。

「明日と明後日会社休まないとな」


~翌日~

僕は朝早くに会社に電話で連絡した。

「もしもし40℃近く熱があるので……休ませてもらえませんか?……ゴホゴホ。インフルエンザかもしれないので……」

「分かった。大丈夫か? 」

声の主は高梨先輩だった。

「高梨先輩? 」

「昨日……小豆沢課長のあとを継いだ課長が辞めてしまってな……俺が今日から課長になったんだよ」


「それはおめでとうございます」


「小豆沢蔵子さん絡みだな? 」

高梨先輩がそう言うと僕はぎくっとした。


「えーと、まあ。今回だけ見逃してください」

「しょうがねえな。今回だけだぞ。インフルエンザにしとくからがんばれよ。あと権蔵に診断書偽造させておけよ」

あっ診断書のことすっかり忘れていた。


「さすが…高梨先輩! いや高梨課長! 」

こうして僕は空港へ向かうことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る