ライトノベルの嫌いなところ

 先日、本屋へ行きました。

 目的だった上田岳弘の新刊を購入した後で、ライトノベルのコーナーを覗いてみました。

 カクヨムでこうして文章を綴らせてもらっている身としては少し言いづらいところではあるのですが……まったくテンションが上がらない。

 まずタイトルがダサい。相変わらずの内容説明スタイルの長ったらしいタイトルが幅を利かせていて手に取る気にならない。

 そして表紙も似たようなデザインばかりで辟易とさせられる(たまにカッコいいのもあるけどイラスト偏重の棚に結局埋没する)。

 極め付けは謎の四六版。文庫で問題ないところをあえてあのサイズで出すのは出版社が収益を増やしたいだけなのがミエミエで本当に落胆させられる。中高生に読書体験の入り口としてアプローチするなら現状は文庫一択。四六版ならイラストが大きく載せられますーって読み手の想像力をバカにしてるののかと。

 出版は文化の継承に寄与する素晴らしい事業だと僕は理解しているのだけれど、ライトノベルの棚ではその思想はまったく感じられない。

 そりゃわからなくはないよ。

 売り上げがなきゃ会社の継続すら怪しい現代社会で、無難に売れているものを追っかけるのは当然だと思うよ。

 でも出版社ってそんなもんじゃないよねって。

 たとえ売れなくても、これは残すべきと判断した本をちゃんと刷り、新しくて面白いものを率先して提唱するのが出版事業のあるべき姿じゃないのかなって。

 明らかに先細るブームに乗っかり続けているのはそういった文化的な役割を放棄しているようにしか見えない。

 カクヨムコン4の結果発表でもこの傾向は顕著だった。今売れている要素を盛り込んだものを選んだだけ。

 きっとただ愚痴っているだけに見えるだろうけどそうじゃないんだ。

 僕は嘆いているんだ。

 なあ出版社さんよ?

 今のやり方でいけると本気で思ってる?

 売りたいだけならタピオカミルクティでも棚に並べてみたらどーですか?

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