27話 新たな力と魔神の話

「はいっ、お肉どーぞ。」

「サンキュ。」

「…どお?おいし?」

「ああ、久しぶりにパンとたべた。超うめぇ。」

「よかったぁ。まだまだお代わりあるからね。」

「ああ。」

「昨日は本当にお疲れ様。」

昨日二つ目の宝玉の破壊に成功したユウとミーシェは近くの森に身を潜め、軽い祝勝会を行っていた。

「ほらっ、ケーキも焼いたのっ。食べて食べて。」

「うん…おお、うめえ。」

「ふふ、良かった。」

「ありがとな。」

「んーん。全然。」

「それでもありがとな。」

「だ、だから別に…もうっ褒めても何も出ないよ?」

「…そこは素直に喜べよ。」

「う、うるさいっ。それより結構スキル獲得したんでしょ!見せて。」

そう言ってミーシェが半ば強引に話を終わらせた。

「あ、ああ」

ステータスオープン。


藤山優

魔人

Lv 954

HP 70000000

MP ∞

攻撃 6200000

防御 5500000

俊敏 6000000

魔防 5000000

運 1000000


スキル

ステータス補正Lvー 鑑定Lv10 隠蔽Lv10 ???Lv1

復讐の憎花Lvー 大罪スキル 暴食(new) 風属性魔法Lv1(new)

水属性魔法Lv1(new) 剣術Lv1(new) 身体強化魔法Lv1(new)

空間魔法Lv1(new) 夜目Lv5


称号

異世界人 召喚されしもの トイレの神様 創造神に愛されしもの

復讐神に愛されしもの ドラゴンキラー 魔神に愛されしもの(new)



「おお…すごい上がりようだな。流石ステータス補正。増えたスキルも見てみるか…」

鑑定。



大罪スキル 暴食

この世にある万物のものを食べれるようになる。

食べたものの魔力を吸収出来る。

倒したものの心臓を食べるとスキルをランダムで1つ獲得出来る。得られるスキルは保持者の運に比例する。



風属性魔法

風を操る魔法。



水属性魔法

水を操る魔法。



剣術

剣が装備できるようになる。

攻撃に補正がかかる。



身体強化魔法

自分の身体を強化できる魔法。

使うことで攻撃や防御などをあげることが出来る。

しかし運をあげることは出来ない。



空間魔法

ものを転移させたり、一定の空間であれば自分も転移できる魔法。



称号

魔神に愛されしもの

MPに補正がかかる。

あらゆる魔法の威力や効果が二倍になる。



「チートだな…」

「うん、やっぱり人間じゃないね…」

「てかいつの間にお前の姉さんの称号貰ったんだ?」

「たしかに…私と一緒にいるからかなぁ?」

「…かもな。お前のも見せてみろよ。」

「いいけどそんな変わってないよ?…ステータスオープン。」



ミーシェ

ダークエルフ

Lv180

HP 17000000

MP ∞

攻撃 1150000

防御 680000

俊敏 1000000

魔防 800000

運 30



スキル

回復魔法Lv10 結界魔法Lv10 生活魔法Lv10

大罪スキル 怠惰



称号

最後のダークエルフ 復讐神 魔神に愛されしもの



「ほら。新しいスキルも別に手に入れてないし。」

「まあレベルが上がってステータスも上がったってくらいだな。」

「うん。」

「てかお前も十分チートだよな…お前1人でもあいつら全滅させること出来たよな。」

「うん、多分。」

「そう言えばお前の大罪スキル鑑定していいか?」

「うん、いいよ。」

「鑑定。」



大罪スキル 怠惰

相手の五感、神経の機能を停止させる。

全ての傷を睡眠で治すことが出来る。



「なかなかのチートっぷりだな。」

「うん。まあ。」

「次はどこを目指そうか。」

「ここの近くだとアーメル王国ね。」

「今度は誰がアーメルに来るんだろうな。」

「どんな相手がいてもユウなら楽勝でしょ?」

「ああ、少なくともお前のことは守ってやるよ。」

「あ、ありがとう。」

「さぁ、そろそろ寝ようか。」

「うん。」

「スフランで新しい毛布買ったからこれで寝ろよ。」

「え…う、うん。」

「おやすみ。」

「おやすみ…はぁ…」

「?おやすみ。」



寝てから何時間たっただろうか。目が覚めた。

腹に重圧を感じたからだ。

「ミーシェ…毛布やったのに…」

「むにゃむにゃ…ユウ〜…」

「はぁ…」

ミーシェが俺の毛布に侵入していた。

「相変わらず仲がいいわね。」

「あ、ミーシェ姉。」

「前、名前教えたじゃない…私の名前はサラ。覚えた?」

「ああ。…そうか、宝玉壊したから…」

「またあなたの前に出てこれたってわけ。」

「…またミーシェは起こさなくていいのか?」

「ええ、そうしてくれる?それとミーシェお腹出して寝てるから毛布かけてあげてくれる?」

「あ、ああ。」

「…二つ目も壊せたみたいね。」

「ああ、おかげさんで。あと5つだ。待っててくれ。」

「そのうちの魔王領のものは簡単には壊せないわよ?」

「なんだ?魔王が守ってんのか?」

「ええ、おそらくピルークに運んだ宝玉も魔王が守ると思うわ。」

「強いのか?」

「ええ、あなたでも勝てないくらいに。」

「…まじか。」

このステータスでも勝てないってやばくね?

「アーメルを東に少し進んだ所に私たちの故郷があるの。そこに行ってみなさい。」

「え?なんで?」

「あなたはパートナーであるミーシェのことをちゃんと知っておくべきよ。過去のことも。」

「それならサラが教えてくれよ。」

「私にそんな時間はないわね。それに見た方が早いわ。あなたも結構過去に苦労してたみたいだけどミーシェも私も同じぐらい苦労して生きてきたわ。」

「…過去に、何があったんだ?」

「あとはミーシェに聞いて。」

「そうか。わかった。」

「…相変わらずミーシェはあなたをとっても信頼しているみたいね。あなたは目的を果たしたらどうするつもりなの?」

「神様に元の世界に戻してもらうってのが一番いいかな。」

「そのためには私を倒さなければいけないんでしょ?それならこれまでの行動は理にかなってないじゃない。」

「あ、それは大丈夫。神様が俺を呼んだのはただの暇つぶし。お前が復活しようと関係ないな。」

「暇つぶし…大変ね。」

「だから目的を果たしたらなんでもいいさ。ここでも向こうでも。」

「…それならミーシェのこと…あなたに任せてもいいかもしれないわね。」

「は?なんでそうなるんだよ?今俺たちはお前を助け出そうとしてんだぞ?これまでの通りお前が面倒見ればいいだろ?」

「私といるとあの子をまた危険な目に合わせるわ。それにまだ封印が解かれるか分からないし。」

「でもなぁ…」

「あなたはミーシェと一緒にいたくないの?」

「え?…そりゃあいたいけど…飯がうまいからな。」

「それだけ?」

「…」

「あなたはミーシェのこと…どう思ってるの?」

「それは…」

「ミーシェを守りたいんだったらよく考える事ね。…そろそろ時間ね。またいつか。」

「…ああ」

「ミーシェのことよろしく頼むわね。」

「じゃあな。」

「ええ、さよなら。」

サラは光の粒子となって消えていった。



「ミーシェのことどう思ってる…か。とうなんだろうな。」

今まで考えたこと無かったな。ミーシェは俺のことをどう思っているのだろうか?

「考えても分かるわけねえか…寝よう。」

そう言ってミーシェに目をやる。

月明かりに照らされたミーシェの寝顔はとても綺麗なものだった。


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