13話 魔神の真実

―――は?


「すまんがもう一度言ってもらっていいか?」

「だーかーらー!魔神を復活させるの!私と一緒に!」

「いやいやいや!そんなことしたらこの世界滅んじまうぞ!」

「…やっぱりユウ、魔神のことを誤解してる。」

「誤解?」

「魔神はね…いや、私の姉は何もしていないの!」

「んんんんん?今なんて?」

「だから魔神は…「違う違う、なんか今魔神のことほかの呼び方してたじゃん。それを教えてくれる?」」

「お姉ちゃん?」

「そうそうそれ!どういうことかな?」

「…どういうことも何も魔神は私のお姉ちゃんだけど?」

「だけど?じゃないんだよ!それ大事!魔神の妹なのか?!お前は?てか魔神って女なのか?」

「…あ、あれぇ?いってなかったかなぁ?」

「言ってねえし!てかお前話し方変わってねぇか?」

「ほら、あの時はシリアスな感じだったから空気読んで…ねぇ?」

「…はあ。もういいや。…それで?お前の姉さんがなんだって?」

「…お姉ちゃんは悪いことなんて何もしていないの…ただ魔物と人間が一緒に楽しく暮らせる世界を作ろうとしていた…なのに…」

「なのに?」

「…お姉ちゃんは仲間の七人の魔王と、人間に騙され封印されてしまった…」

「…だから一緒にお前の姉さんの封印を解くのを手伝って欲しいと?」

「…そう。」

「断る。」

「…どうして?」

「…だって人間が封印解いちまったらほかの人達に恨まれるだろ?仮に真実を伝えたところで信じてくれるか分からんしな。」

「…2つ訂正してあげる。」

「訂正?」

「一つ。私は真実を伝えるつもりなんてない。ただ平和を望んだお姉ちゃんを封印した人間に復讐するだけ…」

「それが復讐神の由来って訳か…」

「2つ。あなたは人間では無い。」

「なるほど……え?」

「あなたは強化したあとのステータスを見たの?」

「ステータス?」

ステータスオープン!



藤山優

魔人

Lv 850

HP 50000000

MP ∞

攻撃 4500000

防御 3800000

俊敏 5000000

魔防 4300000

運 1000000


スキル

ステータス補正Lvー 鑑定Lv10 隠蔽Lv10 ???Lv1

復讐の憎花Lvー


称号

異世界人 召喚されしもの トイレの神様 創造神に愛されしもの

復讐神に愛されしもの ドラゴンキラー


「な、な、な、なんじゃこりゃー!?」

「ふふ…」

「ふふ…じゃねえんだよ!?チートじゃねえか!てか俺人間やめたのか?」

「私のスキルは人間の体では耐えることが出来ない…だから人間辞めさせてあげたの。」

「あげたの。じゃねえよ!俺はこれからどうすりゃぁいいんだ…」

「私のスキルは人間の体では耐えることが出来ない…だから人間辞めさせてあげたの。」

「あげたの。じゃねえよ!俺はこれからどうすりゃぁいいんだ…」

「取り敢えずお姉ちゃんに会ってみない?魔族のあなたならお姉ちゃんのいる部屋に入ることが出来るの。」

「…はあ…やっぱり見間違いじゃないよな…俺魔人なんだ…」

「?なにを落ち込むの人間なんかより間族の方がステータス高いし、快適だよ?…復讐もしやすいかも…」

「本当か?…復讐しやすくなるんだな?」

「そのために魔人にしたまでもある…」

「…わかった。受け入れよう。…まぁお前の手伝いを断るのは会ってからでも遅くはないか…」

「ホント?!会ってくれるの?」

「…取り敢えずはな…」

「ありがとう!…ほんとに…ありがとう!」

見るとミーシェは泣いていた。

「…おいおいそこまでか?」

「…だって私…これまでずっと1人で…お姉ちゃんがいなくなってどうしたらいいか分からなくて…」

こいつにも色々あるんだな…

「辛かったんだな…」

「…うん…」

「俺の胸貸してやるから存分に泣いていいぞ?…なーんて…」

言いかけた瞬間ミーシェは俺の胸に飛び込んできた。



エート…コノジョウキョウハイッタイ…ドウスレバ?

「…ぐずっ…」

「…」

本当ならここは抱きしめてあげたいところだがヘタレな俺にそんな勇気はない。頭を軽く撫でてやった。




「…落ち着いたか?」

「…ごめん。…ありがと…」

「それより案内してくれるか?」

「うん!」




ミーシェに連れられ俺はさらに地下に潜っていた。

「ひとつ気になるんだがお前も一応神様なんだろ?1人でなんとかできないのか?」

「…わたしは1人ではここから出ることが出来ないの…でも復讐神のスキルを持っているあなたとなら大丈夫。」

「だから1人途方に暮れてたのか…」

「そう。」

「…てかお前俺についてくるつもりなのか?」

「…ダメ?」

上目遣いは卑怯だぞ!

「い、いや。ダメではないけど…」

「決定だね!」

まあいいか…

「着いたよ…あれがお姉ちゃん…」

「あ、あれが…確認だけど生きてるんだよな?」

地下にいたのは何本もの巨大な槍で串刺しにされ鎖で体を固定され氷漬けにされたミーシェによく似た美少女だった。

「…生きてるよ。お姉ちゃんは死なないの。だから人間は封印しか姉を黙らせる方法がなかったの。」

「…どうして封印されたんだ?」

「お姉ちゃんがあまりに強すぎる魔力を持ってたから…でも姉はその力をけして戦いには使わなかった。…なのに人間は…」

「そうか…封印をとくにはどうしたらいいんだ?」

「…手伝って…くれるの?」

「勘違いするなよ?あくまで復讐のついでだからな?…それに流石にこれは可愛そうだろ…お前は俺についてくるんだろう?」

「…ユウ…あり、…ありがとう…」

「おいおいまたか?」

「…だってぇ…ユウ…ツンデレ…」

「うっせー!……それで?俺は何をしたらいいんだ?」

「…封印する時魔王達は7つの宝玉に魔力を込めてそれにお姉ちゃんの魂を分けて入れたの。」

「それを全部破壊すればいいわけだな?」

「うん。」

「…行くか?…一緒に。」

「うん!」

こうして優とミーシェの復讐の旅が始まった。


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