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  • はじめまして。
    主人公が最後に芽生えた感情は、「同情」だと思ってました。
    死に行く人間への憐憫。
    けれども、まったく別の感情で、そこに喜びも混じっている。
    決して誰にも理解できないし、こんな感情は誰にも話せない。

    読了感は、開けてはいけない扉を開けた後の、妙な喜びみたいな想いです。
    不快感はなく、ただ驚きと面白い物を読んだという思いです。
    そう、面白かったです。

  • 主人公に芽生えた感情は、文中でも書かれていたように、不謹慎で倫理的には良くないと思われるものかもしれません。ですが、多くの人にも発生する可能性がある感情かもしれないと私は思いました。

    何かに対して一生懸命に頑張っている人を、カッコいいとか美しいと思うのは、もはや一般常識と言ってもいいくらいの当たり前の感情だと思います。
    しかし、生き物が一番一生懸命に頑張る姿を見せるのは、きっと自分の命がかかった瞬間だと思います。
    同じ人間同士以外に、天敵がほとんど存在しない人間には、それを実感することはあまり無いと思います。ですが、いざそれを見た時に、その姿を美しいと思うのは、おかしくはないと思わなくもないです。その姿はその人間が人生で一番頑張ってる瞬間かもしれないですから。

    私は主人公の感情に共感する事はできません。しかし、彼はきっと悪い人ではないと思いました。他人が頑張っている姿を見て、美しいと思える人間です。
    私も頑張っている人は応援したくなりますし、きっと誰しもそうだと思います。死刑囚を相手にしてまで、そう思える彼の感情のことを、私は共感することはできませんが、否定もできないなと思わされました。

    長々と失礼いたしました。考え始めるとキリがないような深くて考えさせられるお話で、楽しませていただきました。