黒き死神が笑う日

神通百力

告白?

「話って何だ?」

 大勢の生徒が帰途につき静まり返った放課後の教室。

「あの……好きです。付き合ってください」

「くだらねぇ」

「え?」

「俺は好かれるのも誰かを好きになるのも嫌いだ」

「えっと」

「だからさ――」

 彼は満面の笑みで私にこう告げた。

「死ね」

 どんっ、と突き飛ばされて窓から落ちた。

「三階から落ちればどんな風になるかな」

 最期に見たのは彼の悪魔のような美しい笑みだった。


 ☆☆

 

「ちっ、三階から落ちたわりにきれいな死体だな。つまんねぇ。そうだ、掃除用具入れに入っているちりとりで体中を痛めつけるか」

 俺は早速掃除用具入れからちりとりを取り出し、教室を出て階段を降り校舎を出た。

 窓から落ちた女子生徒の所に辿り着いた。

「かわいそうに」

 殺したの俺なんだけどね。

 俺はちりとりを振りかぶり目玉を潰した。もう片方の目玉も潰した。

 顔をちりとりの端の角で切り裂いた。何度も何度も切り裂いた。その度に興奮して身体が痙攣し、涎が出てきた。

 首を切り裂いた。大量の血が噴出した。それを俺は狼の如き素早さで避け……切れず服が血で汚れてしまった。まぁ仕方がねえよな自業自得なんだし。

 手、胴、足の順番で切り裂いた。

 俺は無理やり女装させられた孤独な少年のような心境で女子生徒を眺めた。

 顔は誰だか判別できないぐらいグチャグチャになった。

 服が破れてボロボロになり自らの血でコーティングされた肌が見え見えである。別に見たくないが……。

 さて、これからどうしようか。冷やし中華でも始めるか。……別に料理店やりたいわけじゃないけどね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る