第2話赤宮 きりんが赤宮 カノンになったワケ そして姉は… パートワン

「じゃあ、カノンちゃんになった訳だし、着替えたら早速仕事に向かいましょう」


「うん、わかった」


私は姉から着替えをもらって、その場で着替え始める。


一応だが、さっきから話しているこの人物こそ私の姉、赤宮 蘭だ。


私の姉は、今のように着替えを持ってきてくれたり予定を教えてくれたりと、私のお世話をやたらと焼いてくれる。


そんな姉は一応私と歳が五歳離れていて二十一歳。

一応大学に通う歳だ。


だけど姉は今大学にはいっていない。


いや、姉は実際、一年と半年前ほどまではちゃんと大学に通っていた。


そんな姉は今何故大学に行かなくなったかというと、その理由は、私が赤宮 カノンになったあの日から。








俺は赤宮 きりん。

思春期真っ只中の中学二年生だ。

そんな俺が今ハマっているものはというと…


「ぐっ!!!俺の目が疼く!!!みんな離れろ!!!俺の封印されし邪眼が!!」


そう、俺がハマっているものは中二病です!!



……すみません。

嘘です。


そんな俺がハマっているのは、なんと!!


声優です!


いや、少し違うか?

俺は声優になりたくて、アニメを観ながら声優の真似ばかりしている。


そんな俺が憧れていることそれは……


メインヒロインのキャラを演じること。


それを目指して俺は声優の練習をしている。

それも毎日毎日。

そして今ではプロに負けないくらいできるようになった。

そう、俺は声優に関しては天才的だった。


だが俺はメインヒロインになれない。

なることはできない。


だって俺は男だから。

いくら努力していたって女の子のキャラをを演じることはできない。


理屈ではわかっているけど、どうしても諦められない道。




そんな俺が秋葉原から家へ帰る途中、その出来事は起きた。


「そこの貴方、ちょっといいかしら?」


女の人が俺に向かって話しかけてくる。

よく見ると結構かわいいな。


「ちょっと聞いてるのかしら?」


「あっ、はい、聞いてます」


「そう、ならいいわ」


その女の人はそう言ってからスカートのホコリをはらうと、真剣な表情をして俺に向かって言った。


「貴方、声優になりたくない?」

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