第参回 踏切

 私の帰り道には、踏切があります。


 この日は、いつも一緒に帰る友達が委員会活動で、遅くなり特に何もしていない帰宅部の私は、一人で下校している最中でした。

 時刻は4時ぐらい、この日は、日が沈むスピードが速くて、夕日も半分ぐらい沈んでいました。

 私はいつも最短ルートで家に帰宅し、録画していたドラマを見るのが日課になっています。

 帰り道には、駄菓子屋、郵便局、駅、などがあり、たまに駄菓子屋でさくらんぼ餅を買ったりしています。

 しかし、日が暮れ始めていることもあったので私は、早歩きで家へ向かいました。

 ですが途中の踏切で捕まってしまいました。この踏切はすぐ近くに駅があることから、駅に電車が止まっている長い時間、待たなければいけないという。とってもめんどくさい場所になっています。


 カーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーン


踏切は締まり地獄のような待ち時間の始まりです。


 カーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーン


私は踏切が上がるまでの間、友達にメールを送ったり、ツイッターを確認したり暇を潰せることを、ひたすらしていました。


 カーンカーンカッカーンカーンカーンカーンカッカーンカーンカーンカーン



 カーンカーンカッカーンカッカーンカーンカーンカッカッカッカーンカーン


???


 カーンカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッ


!?


 私は、あまりの不自然さに驚き、スマホの画面から顔を上げました。


 そこには、踏切が いました。 言い間違えとかじゃなくて、いたんです。

 私の目の前には、高さ3メートルぐらいの大きさのなんだかわからないものがいました。


 人の体のようでところどころ足りなかったり、肥大化した。胴体、本来の人間ならば頭のあるはずの場所には、黒と黄色の模様にバッテン印、つまり踏切警報機が生えていました。


 私は、その「カッ」と音を発する。なにかを見た瞬間、恐怖で身動きができなくなりました。私はこの時、人間って本当に怖いと動けないんだ、と頭のどこかで考えていました。

 私が固まっていると、そいつの胴体の一部がぱかぁっと開き、気持ちの悪い大きな口が現れ途端にその口から


 カーン!カーン!カーン!カーン!カーン!カーン!カーン!カーン!


 と大きな音を発しながら、私に飛びついてこようとしてきたんです。私はこの時死を覚悟しました。

 しかし次の瞬間、視界の端っこから電車が現れそいつを


グシャ、グキ、ブチョ、バキッ


 と音お立てながら引きずって走っていきました。私は、思いもよらないことが起き思わず「ファ!?」と口から出てしまいました。

 

 私はこれ以来、この踏切は通らずに遠回りをして帰っています。


終わり



【解説】

 どうでしたでしょうか?ちなみに物語の語り手は、毎度違ったり、同じ人だったりするので、誰の話か考えてみると面白いですよ。それでは解説へ移りましょう。


<場化物ネーム>

踏切の騒音 又は 踏切の悪魔


<出現場所> 

3tめ死の踏切


<出現時間>

午後4時~午前2時の間ランダムで現れる


<見た目>

 人間の体が肥大化した姿で肌は白っぽい、頭の代わりに踏切警報機が付いている。首との接合部分は、人間の首に無理やり刺さっているような見た目である。

 場合により腕や胴体の一部が欠損している場合あり。

 捕食状態に入ると、胴体の胸にあたる部分に血に塗られた巨大な口が現れる。


<行動>

 人が視線を逸らしているうちに突然現れ、少しずつ近づいてくる。捕食状態ではない場合、胴体付近から「カッ」という音が聞こえる。

 捕食状態に入ると、胸のあたりに口が開け、対象を食いちぎる。食べ終わった後は、いつの間にか消えてしまう。

 

 補足

 この場化物はこの場所にしか出現しないため、他の踏切での被害が出ることはない、それに加え、この踏切の立地から捕食状態に入っても電車に押されてどこかへ行ってしまうため、例外がない限り捕食されることはない



【最後に】

今回は、音の表現を多めに入れてみました。この場化物は、見た目が先に思いついたので、ちょっとお話が強引だったかもしれません。こんなのでもよければこれからもよろしくお願いいたします。


あなたの近くにいつも恐怖がありますように。


 

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