場化物一覧

第壱回 水たまり

 雨の日のことでした。いつもと変わらない道いつもと変わらない時間いつもとほとんど変わらない通行人、通り慣れた道を歩いていると、小学校高学年ぐらいの女の子が雨合羽を纏い、なおかつ赤い傘をさして歩いていたんですよ。

 登校中なのでしょうか?背中には、真っ赤なランドセルを背負い水たまりをバチャバチャさせながら歩いていました。

 その子は、信号機の前に立ち信号が変わるまでの間、長靴で水たまりを蹴っていました。私は小学校高学年の子でもまだ子供だなぁなんて思いながらぼーっと見てたんです。


今思うと見なかったほうがよかったと思います。


 私は、しばらく見ていて違和感を覚えたんですよ。

女の子にですか?いえ、女の子にではなく水たまりにです。


 水たまりに写っている女の子が変に、なんというか


「くねっていたのです。」


 最初は水の波紋で揺らめいているのかななんて、思っていました。

ですが女の子はもう水たまりを蹴ることに飽きて傘を回して遊んでいるんです。

雨も強くなく大きな波紋ができるわけでもありません、しかし


 水たまりの中の女の子は、たしかに


足がありえない方向に折れ曲がり体が軟体生物のように湾曲し、

身に着けているものは、ボロボロで赤黒く汚れています。

髪もぼさぼさで全体的にぼやけているように見えたんです。


 それに、

 

 水面に映っている、片目だけ大きく肥大し白目がなく、骨格を無理やり縦に伸ばしたようなその顔は、私のほうをしっかりととらえていたんですよ!


 その得体のしれない モノ は、あろうことか水たまりの中から伸ばした自らの手を、少女の足首に巻き付かせ、今にでも水たまりの中に引きずり込もうとしてるんです。


 止めなかったのかって?そんなものを見てとっさに動けませんよ!


 でも、そのときちょうど切り替わった信号機を見て女の子は、走っていきました。走っていく少女を目で追った後にさっきの水たまりを見たのですが


先ほどの モノ はもういませんでした。


 私も緊張が解け一息つき、少し怖くなって下を向いてみたんです。

でもそこには自分が写っているだけでした。さすがに自分が変わってるなんてこと無いよななんて思いながら再び赤になった信号を待っていました。


 「それにしても助かりましたよ。本当に変わっていたなんて。」


終わり



【解説】

 めちゃめちゃ下手クソでしたが、怖かったでしょうか?これからもっと精進いたします。では、解説に移りましょう。


<場化物名>

ひきこみさん 又は ひきこさん


<出現場所> 

主に信号機付近の水たまり


<出現時間>

基本いつでも 午後23時~午前3時から活発化


<見た目> 

 水たまりに立っている人の姿に依存する。しかしその姿は、足がおかしな方向に曲がり胴は、湾曲しており服はボロボロで赤黒く汚れいる、手は痩せこけていて今にも折れそうなほどである。顔は両目とも白目がなく片方は肥大化している。目は底なしの井戸のように暗く、輪郭は無理やり縦に伸ばしたような形をしている。


<行動>

 信号機付近の水たまりに出現しゆっくり水たまりの中へ連れ込もうとする。

大体の場合引き込む前に信号を渡られてしまう。

 晴れの日は、出現しない

 午後23時~午前3時の間は、ひきこさんは活性化し水たまりの中から出てくることがまれにある。この時出現する場所は、車通りや人出の少ない信号付近に出現ししばらく歩き回り水たまりに帰ってゆく、もしもひきこさんを見かけるまたは、見つかった場合は、活性前同様水たまりに引き込まれる。

ひきこまれた人は、ひきこさんに食われたなど異世界に飛ばされたなど言われるが

ひきこさんが水たまりの外にいる状態で捕食していることは今まで発見されていないため消えた人の行方は、わからない。


<想定被害者数>

 ■■■人 (年間)



【最後に】

 最初の場化物どうでしたでしょうか。じわじわ来る恐怖って描写難しいですね。これを見て、怖いまたは、こういったのが好きであればこれからもよろしくお願いします。それでは今回はここまで。


あなたの近くにいつも恐怖がありますように。






NO.001 「ひきこみさん」

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