第5話

「……まぁ、そんな些細なこと気にすることないさ。

 今は、就職難だからな」


 玉藻が、そう言って猫之助の肩を叩く。

 猫之助が気づいたとき、玉藻が隣に座っていた。

 猫之助の胸がキュンとざわめく。

 女の人が、こんなに近くにいることが初めてだからだ。


「どうしたのだ?

 顔が赤いぞ?」


 玉藻が、そう言って優しい微笑みを向ける。


「な、なんでもありません」


 猫之助が、そう言ってうつむく。


「あの……

 その、ここでよろしいのでしょうか?」


 そう言ってひとりの女子高生が現れる。


「あ、貴方は……

 剛力 綾さん?」


「はい。

 剛力 綾……です……」


 キリが、そう言うとその綾を猫之助の前に座らせた。


「よろしくね」


 キリがニッコリと笑った。

 続いてOL風の若い女性と中年の男性。

 そして、男子高生に若い男がふたり、喫茶店の中に招かれ、自殺同盟の第一回目の会議がはじまるのであった。

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