第41話 写真映え?なんてね。

 パートを終えたら夕飯を作る、今日は鶏肉ソテーのホワイトソース添え、と言ってもシチューのもとを使ったものだ。ここまではいつも通り。

 でもそこにスマートフォンで料理写真を撮るという小さな日課が新しく加わった、100均で買った可愛らしいランチョンマットと、少し見た目のいいお皿で。

 角度はこのぐらいでいいかしら、美味しそうに見えるかしら、こんなありふれた料理でも誰かの参考になるのかしら。あぁそんなことばかり考えていてはお料理が冷めてしまう、温かいうちに頂きたいけれど夫は『納期』だから今日は遅いと言われた、パート帰りの足で学童へ迎えに行ったから健一ももういるし、先に食べていよう。

「いただきます」

「いただきます!」

健一はまずシチューをスプーンですくう、健一が好きだからシチュー部分は少し多めに作って、私は野菜のゴロゴロが好きなのだけれど野菜が嫌いな健一はそれでは食べてくれないので、健一のだけ小さく切って小さな鍋で煮ている。

「うんっ!美味しい!」

よかった、人参もカリフラワーも今のところ食べてくれている。冷蔵庫に少し残っていた蕪も。ありもので作れるのでシチューは大助かりだけれど、これはそれを鶏肉ソテーに掛けたもの。それにしても私が写真映えを気にして料理をするようになるとは思わなかった。いくらか映えるものという選び方だけれど、もしかしたら映えないと思われているものにも撮影の仕方というものがあるのかもしれない、まだよくわからないけれど、明日は買ってきたサバを焼いてみよう。

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