第5話 黒い鬼神を倒せ!!

肩を巨大な猪の頭に変え突進してくる黒い鬼神。


それに対し、弓を引き絞るように構えるサイダイナックル。

「まずは、小手調べですわ♪」

敵が射程に入った瞬間、反撃の嚆矢であるサイダイナックルの拳が放たれた!!


激しい音を立てて猪の頭が粉砕され、殴り飛ばされる鬼神。


サイダイナックルの爪先のブレードが外れ、両腕の内側にセットされる。

「行きますわ、サイダイハァァァッグ!!」


サイダイナックルの目が光り、念動力で殴り飛ばされた鬼神を急速に引き寄せ

敵の腰を刃の付いた腕で刺しながら絞め付ける技、それがサイダイハッグ。


黒い鬼神に、地獄の抱擁で責め苦を与えるサイダイナックル!!


鬼神がサイダイナックルを殴り逃れようとするが、インパクトの瞬間に

拳が念動力のシールドを張り防御する事で倒すまでに時間がかかると言う

絞め技の弱点を補っていた。


これが決まれば、相手は真っ二つに粉砕される必殺技だが黒い鬼神は

まだ負けてはいなかった。


「危ない、ルミナ!!」

黒い鬼神の目が光り、怪しげな黒いエネルギーが溢れ出たのを見た拳が

強制的に操縦を奪い、技を解いてブースターを噴かして跳躍し黒い鬼神の

後方へと逃げる。


拳の読みが当たり、黒い鬼神か1ら恐ろしい闇の光線が放たれ山を吹き飛ばした!!

「悪いが選手交代だ、あいつは人が操ってると言うより怪獣だ俺が倒す!!」


拳の怪獣猟師の直感が、鬼神は人が操るロボットとではなく怪獣の類と判断した。

攻撃を避けられた鬼神がうなり声を上げて再度光線を吐こうと振り返り口を開く。


「やらせるかよ!!ツインサイキックカノン、シュート!!」

両肩のツインサイキックカノンから、青い閃光が迸る!!


互いのビームがぶつかり合い、押し合いになる。


「拳、私が付いていますあなたなら負けません♪」

ルミナが、拳を後ろから優しく抱きしめる。


拳の後頭部に当たっている、ルミナの大きく柔らかな胸の感触が

拳の心に活力を与えサイキックコンバーターの出力を増加させる!!


サイキックコンバーターは精神の力をエネルギーに変換する。


ルミナに胸を当てられた事で、拳の闘志と煩悩が燃え上がり

サイダイナックルのビームの出力が増加して行く!!


「うおおおおっ!!ぶち抜け~~~~~~っ!!」

拳の叫びと共に、サイダイナックルのビームが押し勝ち

黒い鬼神の頭部を消し飛ばし、ついでに山に大穴を開ける!!


市街地であれば大惨事間違いなしの戦いであった。


頭が消し飛んだ黒い鬼神、今度は胸板に目が開き腹筋が口を開く。


しぶとい生命力だが、最後の悪あがきだった。

「拳? 最後は一緒に決めません♪」


ルミナの言葉に拳は頷く、二人の間にもはや確執はなかった。

雨降って地固まる、拳とルミナは機体の中で一組のバカップルとなっていた。


突っ込んでくる鬼神の両目にブレードを射出して突き刺す。


のた打ち回る鬼神のサイドに回り込み、サイダイナックル腕を噛まれるのも厭わず

がっちりと腹をクラッチ!!


「「サイキックリフト!!」」

エネルギーを敵の体内に流し込みながら、サイダイナックルが放つ技は俵返し!!


相手の脇に回り込み、胴を絞めて持ち上げて投げる技である。


投げ飛ばされて大地に落下した鬼神は、爆散した。


クレーターを開けるわ山は壊すわの激闘を制したのは、サイダイナックルであった。









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