超能力者の私と中二病さん

ねこまんま

第1話これは運命の出会いなのでしょうか

 ど、どうしましょう・・・

 こんな気持ちは初めてです。こんなに心がドキドキするなんて経験が無くて私どうにかなっちゃいそうです。

 もしかしたらこれは神様がくれた運命の出会いかもしれません!


 「どうも盟友(クラスメイト)の諸君!!私の名前は山田太郎。しかしそれは世を忍ぶ仮の名前。我が真名は“悠久なる闇(エターナルファントム)”なり!!普段は中学生として力を隠しているが、この世界は我が力“完璧な能力(パーフェクトパワー)”によって守られているのだ盟友諸君!!」


 ついに同じ力を持つ人に出会えたのですから!



 ~入学式当日学校前~


 雲一つ無くお日様がキラキラと光り輝いている今日は、市立緑が丘中学校の入学式です!この間地元の小学校を卒業して今日からこの緑が丘中学校に入学することになりました。小学校では友達が全く出来なかったのですが中学校では他の小学校からも生徒が来るので友達が出来る絶好のチャンスです!


 私は昔から人と話すのが苦手で友達が欲しいといつも思っていたのですが、結局小学校の六年間友達が出来ずに終わってしまいました。

 口べたな私は伝えたいことが上手く伝えられなくていつも相手に気を遣わせてしまったり、怒らせてしまったりしてしまいます。それが原因でますます人と話すのが苦手になってしまいました。

 

 それから私は物心ついたときから他の人には使えない特別な力が使えました。私はその力のことを勝手に超能力と呼んでいるのですが、物を触れずに動かすことが出来たり、自身を好きな場所に瞬間移動することが出来たり、他にもまだまだ色んな事が出来ます。

 どうして自分にだけ超能力が使えるのか。自分なりに悩むこともありますが、あまり悩みすぎずに生きていこうと最近は思っています。私の両親はとても優しくて、私がこのような超能力を持っていても私をなんら特別扱いも忌み嫌うこともせず、今までこうして普通の暮らしを送っています。


 話がそれてしまいました。今日は友達を作るべく頑張るぞー!と私は密かに決意を心の内に固め、学校の中へと進むのでした。


 クラス分けが掲示されている大きなボードを見ると3組に自分の名前が載っていました。クラスは合計6クラスあるみたいです。今日からの学校生活のために新しく買った紺色をベースにしたブレザーを着ていることを改めて確認して、3組へと向かいました。


 なんか居心地が悪いです・・・

 8時30分からの朝の学活に間に合う様、ゆとりを持って8時に教室に着いたのですが、5人程度しかまだ教室には来ていませんでした。その時にはまだ良かったのですが、15分を過ぎると小学校の時からの友達と話したり、隣同士で新しく友達になっていたりと、私は誰とも話さず周りからしてみると浮いているのではと思うようになってきてしまいました。   

 隣の人と話したいのですが、教室についてからずーっと本を読んでいたので、相手も声をかけずらかったのでしょうか、既に他の子と話を始めてしまいました。他の四方の隣の席の子達も別の友達と話していて、完全に乗り遅れてしまいました・・・

 こんなことなら本を持ってこなければ良かったです・・・


 結局、朝の学活が始まるまで一人で本を読むことになってしまい、少し孤独感を感じつつも、今までもそうだったじゃないかと変に自分を元気づけて朝の学活を迎えました。


 「みんなおはよう!今日からみんなの担任になる英語科の松村だ。まずは入学おめでとう。早速で悪いが、8時40分から廊下に並んで体育館で入学式を行うからそれまでの10分はトイレ行くなり好きに過ごしてていいぞ。」


 この3組の担任の先生は松村先生という男性の先生です。身長は175cmほどでしょうか。結構がっちりとした体系で髪も短めの刈り上げをしています。多分ですけどスポーツをやってたと思います。そういえば両親から中学からは教科によって担当の先生が替わるって聞きました。そこが小学校との一つの大きな違いだとも。


 10分後、廊下に並んで体育館に向かい、入学式が行われました。ああ、私本当に中学生になったんだなぁって実感しました。


 それから教室に戻り、今日は教科書等の配布とクラスメイトの自己紹介をしたら早めに終わるとの事でした。

 ここでなんとかして自分をアピールして友達をつくるきっかけを作らないと・・・!


 そして話は冒頭に戻るのでした。

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