転生ホムンクルス奮闘記

鯉妄想

第0章 はじまり

第1話 ようそこ、最悪の異世界へ


・・・・うるさい


何やら外が五月蝿いが静かに寝かせて欲しい

このまま静かに


・・・・・「ん?」

死んでいたいって俺は死んだんだっけ?

とか思っていたら死んだ時のことを思い出した

たしか、山奥で喧嘩してたら刀で首切られて死んだんだった・・・・


ありえねーーーーーーー!!!!!!

何だ、刀で斬られたって、21世紀になった現代日本で刀で死亡とかありえねーー!

詳細思い出そうにも思い出せねーし、喧嘩にナイフならまだしも刀って、なんでそんな物騒な物持ってきてんだよ!


ふざけるなよ!本物の刀持ってて居合いもやってるとか反則じゃねーか!!

いや、ナイフぐらい持ってくると思ってましたよ?

だから防刃シャツ、グローブ、スリーブの防刃装備で固めてから

喧嘩に向かったんだけど本物の刀とか持ってくるとは思わないじゃん?

最初は模造刀だと思ったんだよ、ビビらせて動きが悪くなったところをボコろうとしてたんだろ?とか思うじゃん!

それが本物でさー、そいつの仲間もビビるキレっぷり最後は防刃で守られてない場所狙われてTHE・END


そのまま死んだはずなんだけど、今生きてるよな?

どうなってるんだ、目を覚ませば判るのか?

でも、このまま死んでいたい。


・・・・なんなんだろうな、この感覚

こうして考え事ができる時点で生きてはいるんだろうけど、頭では死んだと確信している

だから、このまま死んでいたい。


・・・・・うん、この表現が一番しっくりくるな

死んで目を覚ましたくないんだけど、目が覚める。


一日中寝てるなんて無理だからな

なんてことを考えながら目が覚めた。


「どうなってるんだ?」


大きな部屋に八本の柱、内側には魔方陣らしきものがあり中心部の台座に寝かされていた俺

服とか身に着けていたものは生前のまま、決闘に呼び出されたときのまま

目が覚めたのは儀式部屋、そう言い表すのが適格な部屋のだった。


「俺は斬られて死んだはずだ」


「■、■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

(あ、やっべ、翻訳の魔法を掛けとくのを忘れてたのう)


サンタのような白く長い髭を生やし、とんがり帽子にローブをきた魔法使いっぽい格好のじいさんが何か喋っているが言葉がわからん


部屋にはじいさんの他に鎧を着た兵士らしき人が数人

つか、聞いたこともない発音なんだが、何人よ?


見た目、白人っぽいけど聞いたことない発音とかどんなマイナーな国の言語なんだか、英語喋ればある程度は通じるかね?………殆ど喋れないけど


「ハロー、マイネーミズ、トウヤ・オオイケ。ヒヤー、イズ、ディス?」

(こんにちは、私の名前はオオイケ・トウヤです。ここはどこですか?)



……これで通じるか?発音が駄目すぎるような、それ以前のような気がするけど


「■■、■■■■■、

(うむ、困ったのう、)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。

(今から翻訳の魔法を掛けたところで効果が出るまで時間がかかるからのう。)

■■■■■■■。」

(どうするかのう。)


うん、通じてねぇってか聞いてねーな


どうすっかなっと思ってると後ろにいた兵士っぽい格好をした人が剣を首に突きつけてくる。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

(私たちが押さえますのでデドラ様は翻訳の魔法をお願いします)


動くなってことか?


その瞬間浮かぶのは死んだ原因、致命傷になった首の傷


俺は死んだ。首を斬られて即死しなかったのが不思議なぐらい酷い傷を負った

その相手に「死」のトラウマ突きつけてくるとかいい度胸じゃん!てめぇが死ね!

剣を掴んで足で思いっきり蹴り飛ばす。


2.3メートル吹っ飛んでそのまま倒れる兵士

起き上がる気配はない


他の兵士たちが殺気づく

見た限り兵士は4.5人、全員ぶっ殺す!!


手持ち武器、兵士から奪った剣(ロングソードってやつか?)、防具は死ぬ前につけていた防刃のグローブ、シャツ、スリーブ


相手の兵士は剣(奪った剣と同じ)に盾(▽の形で手から肘まで隠せるぐらいの大きさの盾)に軽鎧(重要なところだけ鉄で他は革鎧って感じ)


見た目、西洋中世の兵士って感じだがハリボテだろ?

蹴りで2.3メートル吹っ飛ぶとか重い鎧着てたらありえねーし

でも、死んだときのような油断はしない


あの時は自分だけは死ぬはずが無いなんて考えていた

だから斬りかかって来た相手にも真っ向勝負してしまった

今度は喧嘩じゃなく殺し合いだと思って行動する

あの剣は全部本物、相手は全員殺しに来ている

なら殺される前に殺すしかない


なに考えてるんだか分からねーと思うが、俺も分からねー

キレたとかムカついたとかそんなんじゃねぇ

もっと根源的な何かを味わっている

何かってのは俺にも分からねーが、意思よりも本能がやつらを殺せと命じている


その本能のままに倒れている兵士に駆け寄り鎧の横から蹴り潰すつもりだったが、気づいたらサッカーボールのように相手を蹴り上げて兵士の一人にぶつけた。


異常な力が出ていたが今は好都合、鎧ごと相手の内臓を潰せたような感触がしたがこれも気にしていられない

血を吐く兵士に当たった衝撃で動けなくなる兵士、他の魔方陣の外に居た兵士たちが一斉に襲って来たが


「遅くね?」


言いながら手持ちの剣を兵士の一人に投げつける

投げつけられた兵士が盾で弾くのにあわせて肘撃ちを腹(水月)に直撃させる

投げた体勢をほとんど変えずに放った一撃は鎧の一番頑丈な部分を貫通して肘がお腹に当たったが、威力が軽減されたのか一撃で倒すことはできなかったみたいだ


囲まれる前に離脱しようとしたが反撃に肩を斬りつけられてしまい左肩を強打した

幸い防刃シャツを着ていたので斬られてはいない

糞、反応速度が遅いからと判断を誤った

肩を強打した際の金属音、あれは人を斬れる金属音だった


前回は、ここで対策を間違えた。

殺し合いをやめるように説得しようとしてしまった

だから今回は・・・・・


「ウァハハハハハハハハハ、■■■■■!■■!」

(ウァハハハハハハハハハ、これは愉快!愉快!)


気にしていなかったが最初話しかけてた爺さんが台座の反対側で笑い出した

そして俺と目があった瞬間に急に眠気が襲ってきた


「なん・・・だ?」


身体も急に動かなくなってきたし何がどうなっている?


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

(こやつはワシが眠らせとるから手が空いてる兵たちは怪我人の治療を頼む)


何喋ってるか分からねーし

そのまま暫く兵士たちに指示をだして、部屋から出て行く兵士や、倒れた兵士を介抱する兵士


「■■■、■、■、■■■■■■■■■■■■■■?

(この目、髪、肌、あと場所から考えて日本人かの?)

■■■■■■■■■■■■■」

(なら始めの一言はこれじゃな)


指示を出し終わったじいさんがこっちにきて訳のわからない言葉のうちの一言だけ日本語だった


「・・・・ようこそ、最悪の世界へ」


その言葉は日本語だったが、意味がわからない

眠る寸前で聞いた言葉は最初の一言にしては不吉な言葉だった

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