ぬるりとした肌感覚

闇の中で手毬をつく顔の見えない女、
といえば怪談好きの方なら展開が想像できることだろう。
主人公の中で恐怖心がつのっていくさまが丁寧に描かれており、
その感覚はヒヤリやゾクリではなく、ぬるりと読者にまとわりつく。
極限の恐怖から解放されるのは一種、カタルシスである。