第5話 『深夜の無人駐車場』

 これまた、自動販売機さんの続きのようなお話なんですが、時期的にはさらにさかのぼる事、5年くらい。


 つまり、今からもう15年くらいは前の事かと思います。


 なんとなく、うっとおしい夜でした。


 こういうときは、お散歩に限ると考えて、自動車で真夜中の街に出て行きまして、無人の駐車場に入りました。(今は無人が普通ですが、当時はまだ受け付けに人がいるところも、あったのですね。)



 で、まあ15分程度ふらつきまして、やっこらさと車に戻り、るんるん、という感じで、カードを精算機に掛けました。


 『駐車料金・・・2万5千円・・・です、お支払いください。』


「なに~~~!!」


 冗談じゃない、15分程度止めて、なんで2万5千円なの?


 ここは、ぼったくり駐車場か?


 いやいや、普通の公営駐車場なんですよお。


 しかし、気が付いたのです。


 お金入れないと、バーが上がらない。


 突破したら、それこそ犯罪になる。


 そんなお金ないし、そもそも、払いたくもないですよね。


 しかたないので、車をバックさせて、連絡用電話機から電話しました。


『15分ほど止めたら、2万5千円請求されて、出られないんです!』


『ああ、すぐ行きます。』


 すぐと言っても、30分以上は、十分、待ったような。


 もしも、他の人が出ようとしたら、どうなるのか。


 駐車している車は、いたと思います。

 

 ここの出口は一つだけ。

 

 その人も巻き込むことになるぞ!


 恐怖の時間が、じりじりと経過します。


 幸い、真夜中のこととて、誰も現れない・・・。 

 

 やがて、ひとりの、おじさまがやって来ました。


 問題は、ここからです。



「ああ、いやあ、こいつ今日の昼間からおかしくってね。」


『じゃあ、早く、直せよなあ~~~!!』


 これは内心。


 おじさまは、機械の中を開け、なにやらかちゃかちゃとやり、すると、バーがすっと上がりました。


「ええと、じゃあ5千円。」


「はあ? 15分くらいですよ?!」


「ああ、じゃあ、3千円。」


「あの、15分ですよ!」


 つまり相手のおじさまは、実時間全体をも、考慮に入れようとしていたわけですな。


 ぼくは、立ち往生させられた時間は、当然、無視しております。


「はあ~~~~???」


「ええーと、じゃあ。まあ、2千円でいいです。」


「ブ~! 15分で2千円ですかあ?」


 しかしまあ、も、早く出たかったし、真夜中でもあるし・・・・


 ここが、やましんの弱いところなのですなあ。


 結局、2千円ほどを払って、退出となりました。


 ばかみたいな、おさんぽでした。


 もう真夜中の駐車場なんか、入ってやらない。



  *・・・・・・・金額には、多少、誤差があったかもしれません。     

           いやあ、やましんは自動販売機さんに弱くて、つい20日           ほど前にも、千円札を吸い込まれて、今度は、一切何も、出て来ませんでした。お金は、返していただきましたが。          


                 《 くたばれ、やましん!! 》  






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