第7話 引っ越し作業

知られたくない過去が明かされてしまった。


今の状況を軽くまとめる。

恐怖により、腰が抜けてしまっている涼風さん。

突然の事で、口を押えている奈央ちゃん。

かなり動揺しているように見られる悠一。

顎を砕き気絶している女。

「お前、何があったんだ」と過去についてと思われる問いかけた悠一に、俺は

「後で詳しく説明する」といい腰が抜けてしまっている涼風さんの方に、話しかけた。「大丈夫?」と。もちろん、自分でも大丈夫では無いと分かっているつもりだ。しかし、他にどのように聞けばいいのか思いつかなかったためこのようになってしまった。涼風さんは優しかった。過去のことに深く追及したのかただ、

「助けてくれて、ありがとうございます。」とだけ、言ってくれた。

奈央ちゃんも「気にしなくていいよ」と優しく声を掛けてくれた。


しばらくすると、駅にある駐在所から警察官と思われる防弾チョッキを着た人が

走ってきた。そこで俺は、米軍であることを証明する、階級章を提示した。

どうやら、彼らはこの階級章を知っていたそうだ。ちなみに俺は、二等軍曹だ。

階級章には、英語でStaff Sergeantと書かれている。

すぐさま再敬礼し倒れている女に手錠をつなぎ駐在所に運んだ。すると、警官が

「どのようなことがあったのでしょうか」と尋ねてき、手短に説明した。


ようやく解放され時計を見ると2時半をきっていた。改めて、「今日、どうする?」と聞くと「予定通りに片付け手伝うよ」と返してくれた。そして、俺は

「ありがとう。さっきのことは後で詳しく説明するよ」と言った。


地下鉄を降りマンションに向かった。

すると、悠一が「まさか、あのマンション?」と恐る恐る聞いてきた。

「あぁ、そうだけど」と返すと悠一をふくめ涼風さんと奈央ちゃんが次々に

「すげぇ」「「すごい」」と目を丸くした。

部屋は最上階の22階だ。普通なら最上階はオーナーが住むはずだがオーナーは、入居者が困ったときに最上階だとすぐに対応できないというためオーナーは11階に住んでいる。


エレベーターに乗り22階へと向かった。エレベーターだと30秒程でつく。因みに22階は自分のマンションしかない。


エレベーターが到着し、ドアの前まで着いた。ガチャと開けるとダンボールだらけの部屋のおでましだ。3人そろって「「「うわぁ」」」と驚いているようだ。最低限の机とキッチン用品は出してはいるが、参考書や趣味などのものはまだダンボールの中だ。


「とにかく、上がって」と言うと「「「お邪魔します」」」と声を合わせて言った。


冷蔵庫の中から、お茶をとりだし未使用のコップにお茶を注いだ。

今だ、悠一達は部屋の広さに驚いているが特に風呂から見る夜景は絶景だ。


「お茶だけどどうぞ。あとこのコップは未使用だから気にしないで」と言った。

悠一が、「お茶を飲んだら作業に取り掛かりますか」と言い賛同した。


全員お茶を飲み終わり作業に取り掛かった。効率良くするため、場所割をした。その前に部屋を案内した。


場所割は寝室を自分が担当し、リビングを奈央ちゃん。キッチンを涼風さん。そして悠一はというと、浴場をしてもらうようにした。


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