乾いた文体、乾いたアイデア

 短編を書こうとして、駅のホームで、女子高生がカエサルの「内乱記」を読んでいる画が浮かんだ。
 しかし、その画を動かすプラスアルファが思い浮かばず、作品にはできなかった。
 読ませる本を変えていれば、もしかしたら、一作、カクヨムに投稿できていたかもしれない。

 本短編集の作品はどれも短い。しかし、余計なものが極力排されているだけなので、その中身は濃い。アイデアがダイレクトに読み手へ伝わってくる作品が多い。

 個人的に好感を持ったのは、セリフと風景描写から始めない点と、1エピソードが短いところ。