　3人で話す内容はだいたい同じだ。ショーマのバイクに乗りたいって話。レンのグルメ情報。俺の世の中への愚痴。何年経っても話す内容は成長しない。成長したとすれば、ショーマが乗りたがっていたものが原付からバイクに変わったことくらいだろう。

「そうそう、昨日のニュース見たか？　まーた爆発だって」

「うん、見たよー。今度はカナダだってね」

　俺がトイレから帰ってくると、ショーマとレンが話していた。

『何の話だ？』

「お前、今もニュースとか見てないのか！？　連日やってるじゃん！」

「ヒカルくんは昔からニュースとか見ないもんね」

「見ても芸能関係だけだもんな」

　ショーマとレンが笑って言う。

『べ、別にいいだろ！　なんの話か早く教えてくれよ！』

「最近、世界中で謎の爆発事故が起きているんだよ。未だに原因不明で、みんな怖がってるんだぜ」

「日本でもだいぶ前にあったんだけど、それもまだ原因がわからないんだとか」

　2人が教えてくれた。嫌でも耳に入ってきそうな話なのに、俺はどれだけ興味がないんだ……。自分が嫌になった。

『そ、そうなのか。物騒な世の中だな……』

　話は終わり、カフェを出た。駅前の店をグルッと周り、レンのおすすめの店でご飯を食べて解散する。これも変わらないコースだ。気がつくと時間は21時を過ぎていた。2人と別れ、家路についた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい