第28話  期末テスト、来ます。

 以前に行われた中間テストについてはかなり上々であったという印象を残すままに今度は期末テストの時期が迫ってきた。期末テストは範囲の大きさがほぼ倍になるために赤点者も多いということが挙げられ、その上、夏休みに補習という悲しきものがあるためにモチベーションを上げるものが多い。生徒会の面々はいつも通りであり、一年生もなかなか聡明の様で何ら心配はないように感じる。



 「えーと、今週に金曜日から部活動休止期間に入るから~みんなちゃんと勉強してね~。2週間あるからしっかりね。あと知ってると思うけど、欠点者は夏休み補習があるからね。」


 友恵ちゃんの注意勧告を受けて、今日も放課後を迎える。はぁ~、今日もだらだらしてたなぁ~。


 「涼さん、涼さん、起きてください。生徒会室に行きますよ。」


 「あぁ、うん。分かった。」


 中間テストの後に席替えがまた行われたが、強運なのか、再び隣同士となった俺と零。中央の最後尾のために零にとっては板書しやすく、俺にとっては寝やすい位置取りに感謝している。


 「金曜日から休止期間に入るようですので、バスケ部の方は、木曜日までですね。」


 「まぁ、そうだな。イレギュラーな感じで長めに参加したけど、明後日で終わりかな。」


 そう、なぜかバスケ部には2週間程度いた。女子バスケ部とも練習をともにしたがあまり重要そうな気もしないが、爺さんの指示だから仕方ない。まぁ、女子バスケ部とプレイしている最中に零が笑ってない笑顔を見せていたのは言うまでもない。女子バスケ部とのゲームで体同士が接触したら、インターバル中にシャツを変えさせられたり、俺のドリンクやタオルをずっと肌身離さず持って、女子を睨んでいたりした……。


 まぁ、そんなことを乗り越え、金曜日を迎えた。生徒会も休みということで、零のリクエストにより、今日は放課後ス〇バ勉強デートになった。まぁ、最寄り駅の中にあり見かけるが、行く機会がなかったからな……。


 「零、俺、ス〇バ初めてなんだけど……。」


 「あ、大丈夫ですよ。涼さんの好きそうなメニューは把握してますから。」


 「あ、ありがとう。俺だと注文も出来そうにないから……。」


 「私に任せてください!、あ、涼さんは席を取っておいてください。あんまり人がいないので、広めの席でお願いします。」


 「分かった。」


 やはり、世に名を馳せている有名店だけあって、内装などには言う事なし、下手な図書館よりも俺としては勉強できる良い場所に感じる。零と俺の二人だが、まぁ4人席で良いだろう。カウンターとは対角の位置にあるところの4人席に陣を取る。席を取って、少しするとご機嫌な零が注文したであろう品を両手に持ってきた。


 「お待たせしました!えーと、涼さんにはカフェオレをベースにした甘めのものにしてみました。」


 「お、ありがとう。あ、これ良いな~、俺こういう感じ好きだわ。よく好み分かったな。」


 「そう言ってもらえて嬉しいです。(涼さんの好みは把握済みですから♡)」


 「あれ、零のは?」


 「私のは抹茶ベースの新作でーす。一回試してみたかったんですよね~。あ、涼さんも飲んでみます?」


 「え、俺が最初に口付けていいの?」


 「涼さんでしたら、何ら気にしませんよ(ホントはもう私が少し飲んでいるので、涼さんが飲めば間接キス成立です。)」


 「じゃあ、ちょっともらうね。あ、これもおいしい。」


 「ホントですか、じゃあ私も~(でも、やっぱり涼さんの目の前で間接キスアピール)」


 零って口移しとかあんまり気にしないタイプだよなぁ~、男からすると結婚相手でもやっぱり意識してしまうのに……、まさか俺以外とも……。


 あぁ~、涼さんとこの頃キスしてないなぁ~なんか涼さんがよりストイックになっちゃったんですよね~。そういう感じの涼さんもカッコいいけど、私としてはもっと色々してほしいです……というかキスと言わず襲ってほしいです♡


 「んで、今日はどうする?また課題の提出物から始めるの?」 


 「はい、前回よりも範囲が広いので多いんですよね~。」


 「まぁ、頑張るしかないね……。」


 「はい!」


 明日は休日ということで、まぁまぁ遅くまで粘り、キリの良いところで終える。

その休日も前回と同様に図書館に入りびたり、零の質問に付き合い、自分の問題集と格闘したりとまぁまぁ充実していた。




 期末考査上位者リスト(総合)

1 萩原 涼

2 葉山 勇人

3 伊藤 楓

7 小山内 雅

9 東雲 零

20 秦 基子



 「あれ、秦さんって結構すごいんだな……。」


 「はい、情報通ですから!」


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