第24話 練習、いざ運動会
爺さんに言われた通り、練習時間などの打ち合わせなどを行い、いざ練習日が決まった。学校もなぜなのか午後授業が休みとかいう状態が運動会前のみ施行された。そのため、今日は、と言うか運動会まで練習の毎日だ……。そして、練習前の昼食タイムin生徒会室にあの方は来た。
「どうも、新聞部の秦です。」
「「あ、秦さん」」
新聞部は生徒会の女性陣(2年生)にこよなく愛され(信頼され)ている。理由は簡単である……情報と牽制ができるから。1年生の生徒会にも知られているが、まだ2年生の域には達していない。
「秦さん、今日はどうしたの?」
雅が訪ねる。まぁ返答は予想がつくが……
「いえ、これから運動会やその前の練習があると聞き、これはチャンスと思い、許可を取りに参りました。お二方は人気がありますので。」
「オッケー、いいよ。」
さすが、雅、間髪入れずに許可出したよ。
「秦さん、この前ので当分持つって言ってたけど?」
「いえ、あの後、最新の望遠レンズにカメラを購入して残金400円でして……。」
「あ~、そう。」
高校生がどんな買い物してんだよ……。
昼食と秦さんとの商談が終わり、隣町へ行く。ちなみに選手やマネージャー以外は放課である。うーん、なんか理不尽。グラウンドについていくと、それはそれは絶景である。外周の400mコースは青色のタータン、フィールドは人工芝、雨天時用の室内コース、シャワー室完備。呆れるほどに良い施設……。
「もう結構な人数が来てるなぁ~、まぁ初日だから軽めにしておこう。」
他のクラスや1年のクラスもいるためにまぁまぁ人がいるのは仕方ない。
「零ちゃん~、一緒に着替えよ~。」
「はい。」
「萩原君、零ちゃん借りるね~。」
「ご自由にしてくれ。」
そして、施設内の更衣室を前にして分かれる。多分だが、秦さんあたりが狙っているはずだ……。
~男子更衣室~
「涼、今日は何の練習するんだ?」
「まぁ、一応出る種目を軽めにやろうと思う。ナイター設備もあるからゆっくり時間かけてな」
「じゃあ、中距離で軽くにしておくかな~、昨日サッカーで疲れた上に雅とシたからな、もう疲れてる。」
「ほどほどにな」
~女子更衣室~
「零ちゃん、いい匂い~。しかも、清楚な感じなのにすごい下着履いてる~。これを毎日抱いてる萩原君が羨ましいわ~。」
「そんな~、でもこの頃シてませんよ。」
「えーー、私なんて昨日我慢できなくて勇人にシてもらっちゃたよ~。部室と家でもう何回もね……。」
「えぅ、羨ましいです。涼さん、アスリートみたいな感じなので多分運動会とか終わるまで抱いてもらえないんですよね……。」
パシャリ
「生徒会女性陣は欲求不満と……」
そして、着替えが終わり、グラウンドに出る。雅は赤系のTシャツに黒のランパンにスパッツ、さすがは選手登録。零は雅を真似た服装だが、ピンク色が基調とされいるのが俺的にポイント高い。周りの人らも見ている。俺たち、男子は陸上Tシャツに黒のスパッツである。
「じゃあ、練習開始しようか。」
選手陣(俺と葉山、雅)は外周ランニングから始める。日差しがあるので、俺は自前のサングラスをかけて走る。ミラーだからこちらの視線がわからないのが良い。一応、出場選手がどんな奴らかというのを知らなくてはならないからね……まぁ、たまに他クラスや下の学年の女子も見るけど……零には内緒。
ランニングを終えて、各自ペアで柔軟を行う。当たり前だが、俺と零ペア、葉山と雅ペアである。葉山と雅はフィールドの方で柔軟をするようだ……なんでもアピールになるとかで……。
俺は日向が嫌なので、日陰のスターター付近で柔軟である。女子選手がスタートなどの練習をしているのはたまたまだよ……。そして、柔軟を始める。
「零、胸当たってるんだけど……。」
「当ててるんですよ…。」
あれ、零ってそんなタイプでしたっけ?。まぁ気持ちいいし、まぁいいか。すると、なぜか、俺の周りに他クラスの女子が集まってきた。
「あの~、萩原君、一緒に練習しない?ちょっと走り方とか教えてほしいんだけど……。」
「えー私もーー」
などなど、色々やってきた。しかも、みんなランパン姿でしゃがんでいるため、アレが見えそうよ。
「あぁ、後でならいいよ。」
「「やったー、ありがとう」」
すると、零はいかにも不機嫌な感じだった。
「涼さん、他のクラスの子ですよ。雅さんの敵ですよ。」
「別に雅なら余裕さ、それに男子じゃないからね。教える分にはいいよ。」
「お優しいですね。でも、涼さんさっきどこ見てました?」
なんというか、バレてたの……。
「えーーと……うぅ」
俺はいきなり零に顔を両手で掴まれて、零の胸に押し付けられた。
「涼さん、最後の柔軟のメニューです。このまま深呼吸ですよ、はいどうぞ。」
深呼吸しようにもこれはすごい体勢。零の魅惑の匂いが俺の鼻腔を襲う。そして、この柔らかさ、幸せすぎる。
「どうですか、落ち着きました?」
「は、はい。」
俺はいったん解放される。うーん、幸せだった。
「浮気はだめですよ……。」
「う、っぅぅぅ」
そして、また零の胸に俺の顔が埋まる。俺は持つのか?
しばらくして、解放された。もう、零以外なんでもない感じになってしまった。
そして、俺と零はフィールドへ行き、やり投げの練習を始める。サングラスは邪魔なので計測担当の零の耳に掛ける。アスリートがよくやる逆に掛ける状態にしたが、零の場合はより可愛い感じになってしまった。
「それ、ちょっと高いやつだから落とさないようにね。」
「はい♡」
なんかご機嫌だ……。
雅&葉山 「もう、完璧に陸上部男子が女子マネと付き合ってるやつじゃん」
周囲の人々 「東雲さんになんて羨ましいーーー死ねよ」
「きゃあ~私もしてもらいたいーー」
やり投げも軽くこなしていく。まぁ上々だからこの辺でやめておこう。次はトラックで走り込みである。
「零、次はちょっと走って100と200やるからタイムお願いね……。」
「はい♡」
そして、俺は先ほど約束した女子のもとにいき、軽く指導を含めて走る。さっきから、みんな声のトーン高めだけどどうしたの?。
「あの~、萩原君、あのさ今度わたs……「涼さ~~ん、ちょっといいですか?」
女子の一人が話そうとしているとき零がやってきた。
「ん、どうした?」
「最初って100mの方ですか?」
「そうだね。だから、100mラインのところで音鳴らして、はいこれ。」
そういって俺は零に体育用の電子ホイッスルを渡す。俺には笑顔だが、女子の方にはやや不機嫌気味な表情をする。
「あ、ちょっとまって零。」
「はい、あっ。」
西日がきついと感じたために俺は零に渡していたサングラスを零の後頭部から取り、自分に付け直した。
「よし、これでオッケー。じゃあ、タイムお願いね。」
「はい♡」
すると、零はとても良い笑顔になった。俺は知らないが、零は女子に対しては誇らしげな笑みをしていたようだ。(秦さんより)
「ごめん、んで俺に何?」
俺は零でかき消されかけていた女子に問う。
「え、なんでもないよ(これ絶対、東雲さん彼女だよ。なにあの彼女ですアピール)」
「あ、そう。」
雅&葉山 「うわぁ、女子の勇気を潰したよ。」
100m走ると、俺の周りにいる連中はみな俺と零が歩くときはスペースを譲ってくれた。
「なぁ、零、なんで俺ら避けられてない?」
「それは、涼さんが軽くとか言ってるのに、普通に10秒台で走るからですよ。みんな、怖気づいたんですよ。」
「いや、ゴールで可愛い人がタイム計測してたら良いタイム出したいじゃん。」
「まぁ、涼さんったら♡、この後念入りに整理運動ですね♡」
この後、ほんとに念入りにダウンを行った。疲れが吹き飛んだ、主に深呼吸で……。
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