第18話 まさか、現実に

 彼女の待つ美容院へと行く彼氏の気持ちというのは、なんというか落ち着かないものである。単なる女友達であれば、「髪、切ったの?」「色変えたんだね」的な反応を示し、その後の良し悪しについては女子の方々が意見を言う。つまり、容姿の変化について触れればそれで十分なのだ。しかしながら、今はそんな軽い反応では済まされない。零のことだから、まぁ似合うことは確定しているが………。


 数日前(過去の記憶)


 「涼、この中なら誰が良い?あ、俺はこの子かな、可愛いし、体つきも」


と、葉山が俺にお宝を見せながら、言ってきた。お宝というのは、言うまでもなくあの本のことである。


 「いいのかよ、そんなの置いておいて雅に殺されるぞ。あ、でも雅に若干似てるな~。」


 なんというかギャル系かつ清楚的な印象と重なる感じがした。


 「そんなことは良いんだよ、それより誰がいい?」


 俺はページをめくる。あまりこれと言って、なんというか興奮する人は見当たらない。まぁ、色々とヤバい写真だらけが散在している本を見て、何を冷静に判断しているのかと言われてしまえばおしまいだが……。


 しかし、俺はある人に興奮を覚えた。

 明るめな茶色で短い髪、程よく大きく形の良い胸、くびれや腰つきも抜群で色白な女性があった。


 「お、なんだその人が良いのか?」


 「あっ」


 俺の異変に気付かれてしまった。


 「えーと、名前は愛菜(あいな)。今年20歳の新星で~~~、おいおい、お目が高いなぁ。しかも、写真もなんだよ、今にも襲われそうなところじゃん。下着姿もまた……。」


 「書いてあること全部読んだな。」


 「にしても、東雲さんとはあんまり共通点がないな。なんだ、浮気か?」


 「それは違うよ、単にいいなぁって思っただけだよ。」


 「ほ~~」


 そして、葉山は部屋掃除を雅にされてしまい、お説教となったらしい。




 さて、なぜかその時のお宝の写真が脳裏を過るが、そんなのは無視だ。とか、考えてるうちに来てしまったよ………美容院さん。


 カランコロン……


 「あの~、こちらに東雲零が来ているはずなのですが……」


 「お迎えが来たようですね。」


 「はい、ではありがとうございました。」


遠くから店員と思しき声と零の声が聞こえたような気がした。


 「その方でしたら……」


 「涼さん~」


俺が質問していた店員の声をかき消すようにして、零が俺のところに来た。


 「えっ」


 「どうですか、色と少し短くしたんですけど~おかしいですか?」


 「あぁ~、いや、おかしくない。というか、可愛いな~制服なのが少しあれだけど」


 「そ、そうですか♡じゃあ、家でもう一度見てください。」



 そして、帰路につく。すれ違う人はほとんど零に視線が行く、まぁ当然だろう。本人はずっと俺の腕にしがみ付いている、これがまた俺への痛い視線へとそれを変えるというのを知らないのを良いことに……。






 「も~う、涼さんたら、いつまで私の髪を触っているんですか?」

 

そう、俺は家に帰って、零がその髪色にある感じにコーデした服を着て夕飯などを作っている姿に欲情し、夕食後の団らんタイムの今、髪をずっと撫でている。


 「いや、だって可愛いし、触ってみたいじゃん」


 「も~う♡そんなこと言って、じゃあ、この子とどっちが好みですか?」


 そして、零は自分のスマホを操作して、とある女性の写真を見せてきた。


 「誰?、見たことないな」


 「えーと、涼さんと同じ頃に卓球で全国を経験しているらしいですよ。」


 「それで、この人がどうしたの?」


 「ですから、私とこの子とどちらが好みかな~と思いまして……」


 「へぇ~、この子ね~……まぁ確かに可愛いし、スポーツもできるんだろうけど、興味ないかな」


 「か、可愛い……」


 声が低めになったのを感じた。おっと、何か気に障る発言ようであるらしい。


 「えっ、どうかした?」


 「涼さんは、この人の方が可愛いと……」


 後半に興味ないと言ったんだけどなぁ~とは言えない雰囲気である。はて、どうしたものか……。


 「いや、全然、零の方が可愛いから。しかも、料理もうまいし、家事も出来て、最高でしょ!」


 テンション変えて、先ほどの発言を消そうと試みる。


 「もう涼さんったら、可愛くて最高の嫁なんて♡」


 うーん、なんか意味合いが違う気もするが、そういうことにしておこう。


 「そろそろ遅いし、寝ようか?明日も学校だし」


 「はい、そうですね。」


 そして、二人で寝室に向かい、寝ようとすると零が徐に服を脱ぎだした。


 「ど、どうした?」


 「いえ、その……また、涼さんに抱いてもらいたいなぁと……」


 「明日は、学校があるし……」


 すると、零は俺をベットに押し倒して、カチャカチャとどこに持っていたのか手錠を出してきて、俺の足と手を固定した。


 「れ、零?」


 「すみません、アレが近いのか、もう我慢できなくて、スーハースーハー」


 零は、俺の愚息の部分で息をしている。ヤバい、なんか興奮してきた。


 「苦しそうですので、出しますね」


 そして、俺の愚息が露わになった。非常に元気よく、いきり立っている。


 「まぁ♡、涼さんはお疲れになっていますので、私が奉仕しますね。私の方は、もう準備できてますので……好きな時にお願いします。」



 


 そして、俺の愚息は零の下腹部へと入っていった。








 翌朝は、なんというか疲労感が残る目覚めだった。ほぼ記憶がないが、とりあえず零に襲われたんだよな。手錠は解除されている。しかし、俺の股間は心地よく暖かい。まて、この年で粗相か……。少し、目を開けてみると、仰向けでいる俺の上には零がスヤスヤと寝ている。そして、零を少し浮かせてみると、まだ俺の愚息と零の下腹部は繋がっていた。ゆっくり抜こうとする……。


 「(*´ε`*)チュッチュ」


 零が、夢の世界にいるのか。俺にキスをしてきた。零の柔らかい胸にも挟まれ、男の朝の生理現象が重なって、それに零も感じてしまい、起きた。


 「あぁん」


 俺の愚息を抜くのに成功すると、零は悶えて起きた。しかし、零が起きて、零の尻の位置が変わり、うまいことまた繋がってしまった。生理現象と重なり、刺激に耐えられず、出してしまった。


 「あ、涼さん、おはようございます。昨日は、無理を言ってすみませんでした。私も途中で寝てしまって」


 「う、うん、おはよう零。」


 「なんか、少しお腹の辺りが暖かいんですけど……、あ、私ったら挿れたままで、すみません、今抜きますね。」


 「えっ」


 すると、零の下腹部から白い液体がタラタラと落ちてきた。


 「ごめん、ちょっと……」


 朝の俺の葛藤を説明した。普通に、許してくれた、というか嬉しそうにしていた。「もう、そういうのは安全日じゃない時にお願いしますよ♡」という発言には耳を疑ったが……。





 そして、零が敵視していた子と部活動に参加し、色々と女子的に天然で下手したら襲われるぞという類のラッキースケベがあったが、何も思わなかった。









 「涼さんと学校ある日にもシちゃった、寝たふりしてたらなんか出されてしまいました。殿方は朝もあんなに大きくなるなんて」



 零は授業中に次なる手を考えていたことは誰も知らない。



 「零ちゃん、またなんか考えてるわね。旦那の寝顔見て、授業中に……」


 いや、雅を除いては。




 



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