第31話 残留思念


 ルベルーズ標準時、午前2時32分。町のほぼ半数に火の手が回り、遠目から見れば地獄の窯のようにも見えていた城壁都市に突如、真夜中にもかかわらず恒陽が出現した。


 ルベルーズの中心に位置する中央議事堂直下から膨れ上がった火球は一瞬にして魔獣と地下に逃げていた民衆を区別なく飲み込み、市街地の半分ほどにまで膨れ上がった。目どころか観測者そのものを蒸発させる膨大な輻射熱が拡散し、火球に飲み込まれなかった建物をプラズマ化させ、膨大な体積を得た超高温の期待はクレーターの壁を利用して作られた外壁に沿う形で上空へと打ち上げられた。

 もしも、エリクシル国家群が特徴としているすり鉢型の城壁構造を持っていなかったとするならば、超高温のガスと暴風、熱線は周囲に際限なく拡大し、避難していた民衆を跡形もなく吹き飛ばしただろう。

 とはいえ、ルベルーズの外壁がその原型を止め、爆風や衝撃波が拡散するベクトルを上空へと向け続けられたのは1秒にも満たなかった。炸裂から2秒後には莫大なエネルギーにより城壁を維持していた魔術が焼き切られ、ルベルーズを取り巻いていた城壁は瞬時に解体されて、それ自体が巨大な破片榴弾と化し、故郷が光に包まれた瞬間を見てしまった避難民に秒速300m以上にも達する暴風とともに襲い掛かった。

 ある者は赤熱した瓦礫に踏みつぶされ、ある者は爆心地から伝わった衝撃波に五体を砕かれ、ある者は飛び散った岩石の合間から差し込んだ輻射熱によって地面に影だけを焼き付かせて蒸発し、ある者は熱波によって衣類が瞬時に燃えあがり、我が子を抱えたまま燻され命を散らしていった。

 空にかかった星の帯を覆いつくすかのように、直径数㎞はくだらない巨大なキノコ雲が、今までの戦闘で形作られた無数の黒煙を弾き飛ばしながら立ち上っていき、一つの国家が迎えた終焉―――墓標とも取れる光景を作り出す。



『緊急冷却システムオンライン、液化窒素放出。車体温度210度、車内温度22度で安定』


 78トンにも達する車体をささえるショックアブゾーバが軋み、側面から突き出したパイルバンカーが地面をえぐっていく。装甲表面に配置された放出孔から吐き出された液体窒素が車体表面の熱を奪い、致命的な熱による破壊を防ぐ。装甲の表面には飛び込んできた無数の破片が叩きつけられるが、重力を振り切るほどの速度で突入する弾体を受け止めることを念頭に設計されているため破壊されることはありえない。


「大丈夫なのか?ノーマッド」

『反物質弾頭弾が真上で炸裂したわけではないですからね、この程度ならば車内にいれば傷一つありませんよ。うまいことアルマさんが遮蔽物の後ろに突っ込ませてくれましたからなおさらです』


 確かにノーマッドが背にしている大岩は、表面がガラス化し溶けかかってはいるが、爆心地方向からの大部分の爆風と瓦礫を遮蔽し続けている。もしも爆風と衝撃波をモロに受けていたのならば、衝撃や振動はこのレベルではなかっただろう。

 アルマに感謝だな、と件の魔女へと視線を向けた瞬間だった。自分の背後と足元から、絶叫に近いうめき声が沸き立った。

 見れば、背後の戦術士席に納まっていたフェネカは胸をかきむしるかのような動作とともに喘ぐように口を開閉させ、足元の操縦士席に納まっていたアルマはうめき声を上げ乍ら背を丸めている。その横で困惑したようなタブリスが吠え声を上げた。


『ふぁっ!?』

「な、おい!どうした!」


 車長席から半ば滑り落ちるようにして慌てて操縦士区画へと滑り込み、うずくまりガタガタと震える彼女の両肩をつかんで正対させる。ただでさえ白い肌が、血の気が失せたことと青白いノーマッドの画面によって死体色とも呼ぶべき状態になり、目の焦点はあっておらず、額には脂汗が噴き出している。両手は自らの心臓をえぐりだそうとしているようにきつく胸をつかみ、食いしばられた歯の隙間からは生物的な危機感を感じさせるうめき声が漏れている。


「あ、ぐ、あ…あぁ!」


 散大と収縮を繰り返すアメジストの視線がユキトの方へと向けられると、胸の上で重ねられていた右手が彼の胸へと震えながら延ばされ上着の胸倉を握りしめる。そのまま自分の方へと引き寄せようとするが、ただ全力で力を入れたせいか体重の軽い彼女の方が引き寄せられ、結果的にユキトの胸へと上体を預ける格好になってしまった。

 彼女の豹変と、どう見ても普通ではない異性がいきなり自分の胸に飛び込んできた現実に、一瞬生まれた思考の空白。その瞬間、相変わらず吠え声を上げるタブリスの第2脚が彼の腰に接触する。

 その瞬間。まさしく世界が一変した。


 視界がぼやけ、今まで耳に届いていた環境音の一切が頭の中で大音量で響き始めた無数の”末期”の津波に飲み込まれていく。

 ”熱い”、”痛い”、”重い”、”辛い”、”まぶしい”、”いやだ”、”母さん””ばかな”。



 どうして


 どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして




 シニタクナイ




 バツン。とブレーカーが落ちたときのような音が脳内に響き、一瞬前まで頭の中に響いていた絶叫と、胸に臨界状態の核燃料棒を突っ込まれてミキサーされるかのような不快感が一気に拭い去られる。荒くなった呼吸の中、気が付けばアルマをきつく抱きすくめるような格好になってしまっていた。

 ナノマシンで強化された体であることを思い出し、慌てて腕の中の魔女の安否を確認するが呼吸、脈拍に異常な点は見られず、そればかりか表情も呼吸も幾分穏やかになっていた。

 ホッとして顔を上げると、天井から延ばされた2本の紐状マニピュレーターが目に入る。片方には注射器、もう片方には●RECランプが煌々と灯されたハンディカメラ。


『あ、二人には鎮静剤打って、タブリスには戦闘室に移ってもらって隔離してあるんで、そのまま続けてどうぞ』

「よし、何が望みだ?言ってみろ」

『異星人のボーイミーツガールとイチャコラ成分』

「ニャル子さんでも見とけ」

『二人ともSAN値直葬状態なんであながち間違ってはいなかったり?まあ、フェネカさんはともかく、アルマさんは一時的な狂気発症してそうですが』

「この期に及んでキャラクターロスとか考えたくないな、おい」


 こんな状況でもネタを容赦なく掃射する相棒に大きなため息を吐き出す。絶望の逆はユーモアという考え方があるが、こいつの場合は単なるシリアスブレイカーだ。別の意味で頭痛を覚えつつ彼女から離れようとするが、いつの間にかアルマの両手はがっしりと自分の上着をつかんで離さず、動けそうになかった。


『アーコレハシカタガナイデスネー。そのまま膝の上にのせて、シートに座ったらどうです?』

「知ってるか?上着って脱げるんだぜ?」


 不満げなAIの言葉を無視し、彼女を起こさないように上着を脱ぎにかかる。狭い操縦士席でそれをやるのはかなり難儀だったが、3度ほど頭をぶつけ、四苦八苦しながら任務を完遂。しかし、その瞬間アルマの手から力が抜け、ポトリと落ちた上着にむなしさを覚えてしまった。





「で、いったい何が起こったと思う?」


 爆発で荒野と化したルベルーズの丘陵地帯を進むノーマッドの姿は、今までのハーフトラックスタイルではなく、1人と1機が出会った当時の戦車丸出しの姿だった。というのも、ノーマッドの車体冷却システムはあくまでも本体の身にしか備わっておらず、所詮後付けの偽装装甲板は車体から噴き出した液体窒素が膨張する過程ではじけ飛んでしまっていた。製作者の魔女も鎮静剤で眠っている状態のため、偽装しなおすこともできず、仕方なく異形の姿を焼けた外気にさらしながら移動している。


『どうもこうも、解り切ったことじゃないですか?あなただって、観測用ドローンが最後の瞬間に送った映像を見たでしょう?』


 タブリスとは別に、外周の丘陵地帯からルベルーズを観察するように布陣させた3機のドローン。足が遅いうえに、簡易的に作ったものなので映像を送ることだけしかできない代物だったが、それらが焼き払われる前に伝えられた映像はある意味地球人にとってなじみのある代物だった。


『いやー、まさかルベルーズがベルカ式国防術を履修済みだとは思いませんでしたけどね。まあ、国境どころか国そのものを吹っ飛ばすのは、応用編にしては破滅的に過ぎますが』

「本末転倒の間違いだろうが。だが、これがなのかは疑問が残るな」


『おっと、それに気が付くとはお目が高い』どこか上機嫌なノーマッドが、モニターにいくつかのデータを表示する。表示されたデータはすでにネットワーク内で閲覧したものだが、やはり、どう考えてもつじつまが合わなかった。


放射線量計測器ガイガーカウンターがガンガンなっているのと、ドローンの映像から、ルベルーズで少なくとも核反応が起きたことは確定。放射性効果物質フォールアウトの分析結果からわかることは、ウラン235主体の核分裂反応だったこと、そして使用されたのはおそらくガンバレル型原子爆弾だ」


 ガンバレル型とは1945年8月6日午前8時15分に広島に投下された原子爆弾、リトルボーイに採用されていた起爆方式であり、構造が簡易ではあるが大量のウランが比喩ような割には実際に反応する核物質の量は少ないという欠点をもっていた。実際、リトルボーイに搭載されていた核物質60㎏のうち、核反応を起こしたのは約11㎏程度で、そのほかは全て飛散したとみられている。


『まあ、プルトニウムと違って爆縮型のセンも無きにしも非ずですが。今回はガンバレル型で間違いないでしょうね、反応生成物に比べて未反応のウランの割合が多すぎますしおすし。でも、一番の問題はだってことですよ』

「街一つ吹っ飛ばして御釣りが来てるものな。核出力イールドは少なく見ても1.3から1.5Mtってところか」

『熱核兵器でもなければありえないレベルですね。とすると、やっぱりあの爆発は我々の知っているものとは似て非なるモノってことでしょうね』


 モニターには爆発の際の映像がスローで繰り返し再生されている。初めに市街地中心部に光が灯り、次の瞬間には火球が広がり見る見るうちに原子雲を形成していく。学校の戦争教育で何度か見たビデオと全く同じといってよい光景だ。しかし、何か引っかかりを覚える。


「ノーマッド、この映像をコマ送りにできるか?」

『ええ、できますけど。結構枚数ありますよ?』

「構うものか、ちんたら走ってるから汚染圏外へ抜けるまでの時間ならたっぷりある」


『溶けた装甲板の破片が履帯に張り付いてるから仕方ないでしょう!?アルマさんかむばっく。いや、マジで』と喚くAIを無視しながら爆発の瞬間を1枚1枚めくるように何度も繰り返す。もっとも、その合間にも会話は続けるが。


「爆発の件はとりあえず保留しておいて、次はアルマたちだ。一体何があったんだ?」

『彗星はもっとこう…バァーッて動くもんなっ!てな感じでカミーユったのでは?』

「いつから二人はニュータイプになったんだよ」

『でも、そう考えるのが一番自然じゃないですかねぇ。アレはどう考えても爆発に巻き込まれた知的生命体の残留思念的なサムシングでしょ?』

「なんか体験したような言い方だな?」

『そりゃそうですよ。だって貴方も実際に体験しているわけですし、私はその貴方とネットワークでリンクしているんですよ?実際に私がなったわけではないですけど、あなたの脳波を観測すれば貴方がどんな世界を観測していたのか凡そ判別はつきます。』


 言っていることはわかるし、理屈もわかるが、事ここに至って自分のプライバシーがごみくず同然と言う衝撃的な展開に思わず眩暈がしてしまう。せめて、自分の感情位は読まないという心遣いはしてくれていると信じたい。……信じたい。


『それに、二人と一時的にですが貴方がSANチェック失敗したおおよその理由もわかってますよ。ここで質問。2人にあって、貴方に無いものなーんだ』


 子供向け教育番組のような声に顔が引きつる。2人の共通点と自分との差異点。決まっている、エリクシル人と地球人だ。だが、それだけでは一時的に自分が残留思念――一応はそう表現しておく――に飲まれた理由にならない。

 では、と他に考えを巡らせようとしたとき、カタンと腰の方で音が鳴る。見れば横にいたタブリスが鼻先で腰のランタンのような器具をつついていた。


「魔力炉か」

『ファイナルアンサー?』

「テレフォン使ったら誰につながるんだよ」

『わ・た・し・だ。…それはともかく、ええ、それであっていると思います。ユキトさんの補助魔力炉が起動した瞬間、貴方も2人と同じような状態に陥って反射的にアルマさんを抱きしめてました。いいぞもっとやれ。あ、ごめんなさい謝りますからパネル叩き割ろうとしないで』

「で、その後どうなった?僕にも鎮静剤を打ったのか?」

『貴方の場合、ナノマシンでだいぶ緩和されてましたからね。打っても効果は薄いと判断したので、仮説に基づいて補助魔力炉のスイッチを切ったんですよ。それで、正気に戻りました』


 アノ苦痛がナノマシンで緩和された状態にすぎなかった事実に軽い衝撃を受ける。だとするならば、何もなしであの”残留思念”の直撃を受けた彼女らはドンな苦痛を味わったのだろうか。


「要約すると、魔力炉を持つものは近くで大量殺戮が行われるとその残留思念を拾ってしまうということか?まあ、彼女の話では魔力と精神は深く結びついているということだから、頷ける話ではあるな。僕は魔力炉を持たないから、その思念を観測できなかった。そして補助魔力炉を起動した結果魔力を観測できるようになり、結果的に思念も観測できるようになったということか」

『ニュータイプというよりも、終戦のローレライじみてきましたね。あ、そういえば主人公と名前が一緒ですよね?』


「やめてくれ、そのせいで読んでいる最中にひどく変な気分を味わったんだ」嫌なことを思い出したという風にげんなりした顔をする彼に、AIは小さく笑い声をあげた。


『ユキトさんのトラウマはさておいて。問題はこの残留思念の射程距離と持続時間ですよね。ずっと続くのなら、二人とも一時的な狂気通り越して不定の狂気一直線でロスト不可避ですが』

「なら、確かめてみるか。5秒立ったら戻してくれ」

『やっぱり、アルマさんが絡むと妙に思い切りがよくなりますよね、貴方』


 ノーマッドの呟きを聞かなかったことにして、ユキトは魔力炉のスイッチを入れる。

 途端に脳内を跳ねまわる声、声、声。そして胸をひっかきまわす不快感。とはいえ、その威力は明らかに先ほどよりも減少していた。5秒数えてから、震える指でスイッチをひねると、再びブレーカーが落ちた時のような音とともに現実が目の前に戻ってくる。呼吸が荒くなり、脂汗が浮いているが、症状は明らかに軽くなっている。


『んー、先ほどの4割ってところですかね。あと5㎞ぐらい進めばまあ、大丈夫なんじゃないですか?ちょうど、風向き的にそこまで進めば放射性降下物質フォールアウトの影響圏外になりそうですし。ちょうど、もそのあたりで停車してますよ。いい機会ですし合流しましょうか』

「で、どれぐらいかかる?」

『…朝日を浴びながらラジオ体操でもします?』

「はぁ…いっそのこと歩いたほうが早くないか?」

『放射能まみれになりたければご自由にどうぞ』


 もう一つため息を吐き、再びコマ送りを続ける画面に目をやった。そういえばもう一つ重大な問題が生じていたことを思い出すが、ある意味では緊急性は高くないうえ、データの照査も終わっていないので後に回すことにした。










 朝日が丘の向こうに昇り始めるころ、ようやく放射性降下物の影響範囲から抜け出した一行は、丘の斜面から突き出した排水トンネルの周りに停車した一群のビークルを発見する。

 何度見てもフランス軍のS35騎兵戦車にしか見えない車両を水属性の魔法で入念に洗浄している猫の獣人が8人。もう1人は近くの大きな樹の下に寝かされている。その中で指揮を執っているらしき獣人が、エンジン音を響かせながら藪を踏みつぶしながら現れた巨大なビークルを見つけ、矢継ぎ早に支持を飛ばした。

 薄汚れた空色の軍服にケピ帽、地球人の子供程度の身長しかないハチワレの猫といった風貌の軍人に心当たりがあったユキトは即座にノーマッドを停車させる。

 猫の獣人――ジョフロワ・ナングス陸軍中尉は、見慣れない巨大なビークルから現れた、見知った人影に金色の目を見開き、固まってしまう。


「中尉、無事だったか」


 茶色の上着ではなくワイシャツ姿の地球人が地表に降り立ち、硬直する獣人たちに歩み寄る。データの上で生存は確認していたが、実際に合うとやはり安心感が違う。しかし、まずは何から相談すべきか考えながら近づいていた彼に待っていたのは、中尉の安堵の声ではなかった。


「動くな!」


 かけられたのは戦友を気遣う言葉ではなく、敵に停止を呼びかける警告。向けられるのは友好の手ではなく冷たく暗い銃口と杖。そして、憎悪でぎらついた8対の瞳。


「ユキト・ナンブ。元ルベルーズ陸軍中尉、ジョフロワ・ナングスの名において貴様をルベルーズ崩壊に関わった容疑者として拘束する。抵抗すれば射殺する。ビークルの中の二人も同罪だ」


 今度は、ユキトの方が固まる番だった。


















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