第5話 押し通る!


死ぬ前に名を聞いて置こう!名乗れ下郎!

【俺様が死ぬだと?笑わせてくれるわ!だが、

   お前も名乗ったのだから教えてやろう、俺様は、マニォア――】


新陰タイ捨流奥義・月影.....ザッシュ!ザッシュ!ザッシュ!


名乗る間も無く、敵の首領を討ち取った統幸であった。


月影とは、新陰流から受け継いでいる技の1つで、

一呼吸する間に、3回の連続斬りを瞬時に繰り出す必殺技である。


首領を討ち取られたにもかかわらず、手下共は統幸に復讐する

積もりの様であった。



ほう!汝等うぬらは大将が殺られても退かぬのか?

【この卑怯者ひきょうものめが!良くもボスを殺ってくれたな!】


ほう!拙者が卑怯者とな?笑止なり!汝等がした事を想えば拙者がした事は

正しき事なり!

【くぅ.....敵襲だ~!敵が攻めて来たぞ!迎撃しろ!】


猪口才ちょこざいな奴じゃ!仲間を呼び居ったわい!此方も五郎丸!準備は良いか?

「統幸様!戦支度は整っておりますぞ!」


それならば良し!“いざ”合戦と行こうぞ皆の者!

≪おおお~~~~~~!≫


敵の首領を切り捨てる前に逃がした、安心院五郎丸が率いる大友忍軍の

一団が奥から甲冑姿で姿を表せたのである!


その手には、棒ではなく槍・忍者刀・投げクナイ・鉄砲・弓などが握られていた!

忍者の本領発揮の時である!


五郎丸!外に狼煙を焚いてくれたか?此方も援軍を呼ばねばな!

「統幸様!狼煙は抜かりなく焚いておりまする!」


大儀である!それと汝は此処で屍を晒せ!

【抜かせ!俺だって、それなりに鍛えているのだ!】



敵の副官を統幸はタイ捨流居合い術で瞬時に切り捨てのである!



たわいもない!五郎丸!其方に行くまで種子島は撃つなよ!

「心得ました!」



副官を切り捨てた統幸は、急いで五郎丸のもとに向かった!



皆の者!大儀である!

≪統幸様!おひさしゅうございまする!≫


久々の合戦じゃ!気合を入れよ!

≪おう!≫



統幸が戦闘指揮を執るのは、戦国以来であるが大丈夫なのであろうか?



鉄砲隊!敵をき付けよ!......まだじゃぞ!今じゃ!てぇ~!


バン!ババン!バンバン!



鉄砲の一斉射撃が火を噴いた瞬間であった!



弾込めを急げ!弓隊前え!放て!


バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!


鉄砲の一斉射撃で前衛が崩された敵に追い討ちの矢が刺さって

敵は混乱していた。指揮官も居なければ当然である!

統幸が何故に、敵の指揮官を殺ったのかは明白!


指揮官の居ない軍団なぞ、烏合の衆でしかないのである!

残るは、敵を殲滅するだけであった。


槍衾やりぶすま用意!叩け!叩け!.....叩け!


長槍を一列に配して、上から叩き落すように槍を振るうえば

敵は近づく事も出来ずに、槍に斬られるのである!


各自!残敵を掃討せよ!


残るは、少数の敵だけであった。個々の個人技が光る瞬間は

掃討戦なのかもしれない!


きぇ~~~~~い!


統幸が率いる大友忍軍、大凡おおよそ100名は個々の力を存分に発揮していた!


何故か敵の後ろでも動きがあった!


味方じゃ!皆の者、味方の援軍が来たぞ!

≪おう!≫


敵は前と後ろからの、挟撃で疲弊して行ったのである!

勝負は決したのである!


............

......................

............................


最後の敵が、忍軍によって討ち取られた瞬間に雄叫びが鳴り響いていた!

≪えいえいお~!えいえいお~!えいえいお~!≫


勝ちとき三唱を皆で挙げていた!


「ちょっと洞窟で叫ばないでよ!耳が痛くなるじゃない!」

『ボクは耳が、もう痛いよ....』

お主等も大儀であった!


五郎丸や忍軍の者も大儀であった!

≪勿体無いお言葉でございまする!≫


五郎丸よ!何故こやつ等に人質を捕られたのじゃ?

[はっ!それがしが迂闊なあまりに、一族郎党に危険が及んでしまいました]


どう言うことじゃ?

[某達は、此方の世界に来て直ぐの事でした。]




......................................................




{五郎丸の回想}


そうアレは、もう30年位前の事だった。


白い洞窟の中には、一族郎党の者が一緒にいたのじゃ!


そうしたら、知らぬ不思議な声が聞こえて来た。


某達を成仏させてやるじゃと?貴様!何様だ。


仏じゃと?信用できん!皆の者、戦闘準備じゃ!


..........


..............


{五郎丸と忍軍が暴れています。もう少しお待ち下さい!}


........................


.................................


んっ!止めろと言っておるのか?


止めて欲しければ、此処から出せ!


出しても良いじゃと!先程からのその口調!


我慢できぬわ!きぇ~~~~い!


なんじゃ?行き成り話し合おうなどと?


最初から!主君でもない汝に上から目線で、命令されたくないわ!


すまぬじゃと!解ればいいのじゃ!


違う世界で、暮らしたくないかじゃと?


某達は、別にそれでも構わぬが、主君が居なくては話にならぬわ!


少し時間が掛かるが、探してくる?本当じゃろうな?


大丈夫?任せてくれじゃと?


その主君の名は?


大友氏は全員を成仏させたから.....上役で勘弁してくれ?


そうか.....上様は成仏されたのか.....


上役とは誰じゃ?


なに.....探さないと解らないじゃと?


このたわけめが!叩斬る!


落ち着けじゃと?何が落ち着けなのじゃ!


この不届き者めが!


大友家家老が居るから連れてくるとな?


誰なのじゃ?その家老の名は?


一萬田様か?それとも戸次様か?高橋様でも良いぞ?


誰なんじゃ?答えよ!


吉弘様じゃと!うむ良かろう!此処で待たせてもらう!


此処で待つのは困ると申すか?


現世で待ってれば良いのか?


うむ!ならば現世で待たせて貰おう!


某達の使っていた武器や防具も使える様にするじゃと!


それならば良かろう!


では参るぞ皆の集!


{この時、ある失敗をしてしまった.....銭が無い!}


食うにも困った!町も近くには無い!


仕方なく山の中で、自給自足をしていたのじゃが


それから数十年後のことじゃ!


近くの集落の娘と恋に落ちてしまった.....


そして産まれたのが、我が子・六郎丸じゃった!


その六郎丸が、ある日に攫われたのじゃ.....


他の忍軍の子も一緒にの.....


助けに向かったのじゃが、相手は魔法と言う力を使って


戦ってきたのだが、我々の敵ではなかった!


敵でな無かったが.....子が人質に捕られていた為に


仕方なく、降伏したのじゃ!


その時に武器も防具も全て盗られてしまった。


情けない話じゃ.....




......................................................




{統幸との会話}


そうであったか!苦労したのじゃな!

[某の不徳の致す所でござる]


此れから、そち達はどうするのじゃ?

[大友宗家が無き今!我等の主君は吉弘様でございます!]


拙者に付いてくると申すか?

[はっ!我等、安心院忍軍、総数100名と子共30名・

     くの一60名・合わせて190名は吉弘様に仕えたく存じます]


そうであるか!お主達の忠義、大儀である!拙者で良ければ、着いて参れ!

≪ありがたきお言葉!≫



{こうして、吉弘統幸の仲間に安心院忍軍・190名が加わったのである}





『ボクの存在を忘れないでね!愛嬌がある馬界のアイドル!

               スレイプニル族のラウノだよぉ~!』


「同じく!私の事も忘れないでよね!森の精霊界で

    その人ありと言われたサテュロス族・エリーカ・ペルヌ様よ!」





{総勢193名の旅が、始まりを告げた瞬間である!}


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