前燕を逐われた慕容垂の復讐譚?これは「追放系」が流行るわけですわ。。。

母国の前燕を逐われて前秦に降った慕容垂がリベンジする、追放系の基本型作品です。

前燕とか前秦とか分かりにくいですか?
前燕は追い出された国、前秦は逃げ込んだ国、それくらいの理解でOKです。



降った先の前秦の君主がヘンタイ番長だったなど、歴史モノならではのアクシデント(?)もありますが、基本に忠実、追放された前燕にリベンジし、何の因果か自らが君主になるという、ウソのようなホントにあったハナシ。
ちなみに慕容垂の即位以降は後燕になります。

五胡十六国の国は覚えにくいなあ。。。

しかし、追放系ってよくデキてます。
前半にムカつく扱いを積み重ねて溜まったストレスを後半の逆襲または復讐でスッキリさせる。
そりゃあカタルシスも得られるとゆーものですよ。

こういうのは説話の類型にあったりしますので、小説を書く方は貴種流離譚や異類婚姻譚のような昔話の類型を調べられると、引き出しが増えるかもしれませんね。

類型説話の破壊力を知りたい方は是非ご一読下さい。

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