第4話 雨なんて嫌い

このタイトルは、何を隠そう私の気持ち。

雨なんてほんと嫌いっ!


なぜかというと、雨が続くような天候のとき、ほぼ確実にカースケさんは調子を崩すからだ。

雨だけでなく、冬とか陰鬱な曇天とか。

カラッと明るい季節にはなんてことないことが、この重苦しい日々には重大な問題を引き起こす。


ま、これは別に学術的なもんではなく、本当に私の勝手な私見。

診断を受ける前から、なんとなく感じていたこと。


そしてこの叫びは、この9月に真実味を帯びることとなる。


私たちの地域では8/31に新学期が始まってから、ほぼカラッと晴れた日なんてなく。

ただでさえそんな危険なにおいがする日々に追い打ちを掛けたのが、担任の先生との相性の悪さだった。(このことはまたたぶん別の章で書くと思う。今はまだ生々しくて書けん…)


夏休みの間から、宿題をするたびに学校のこと、先生のことを思い出すためか「学校行きたくない」病を発症していたカースケさん。

それが2学期になったからって急に気持ちを切り替えて行けるわけもなく。


朝っぱらから、

「学校イヤやー」

「行きたくないー」

の大合唱だった2学期初日。

結構さらーっと流してはいたけど、ヤツの中では本気だったらしく。


さらには初日から数日で台風による休校があり、より一層やる気を削がれたりもして(このときばかりは違う意味で台風を憎んだ。しばいたろか、思った…)


毎日引きずるように玄関から叩き出し、お友だちの輪のなかに突っ込んで。

それでもダメだったときは、私が学校まで引っ張っていって、正門の前で20分近くバトル。

正直、もうへとへとである。


私としては、学校は本当にどうしても無理ならば、行く必要はないと思っている。


もちろん集団生活を学ぶのは大切なことやし、行くに越したことはないという前提で。

それでも自分の心身を削ってまで行くとこか?と思うととてもそうは思えなくて。

(この部分は異論をお持ちの方大勢いらっしゃるでしょうが)


しかし、だからって「ほな家おったらええやん」と軽く言えない我が家の事情。


保育園に0歳児から通っていることからも分かるように、がっつり共働き家庭。

それも自己実現のため、なんてかっこいい理由ではなくがっつり生活のためやし。

そこはなんとかなったとしても、私の職場は今かなり人手が足りず辞めるに辞められない状態。

カースケさんの受け入れ態勢が整わないのが現実なのだ。


小3にもなって一人で留守番もできんのか、なんて言わないでほしい。

何か感情のせめぎ合いがあれば包丁を持ち出すようなヤツなのである。

家に帰って血まみれのカースケさんを発見する、なんて事態、万が一にも避けたいのが親心というやつだろう。


いろいろ考えると、一番いいのは保健室でもなんでも学校に行くこと。

先生がイヤなら無視しといたらええやん、とか、先生嫌いならなおさらスキ見せんために宿題はしっかりやっときやー、など言うてみても、彼にはなかなか響かない。


これもこの障害の特徴に入るのだろうか、全て真に受ける、というか。

全て真に受ける割に、受け入れられないもんはどれだけ頑張っても無理!というのもこの自閉スペクトラムってヤツで。


「先生がイヤやから学校にまつわる全てがイヤやねーん!!」状態⬅イマココ


特にウチのカースケさん、顕著に「ま、いっか」ができない。


学校でイヤなことがあればそれを真っ正面から受け止めては撃沈。

スルーすりゃええやん、てことも一切スルーできない。


よくある流れ。

学校で何かイヤなことがあった→気持ちが高ぶり床に寝転んだりする→他の生徒への影響も考えて注意を受ける→なんとか気持ちを納めるため、教室後ろのロッカーに篭もる→調子がもどれば授業に再度参加する。

この繰り返し。


こんな流れを繰り返しているカースケさんは、それでいて人一倍プライドが高く、カッコつけたがりだったりするから、自分のそんな行為にもいたたまれない気持ちになっていて、余計学校がイヤになるという悪循環。


まだ救いなのが友達がいるということ。

友達はありがたいことに、この障害をカミングアウトしてないけれど「カースケはこういうもんや」と受け入れてくれている。

それがなければ、不登校待ったなし。すぐに引きこもるんやろなぁ、あの子…


この、友達の存在だけを救いに、この三連休明け、なんとか行ってくれるだろうか。

せめて晴れてくれれば、カースケさんの気持ちも楽になり、学校へ行きやすくなると思うねんけどなぁ。


さて明日。

どうなることやら。

そしてもう一度言おう。

雨なんて大嫌い!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る