第四 ミサッラルの部

ミサッラルの名詞の編(v3-0001~0055)

ミサッラルの名詞の編(v3-0001~0035)

v3-0001


بسم الله الرحمن الرحيم


ミサッラルの名詞の編


二字の語彙の篇


یب yap 丸い、円形の、あらゆる丸い物。「یب یرماق یوق yap yarmaq yoq」(一枚も)丸いヤルマク銭が無い。

یب yap 毛、夏毛。「یونك یب yung yap」毛。

یب yip 糸。

یب yip 馬用の長縄。細い縄も「یب yip」と言う。

یت yat ヤト。これは一種の巫術である。雨を祈り、風を求める為にヤト石を用意して行う巫術である。この種の習俗は彼らの中に広まっており、私はヤグマー人の所で此の習俗を実際に目にした。その地で野火が起きた時、野火を消すために此の巫術を行った所、神の意に適い、夏なのに雪が降り、私の目の前で野火は消えてしまった。


v3-0002

یر yar 涎。「انك یري اقتي aning yari aqti」彼の涎が流れた。

یر yir 歌、歌曲、曲調。「ال یر یرلادي ol yir yirladi」彼は歌を歌った。この言葉の多くは「歌曲」の意味を指し、言葉の中の字「ی」を「ا」に替えてもよく、「ار ir」と読む形式もある。

یش yäsh 野菜。「یش ات yäsh ot」若草。この言葉は「یش یش yash yush」という対偶形式で用いる。

یش yush 押し合う、犇き合う。「بزون بش بلدي bozun yush boldi」人々が犇き合った。

یش yish 高原、高地。「ارت یش art yish」峠。「این än」下り坂。「ارت art」峠。

یق yuq ぼきり(擬音語)、碗がぱきんと割れる。この言葉は「یق یق yuq yaq ぱきんぽきん」の形式で対偶詞を為す。


v3-0003

یق yoq 高い、坂、丘。「یق ییر yoq yär」高地、山腹。

یك yük 荷、荷物。「بر یك بغدای bir yük bughday」一荷ほどの麦。この言葉には重さの意味も含む。

یل yul 泉。「جقرما یل choqrama yul」湧き出す泉、噴水。

یل yil 年。「بیر یل کجتي bir yil kächti」一年が過ぎた。

یم yam 塵芥、ゴミクズ。「کوزکا یم شتي kägä yam tüshti」目にゴミが入った。

یم yäm 薬、薬物。「اوت بم ot yäm」薬物。この言葉は単独では使用しない、複合詞として出現する。

بن yin 未消化の食物。「قوی یني qoy yini」羊の腹の中の未消化の食物。

ین yin 穴、洞穴。「ارسلان یني arslan yini」獅穴。狐や其の他の猛獣の巣穴も「ین yin」と言う。諺では此の様である。

  تلکو اوز ینکا اورسا اذون بلور

  tilkü öz yinigä ürsä udhun bolur

 狐自らが巣穴で吠えれば、籟病になる。詩歌では此の様である。

  قش قرت قمغ ترلدی

  qush qurt qamugh tirildi

  ارکك تشی تیرلدی

  ärkäk tishi tärildi

  اکر الب ترلدی

  ügür aip tarildi

  ینقا ینا کرکوز

  yinqa yana kirgüsüz

 此の様に春を描いている。春の和やかな風に伴い、鳥や虫が目覚めた。雄雌が集まって群れ群れとなって散った。それらはもう巣には戻らない。


v3-0005


فعل fä'l,فعل fu'l,فعل fi'l 型で中間の字に静符を帯びた語彙の章


یرب yarp 丈夫である、堅固である、頑丈である。「یرب نانك yarp näng」丈夫な物。

یرب yarp 人が愉快な時に表す朗らかな表情。「انك یربي یزلدي aning yarpi yazildi」彼の笑顔が現れた、即ち、嬉しい、彼の顰めっ面が失せた。

یرت yurt 故郷、跡地、遺跡。

یلت yalt 険しい、切り立った。「یلت قیا yalt qayä」絶壁、切り立った崖。あらゆる切り立った物も此の様に言う。

یرج yurch 妻の弟、小舅。夫の弟と妻の弟の呼称には区別が有る。妻にとり、夫の弟が自分よりも年下なら「اني ini」、年上ならば「اجي ichi」と呼ぶ。夫の妹が自分よりも年下なら「اکا ägä」、年上ならば「سنکل singil」と呼ぶ。夫にとり、妻の姉妹が年下なら「بلدز baldiz」、年上なら「اکا ägä」と呼ぶ。

یند yund 馬。これは通称であり「駱駝」という言葉と同じである。単数形であるが、複数形でも変わらない。「یند اتي یبار yund äti yipar」馬肉の香、つまり、馬肉には麝香の様な香りが有る。よく煮て冷ました後、麝香の様な香味を発する。


v3-0006

یند yund 午。テュルク人の紀年法十二支の名称の一つ。「یند یلي yund yili 馬年」。この一章は舌尖音と唇音(ب,م,و,د,ل,ن)から成っており、この種の名詞は少ない。


فعل fääl,فعل fäul,فعل fäil 型で中間の字に動符を帯びた語彙の章


یذت yudhut 要らない、下賤な、下品な。「یذت نانك yudhut näng」廃物、要らない物。人を罵る時も「یذت yudhut」と言う。 

یشت yashut 秘密の、隠された。「یشت نانك yashut näng」隠された物。この言葉は対偶詞「یشت بکت yashut bäküt 隠密の」を構成して使う。

یکت yigit 小僧。あらゆる物の幼少な者。

یمت yämät 「はい」の意を表す言葉。「ی」を「ا」に替えて「امت ämät」と読んでもよい。

ینت yanut 支払う代価。物の価値に見合った報酬。

یسج yasich 鏃が平べったく楕円形の矢。

یغج yighach 丸太。

یغج yighach 男の性器官。

یغج yighach 距離の単位。ファルサーフ。「بیر یغج ییر bir yighach yär」一イガッチュの地。


v3-0007

یغج yighach 木、樹木。「ازم یغاخي üzüm yighachi 葡萄畑」、「یغاق یغاجي yaghaq yighachi 胡桃の木」等の言葉の元は此処にある。「ا」を書き加える「یغاج」の方が好い。

یغج yughach 川の対岸、向う岸。人が有る所に居る時、他の者が居る対岸が「یغج yughach」である。「یغج کجتم yughach kächtim 我は川を渡った、対岸に着いた」。この句の元は此処にある。

یغر yaghir 鞍ずれ。家畜の背中に出来る鞍ずれ。「یغرلغ ات yaghirligh at」鞍ずれのある馬。

یکر yügür 栗。「اکر ügür」とも言う。

یمر yumur 動物の盲腸。

یلر yular 面繋。この言葉は諺ではこの様に用いられる。

  یند بشن یلالب کنکلدي

  yund bashin yularlap kängildi

 馬の頭に面繋を付けて食う。もし君が馬の頭を煮て食うなら、馬が逃げない様に、先に面繋を付け、それから食べる。この諺は馬を使うなら、よく見張って放さないようにすることを勧めている。

یتز yatiz 幅広い、あらゆる広い物。「یتز قذش yatiz qadhish 幅広の皮紐」。「یتز ییر yatiz yär 田地、広い土地」等の元は此処にある。


v3-0008

یغز yaghiz 茶褐色、鳶色、赤と黒の中間の色。土の色に例えられ、「یغز ییر yaghiz yär」と言う。「یغز ات yaghiz at」黒鹿毛の馬。

یفز yafuz 凶悪な、悪どい。

یمز yumuz 「یمز ار yumuz är」丸っちい人。

یمز yamiz 鼠径部、小腹の両側、両腕と腹が連なる所。

یرش yarish 競馬。「ال ات یرشتي ol at yarishti」彼は馬を走らせた、即ち彼は馬を競馬に参加させた。

یرش yarish 分け前、二人で財産を分ける。

یغش yaghish 祭物、供物。イスラム以前のテュルク人は、某事の成就の為、或いは上天に親しむ為、諸神の為に屠る犠畜等の供物。

یؤش yavash 老成した、温和な。「یؤش کشي yavash kishi」穏やかな人。馴らした家畜にも、この言葉を用いる。この言葉は詩歌の中では此の様に用いられている。

  قلدش بلا یرشغل قرشب ادن ادرما

  qoldash bilä yarashghil qarship adin üdürmä

  بك تت یؤش تقاغو سؤلن یزن ادرما

  bäk tut yavash taqaghu süvlin yazin ädärmä

 此の様に忠告する。君が若し誰かと語り合うなら、彼を尊重せよ、あらゆることを彼に合わせ、彼に盾突く莫れ、余人を彼の上に置くな。家で飼っている鶏を好く看よ、逃がすな、また灌木林の中に入って野鶏を探せ。


v3-0009

یفش yüfüsh 財産や衣服を親しい人々と助け合うこと。この事は花嫁を出す時に好く起こる。即ち、着飾った花嫁を送り出す時、彼女の親しい人々は敬意を表す為に、己の所得の一部を御祝いとして贈る。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  یفش لك کلن کذاکو یفش بلور

  yüfüshlig kälin küdhägü yafash bular

 お祝いを貰った花嫁は善い夫を得るであろう。親しい人々から御祝儀を贈られた花嫁は、温厚で堅実な夫を得られる。何故ならば、彼は裕福な家から花嫁を娶ったからであり、彼女を敬うことになる。

یمش yumush 両人或いは複数名の間での使命。天使のことを「یمشجي yumushchi」と呼ばれるのは此れに由来する。天使の意の「mäläk」という言葉はアラビア語の「使命」の意の「الوکه」から来ているからである。テュルク人は「mäläk」という言葉を知らない。


v3-0010

یمش yämish 果物。これは知られている名詞で、一般には樹木に成る果物、即ち新鮮な果物の呼称である。

یتغ yatigh 寝室、寝床。「اني یتغندا تتغیل ani yatighinda tutghil」彼を寝床で捕まえろ、即ち寝ている場所で捕まえろ。

یذغ yidhigh 臭い、あらゆる臭い物。

یذغ yidhigh 「یذغ ات yidhigh ot」駱駝蓬。カシュガル語。ウチュとバルスハン語では「الدرك äldrük」と言う。オグズ人は「یوز ارلك yüz ärlik」と言う。

یذغ yudhugh 巻き添え、ある人に連座する。「انك یذغي تقندي aning yudhughi toqindi」彼は巻き添えにされた。ある人が罪を犯すと、別の人が災難に遭う。

یذغ yudhugh 子供を罵る時に使う言葉、卑しい、下品な、馬鹿、悪餓鬼。ケンチェーク語。この言葉は「یذت yudhut」と同じである。 

یرغ yaragh 機会、見込み。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  ایش یراغندا سرت اسغندا

  ish yaraghinda sart asighinda

 事に機会を得れば、商人は儲かる。事に機会を覗けば、商人は利益を見る。商人は利を見て、一番の喜びは、物を売り払う事である。


v3-0011

یشغ yishigh 皮紐、皮で編んだ縄。

یؤغ yavugh 洪水と共に上流から流れて来た石塊。人や熊が山中を歩んでいる時の落石も此の様に言う。

یقغ yaqigh 軟膏、塗り薬。腫れた所や似た様な瘡に塗る油質の薬。

یلغ yaligh とさか。「تقق یلغي taquq yalighi」雄鶏のとさか。

یلغ yaligh たてがみ、馬のたてがみを「یل yal」とも言う。正確な言い方は「ییل yäl」である。

یلغ yulugh 犠牲、献身。この言葉は詩歌の中では此の様に用いられている。

  منك کشي یلغي بلب اوزنکا

  ming kishi yulughi bolup özüngä

  برکار اوزن انك کوزنکا

  bärgälär özün aning közingä

 千の人々が彼女の為に自ら献身した。彼女の目には命を投げ出す様に見えた。「اوز öz」という言葉は、この詩歌の中では「生命」の意である。この言葉が民衆の間では、どの様に用いられるか、既出時に説明した。


v3-0012

یلغ yiligh 温い、暖かい。「یلغ سوؤ yiligh suv」温い水。熱いと冷たいの間のあらゆる温い物について、この言葉を使える。

یلغ yaligh 鞍橋の前輪と後輪、分けると、前輪を「انکدنکي یلغ öngdünki yaligh」と言い、後輪を「کیدنکي یلي kändinki yaligh」と言う。

ینغ yanigh ゲロ、嘔吐物。「ال ینغ یندي ol yanigh yandi」彼は吐き物を吐いた。

ینغ yanigh 威嚇、恫喝。「بك ینغندا تشما bäg yanighinda tushma」君はベグの脅しに乗るな。他にも用いる。

یتق yatuq 二種類の糸で織った布、其の経糸は毛糸で、横糸は棉糸である。

یتق yatuq 失われた、忘れられた。「یتق نانك yatuq näng」失われた、或いは忘れられた物。怠け者のことを「یتق کشي yatuq kishi」と呼ぶのは、此れに由来する。オグズ人の中では、自分の町以外、他所に行ったことの無い人、戦争に行ったことが無い人の事を「یتق yatuq」と言うのは「捨てられた人、怠け者たち」と言う事である。

یتق yatiq 寝所、横になって眠る所。「اني یتقندا تتي ani yatiqida tutti」寝室で、或いは寝ている所で彼を捕まえた。


v3-0013

یرق yaruq 明るい、輝く。「یرق ییر yaruq yär」明るい所。「یب یرق نانك yap yaruq näng」よく輝く物。

یرق yaruq 裂け目、割れ目。地面、壁、山、鏡などの物、及び其の他の物の裂け目、割れ目。「بو ایق نك یرقي بلر bu ayakning yaruqi bar」この碗には割れ目が有る。

یرق yariq 戦の時に着る鎖帷子と魚鱗甲の両種の通称。区別する為に、鎖帷子のことを「کبا یرق küpä yariq」と言い、魚鱗甲のことを「سای یرق say yariq」と言う。

یرق yoriq 長けている、長じている。「یرق تل yoriq til」流暢な言葉、弁が立つ、よく喋る。

یرق yoriq 性格、気立て、人あしらい。「انك یرقي نتك کشي بلا aning yoriqi nätäg kishi bilä」彼の気立てはどうだい、人に対して?

یرق yoriq 歩く、進む、流れる。「ات برقي نتك at yoriqi nätäg」馬の走りはどうだい?水及び其の外の物の流れ動くことも此の様に言う。

یرق yaqiq 鼠蹊部。大腿と胴体、二股の脊髄が繋がる所。この語源は「یرلدي نانك yarildi näng 断ち割られた物」という言葉の「یرلدي yarildi」である。二本の脚を切り分ける所、一方は右、一方は左である。

یزق yazaq 牧場、草原。ヤグマーとトフシー語。

یزق yazuq 解き放つ。「یزق ات yazuq at」解き放たれた馬、繋ぎ止めから解き放たれた馬。束縛から解き放たれた如何なるものにも、この言葉を用いる。


v3-0014

یزق yazuq 「یزق ات yazuq ät」秋に様々な材料を組み合わせて作る乾物、春まで保存する食用の干し肉。これは「یاز اق یی yaz oq yä 春にだけ食う」という一語に由来する。春は家畜が痩せ衰えているので、此の様な肉を持っている人は、春でもたっぷり肉を食べられるからである。

یزق yazuq 罪、罪過。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  اوت تتنسز بلماس یکت یازقسز بلماس

  ot tütünsüz bolmas yigit yazuqsuz bolmas

 火が有れば、煙絶たざること有り得ず、若者居れば、過たざること有り得ず。若さ故の過ちは犯すもの。穏やかに過ごしたければ、この諺を以て穏やかさを望む。

یسق yasiq 弓袋。テュルク語。オグズ人とキフチャーク人は此の言葉が判らない。彼らは「قرمان qurman」と言う。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  ایرق یقدن توزلغ یا جقر

  upraq yasiqdin tozlugh ya chiqar

 磨り切れた弓袋から丈夫な弓が出る。これはアラブ人が言う所の「وفي ااثوابه اسدمرید تری الرجل النجیف فتزدریه」と同じである。

یلق yulaq 小さな泉。「یل یلق yul yulaq」と言う言葉も此れに由来する。それの「ل」に「ق」を加えたものである。この言葉は詩歌の中では此の様に用いられている。

  اقترر کوزم یلاق

  aqturur közüm yulaq

  تش قلر اردك یغاق

  tüsh qilur ördäk yughaq

 我が眼から泉から流れ出る様に涙して湖となり、そこに鴨や水鳥達が舞い降りた。


v3-0015

یلق yolaq 羊の小腸、砂漠や荒漠の中の人一人が歩ける道。

یلق yolaq 筋の有る、縞模様の。「یلق برجن yolaq barchin」縞柄の絹織物。同様に、あらゆる縞模様の、筋を帯びた物について「یلق yolaq」と言える。元は「یولق yolaq」である。

یتك yitük 見失った物。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  یتکلك اناسي قوین اجار

  yitüklig anasi qoyun achar

 物を無くした人は母親の懐の中でも暴れる。この諺の表す所は、物を無くした人には、其れを探してやる他ない。 

یتك yitig 鋭利。「یتك بجاك yitig pichäk」鋭い匕首。大刀及び其れに類する鋭利な物に此の言葉を用いる。

یتك yätik 切れ者、器用な人。「یتك ار yätik är 」有能な人。あらゆる事で有能な人。

یرك yüräk 心。「یرکلك yüräklig」大胆な、恐れる所を知らない。


v3-0016

یرك yörük 含まれる意味。「توش یرکي tüsh yörük」夢の含意、夢占い。

یرك yörük 意味、言葉の定義、言葉の解釈。「سوز یرکي söz yärüki」言葉の定義、言葉の意味。

یرك yärük 割れ目、ひび、裂け目。「یرك اشلار yärük ishlär」裂け目のある女性、貞操を失った女性・「یرك نانك yärük näng」口が裂けた、罅の有る物。ひび割れなどで美観を損なった様々な物。

یرك yärük 欠損の有る、罅の入った。

یزك yüzük 指輪、指に嵌める指輪。

یزاك yäzäk 軍隊の前面に展開する斥侯、先遣部隊。

ینك yänik 軽い、軽微な。

یسل yasul 平らな、扁平な。「یسل تاغ yasul tagh」平ったい山。高目で広く平らかな土地を「یسل yasul」と言う。

یشل yashil 緑の、緑色の。濃い緑色を「یب یشل yap yashil」と言う。この言葉は「یشل yushul」という一語を加えて「یشل یشل yashil yashul」とも言う。

یذم yadhim 褥、敷布団。「تولك یذم tülüg yadhim」毛がふかふかの敷布団。

یرم yarim 半分、片割れ。「الملا یرمي almila yarim」林檎の片割れ。他にも用いる。

یرم yarim yar 断ち切った、切り開いた。縦に切り開かれた物の片割れ毎。「بتق یرمي putiq yarimi」枝の切り開かれた片割れ。この言葉の原形は「裁ち切り、切り開き」である。


v3-0017

یشم yishim イシム。防寒用の靴に似た履物。靴の上から履け膝まで覆う。

یغم yighim 集まった、積った。「یغم تبراق yighim topraq」集めた土、積った土。「م」の字は「ن」から取り換えた。

یلم yalim 「یلم قیا yalim qaya」切り立った山の岩。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  تلم سوزك اقسا بلماس یلم قیا یقسا بلماس

  tälim sözüg uqsa bolmas yälim qaya yiqsa bolmas

 多い言葉は判らず、切り立った岩は積めない。この諺は冗長な話をするなと戒めている。

یلم yälim 鳥もち。羽毛や其の他の物に粘着する樹脂。魚の膠は「یرق یلم yaruq yälim」と言う。

یبن yäpin 深紅。罌粟の花の色の様な様々なものに此の言葉を用いる。この言葉は諺の中では此の様に用いられている。

  قلنو بسا قزل کذار یرانو بلسا یشل نار

  qilinu bilsä qizik kädhär yaranu bilsä yashil kädjär

 着こなすなら赤い衣、甘えるなら緑の衣。着こなす赤、媚びる緑。妻が夫に見せびらかすつもりなら、赤い服を着よ、媚びを売るなら緑の服を着よ。そうすれば夫は妻を見て喜ぶであろう。


v3-0018

یتن yatan 木製の弓、投石器。

یتن yatan 棉弓。木棉を弦で弾いて繊維をほぐす道具。

یرن yarin 肩甲骨。テュルク人には此の様な諺がある。

  یرن بلغنسا ایل بلغنور

  yarin bulghansa äl bulghanur

 肩が壊れたら家も傾く。

یرن yurun 絹織物の山。「یرن یقا yurun yuqa」という言葉は此れに由来する。

یشن yashin 稲妻。テュルク人には此の様な諺がある。

  کمنك بلا قاش بلسا یشن یقماس

  kiming bilä qash bolsa yashin yaqmas

 誰かと共に玉があれば、稲妻に当たらず。玉石は白色透明であり、人々は其れを指輪にして嵌める。その種の指輪を嵌めた人は稲妻に当たらない。何故ならば、それが玉石の属性だからである。この種の石は布に包んで火にくべても、布も石も燃えない。此の様にして試すのである。喉が渇いた人が、此れを口の中に入れると乾きが止まる。


v3-0019

یغن yighin 集める、積った。「یغن تبراق yighin topraq」集めた土、積った土。その他にも使う。

یقن yaqin 近い。「یقن ییر yaqin yär」近い所、近い地方。「یقن ار yaqin är」親しい人。この言葉は詩歌の中では此の様に用いられている。

  یقن یغق کرمذب نانکني کذر

  yaqin yaghuq kömädhip nängni ködhür

  قذش تبا ات کبی قینکرو بقار

  qadhash taba it äi qingru baqar

 人々の間の信頼が薄れて此の様に言う。人々は親しい人や親戚のことを顧みず、蓄財に血走っている。骨を愛する狐のように、己に近い人を睨んで見つめる。 


v3-0020

یکن yikän 蒲草。

یلن yalin 炎、火炎。「اوت یلني ot yalini」炎、火焔。

یلن yulun 脊髄。

یلن yälin 乳房。牛や馬の乳房。凡そ有蹄類の乳房を此の様に言う。


本章中の別の一類


ییغ yayigh 飽きっぽい、気まぐれ。「ییغ کشي yayigh kishi」気まぐれな人。これをしようと思えば、それをしようと思う様な人間。

ییق yayiq 「ییق کشي yayiq kishi」この言葉は上述の様な意味を持つ。この言葉は正しくは「بشغ ات pishigh ät」という句の中の「بشغ pishigh」という言葉の「بشق pishiq」という形式と同じである。

یم yitim 胡麻の種。胡麻の実に似ているが、やや赤く、その油は灯に用いる。


語頭と語尾の字にイラットを帯びた語彙


یبا yaba 湿気た物、湿った物。オグズ語。


v3-0021

یبي yapi 靴の様な形をした枕。チギル語。

یرو yaru 「یرو یلم yaru yälim」魚。

یرا yörä 周囲、辺り。有る物の辺、或いは周囲。オグズ語。

یزي yazi 空き地、開けた土地。

یسي yasi 平らな、扁平な。「یسي نانك yasi näng」扁平な物。

یغي yaghi 敵人、仇敵。

یؤا yava ヤヴァ。オグズ人の一部族。この言葉は更に二種類の読み方が有る。即ち「و」を付けてで「یوا yawa」、「ا」を付けて「اؤا ava」。

یفا yafa 駱駝刺という棘のある灌木。

یفا yafa 「یفا ییر yafa yär」寒くならない地方。温暖な土地、外から遮られた土地。

یقا yaqa 襟、衣服の襟。

یقي yaqi 「یقي یقي ار yaqi yuqi är」ご機嫌を取る人、媚びへつらう人、権勢に迎合する人。

یقو yaqu 雨具。この言葉の原形は「یاغقو yaghqu」であり、簡略化された。

یکي yigi 「یکي یغاج yigi yighach」枝が絡み合って成長した樹木。時には「ك」が脱落して「یي یغاج yi yighach」と読むこともある。「یکي تیش yigi tish」隙間が無い、整った歯。「تون یکي تك ton yigi tik」服を密に縫え。「縫う」は「یي yi」であり、その原形は「یکي yigi」である。


v3-0022

یلا yala 誹謗、中傷。薄くて多層から成るナンのことを「یلتجي یغا yalachi yugha」と言う。この種のナンは薄いため、手で触れただけで崩れてしまう。毀すことを此の様に言う。従って、ナン焼屋は常に人を疑って「これは御前が壊したんだろ」と言う。

یلا yula この言葉は詩歌の中では此の様に用いられている。

  تکما ایؤت اشقا کرب ترغل الا

  tägmä ävät ishqa körüp turghil ala

  جقمق جقب ایؤسا قلي اذنور یلا

  chaqmaq chaqip ävsä qali udhinur yula

 慌てて物事をしくじる莫れ、よく考え、故事を見て機会を計れ。火打石で着火しようとする人は、慌てることによって火を消してしまう。


v3-0023

یلو yälü 仔馬を繋ぐ縄。草原で牝馬の乳を搾る時、この種の縄で仔馬を繋ぐ。さもないと、仔馬は牝馬の周りをうろつくからである。

یمو yämu 「いいかい」と言う意味を表す言葉。「سن برغل یمو sän barghil yämu お前は行くかい?」この言葉は元々「یه yäh」で「いいよ」の意味である。それに「مو mu」という疑問詞が付加された。

ینا yana 又、再び、更に。「ینا کلدي yana käldi」また来た。


本章中の別の一類


ییا yaya 尻、けつ。この言葉は人の尻にのみ使う。

یوا yawa 駱駝刺。一種の植物で、その汁を取って麺片にかけると、麺片の風味が良くなる。軟音の「ؤ」を用いて「یؤا yava」と言ってもよい。

یوا yawa オグズの部族「یؤا yava」の別の読み方。同時にオグズ語で、寒からず隠された地を「یفا ییر yafa yär」と呼ぶ。これは「و」を軟音「ف」に読み替えた。


فَعْلَلْ fä'läl 型の語彙の章


یتي yätti 七。数字の七。「یتي قت کوك yätti qat kök 七重の天」の語は此処から取った。


v3-0024


فَوْعَلْ fäw'äl 型の語彙の章


یولغ yoligh 柔らかい毛。

یوغا yugha 多層のナン、千層のナン。

ییغق yayghuq 牝馬の乳房。ある人は此れを「یزغق yazghuq」と言う。キフチャーク語。


فَعالْ feal 型で各種動符を帯びた語彙の章


ینوت yanut 回答、答え。「سوز ینوتي söz yanuti」言葉に拠る答え。

ینوت yanut 代価。物の価値に見合った支払い。

یغاج yighach 木、木材。四種の言語で用いられる。「یغج」という形式もある。

یؤار yipar 麝香。


v3-0025

یلار yular 面繋。

یمار yamar ヤマ―ル。とある地名。「یمار سوؤي yamar suvi」を以て、この地を流れる河川を命名した。ヤマ―ル砂漠の中に一大盆地が有る。

یداق yadagh 徒歩、歩行。

یراغ yaragh 機会、見込んだ時。「ایش یراغي ish yaraghi」事の見込み、成り行き。この言葉には「یرغ」という形式もある。

یماغ yamagh 継ぎ接ぎ。諺では此の様に用いられる。

  برجن یماغي برجقاقرش یاغي قرشقا

  barchin yamaghi barchinqa qarish yamaghi qarishqa

 絹の継ぎ接ぎは絹に、毛の継ぎ接ぎは毛に。この諺は、あらゆる物は夫々に適合する属性が有る事を示している。

یراق yiraq 遠い。「یراق ییر yiraq yär」遠くの地。親戚や其の外の人の疎遠にも此の言葉を使う。詩歌では此の様に用いられる。

  اغرغم کندو یراق

  oghraghim kändü yiraq

  بلندي ماني قراق

  bulnadi mäni qaqaq

 我が志はとても遠く、心より慕う人の黒い瞳は我を虜にし、我が道を塞いだ。


v3-0026

یغاق yaghaq 胡桃。

یقوق yaghuq 近い。「یغوق ییر yaghuq yär」近い地。遠い近いに関わらない親戚の総称を「یق یغوق yaq yaghaq」と言う。

یناق yonaq 驢馬、牛などの類の駄畜の荷鞍の下に敷く下鞍。

یماك yämäk イェメク。テュルクの部族の一つ。我々は彼らをキフチャーク人と見做している。しかしキフチャーク人は彼らを別の部族と見做している。

یغان yaghan 象。二種類の言葉の一つ。人の名には「یغان تکین yaghan tägin ヤガーン・テギーン」がある。

یغون yoghun 大きい。様々な大きなもの。

یلان yilan 蛇。「اق یلان oq yilan」マムシ。人に襲い掛かる、及び其の他の蛇。「یلان یلي yilan yili」蛇年、テュルク人の紀年法の十二支の一つの名称。

یمان yaman 壊れた、劣った。様々な劣った物。「یمان ایك yaman ig」籟病。


v3-0027


فَعْلَی fä'la 型で中間の字に静符を帯びた語彙の章


یلبي yalpi 平ったい、扁平な。「یلبي نانك yalpi näng」木を削って作った陶製の皿に似た扁平なもの。

یرتو yartu 薄い木片。これと似た、表面に字を書ける木片のことも「یرتو yartu」と言う。

یرجو yärchü 陵墓、墳墓。

یرجي yorchi 道案内する人。

ینجو yinchü 真珠。宮女のことを「ینجو yinchü」と言う。諺では此の様に用いる。

  اوتلك ینجو ییردا قلاس

  ötlüg yinchü yärdä qalmas

 穴の開き真珠は地上には残らず。即ち、穴の開いた真珠が地上に残らないのは、皆が持ち去るからである。この諺の含意は、宮女たちは未婚のまま取り残されず、娶られてしまうことである。オグズ人とキフチャーク人は「ی」を「ج」に替えて「جنجو chinchü」と言う。

یغدو yoghdu 駱駝の下顎に生える長毛。

یکداyigdä ヤナギバグミ、スナナツメ。

یمدو yamdu 小腹。

یندي yundi 汚水。

یبري yapri 平らな、平坦な、平原、平野。「یبري ییر yapri yär」平らかで広い地。


v3-0028

یبري yapri だらり、垂れ下がる。「یبري قلاق yapri qulaq」垂れ下がった耳。

یشرو yashru 秘密の、隠密の、隠匿された。「ال یشرو کلدي ol yashru käldi」彼は密かに来た。「یشرو ایش yashru ish」秘密の事。

یغرو yoghru 長い駱駝の毛。ある時には「یغروی yoghruy」と読む。この言葉の中の「ر」の字を「د」に換えた。これはアラビア語の「عکر ة ؤه عکد ة」の如しである。

یغرو yaghru 近い、付近の、近くの、周囲の。「ال انکر یغرو یریماس ol angar yaghruyorimas」彼は彼女に近づけない。この言葉は本来「ق」を用いて「یقرو yaqru」と書く。「غ」と「ق」は音が近いので、「غ」が「ق」と取り替った。これはアラビア語の「یقرب」が「یقرو」に読み替えられ、その中の「و」が「ب」と取り替るが如しである。

یغری yoghri 器皿。諺では此の様に用いる。

  اش تتغي توز یغرین ییماس

  ash tatighi tuz yoghrin yämäs

یقري yaqri 内臓の油。詩歌では此の様に用いる。

  بشرلور یقري قیاق

  pishrilur yaqri qiyaq

  تشقرر یغري جناق

  toshghurur yoghri chanaq

 乳湯葉は内臓の油で練る、皿や碗に盛る。


v3-0029

یخشي yahshi 好い、様々な物事の好い事。「یخشي نانك yahshi näng」好い物。「یخشي ایش yahshi ish」好い事。

یرشي yarshi ある物の片方だけを得た人。この言葉は有る物の半分を表す。「انك یرشیسي بو aning yarshisi bu」それの半分が此れ。「ال منك بلا تام برشي ol mäning birlä tam yarshi」彼と我と共に壁の片側、我々は壁一枚で部屋を分け合っている。

یفغو yafghu ヤフグーとは、平民出身で可汗より二等級低い人の称号。

یفغو yafghu ヤフグー。バルスハン近くの城市の名称。この城市から遠くない峠の名称が「یفغو ارت yafghu art ヤフグーアルト」である。

یفغا yufgha 養子。

یلغا yalgha 「قرا یلغا qara yalgha カラヤルガー」テュルク地区とフェルガナの間にある険しい峠。諺では此の様に用いる。

  قرا مونك کلمکنجا قرا یلغا کجما

  qaramung kälmäginchä qara yalgha kächmä

 最後の審判の日までカラヤルガーを越すな。最後の審判の日までカラヤルガーを越すなとは、其処は険阻で何時でも氷雪に覆われているからである。


v3-0030

یلغو yalghu うつけ、馬鹿。オグズ語。

یلؤي yälvi 巫述、魔法。「یلؤیجي yälvichi」巫師、魔法使い。詩歌では此の様に用いる。

  یلؤن انك کوزي

  yälvin aning közi

  یلکن انك اوزي

  yälkin aning özi

  تولن این یوزي

  tolun ayin yüzi

  یردي مننك یوراك

  yardi mäning yüräk

 此の様に愛する人を褒め称える。彼の瞳は魔法掛り、為に我を誤らせる。彼は流れ者に過ぎないが、彼の顔は満月の様、彼の眼差しは我を射抜いて心を砕いた。


v3-0031

یؤقا yuvqa 裙子、スカート、薄い。諺では此の様に用いる。

  اناسي تؤلك یؤقا یبار اغلي تتك قشا قبار

  abasi tävlüg yuvqa yapar oghli tätik qosha qapar

 母は狡くスカートで隠し、子供は賢くもっと取る。母親は子供を騙してスカートでナンを隠す、子供は賢く、その中に入ってナンを食べてしまう。この言葉が暗喩する所は、二人の賢い人同士は夫々伯仲すると言う事である。

یبقا yupqa 裙子、スカート、薄い。「ف」を用いる形式で読んでもよい。「ف」が

「ب」と入れ替わるのである。これはアラビア語中の「اسرق」に「اسرب」という形式が有る様なものである。「مصطبة」には「مصطفة」という形式が有り、「ؤانیذ」がアラビア語化して「فانیذ」と書かれる様なものである。

یلقي yilqi 大型の家畜。大型の家畜の通称。

یرما yarma ヤルマー。「یرما یوغا yarma yugha」とある多層のナン。長き切り開ける如何なる物にも此の言葉を使える。

یغما yaghma ヤグマー。テュルクの一部族、「قرا یغما qara yaghma カラヤグマー」とも言う。

یغما yaghma ヤグマー。タラス附近の一村名。この地名は上の言葉に由来する。

یلما yalma 肩掛け、マント、雨合羽。ペルシャ人も此のテュルク語を借用し、その発音は「یلمه yälmä」である。アラブ人もまたペルシャ人から借用して、「یلمق」という形式で書く。アラブ人は「ه」を「ق」に換えた。これは正にアラビア語中、「کنده」が「ضندق」となり、「یره」が「یرق」となるのと同じである。アラブ詩人「ذوالرمة」の詩句「کانه متقبي یلم」中、この言葉は既にアラビア語化していて、誰も此の言葉がテュルク人がペルシャ人から借用したとは言わない。何故ならば、私は最も辺鄙な所に居住するカラテュルク人の所で此の言葉を聞いたからである。彼らの故郷は雨雪が多く、その他の人たちと比べ、彼らはより雨具を必要としているのである。


v3-0032

یزنا yäznä 姉の夫。

یکنا yignä 針。布袋を縫う扁平した針を「تمن یکنا tämän yignä」と言う。


本章中語頭と語尾の字にイラットを帯びた語彙


یمغي yumghi 集まった、多くの、全ての。「یمغي نانك yumghi näng」集まった、多くの物。「کشي یمغي کلدي kishi yumughi käldi」人がみんな来た。


فَعٰالي fäali 型で各種動符を帯びた語彙の章


یلاجي yalachi 誹謗者、誣告者。「یلاجي ار yalachi är」誹謗する人。とある千層のナンの事を「یلاجي یوغا yalachi zugha」と言う。それは触っただけで簡単に壊れる。


v3-0033

یباغو yubaghu 誤魔化された。「یباغو ایش yubaghu ish」誤魔化された事、そらぞらしい事。

یریغو yorighu 「یریغو ییر yorighu yär」行った所、行ったことのある場所。この言葉は場所の名称に用いるが、時間の名称にも用いる。

یراغو yiraghu 弾き手、演奏者、楽師、歌手。

یشاغو yashaghu 生きている。「بو ار ال ازون یشاغو bu är ol uzun yashaghu」こいつはよ、長生きしている。この言葉は嘗ての場所にも用いるが、時間についても用いる。

یماغو yamaghu 縫われた、繕われた。「بو تون ال یماغو bu ton ol yamaghu」この衣はよ、繕われた。

یباقو yabaqu ヤバークー。テュルクの部族の一つ。

یباقو yabaqu 縺れ、絡みつく。縺れた毛や夏毛。頭髪が絡みつくことを「یباقو بلدي yabaqu boldi」と言う。

یبلقو yabaqu 「یباقو سؤي yabaqu suvi」ヤバークー河。


v3-0034

یلاکو yölägü 頼る。「یلاکو نانك yölägü näng」頼れる物、借りた物。

ینیکو yänigü 分娩しそうな。「بو اراغت ال ینیکو bu uraghut ol yänigü」この女はよ、産みそうだ。


فَعْلانْ fä'lan 型で各種動符を帯びた語彙の章


یبجان yapchan よもぎ。この言葉は他に「یؤجان yavchan」という形式もある。これは上述の「ب」を「ف」に読み替える規則と同じである。

یمشان yämshän キフチャーク地方に生える一種の野生の実の名称。

یؤغان yavghan 「یؤغان اش yavghan ash」肉の無い料理、粗食。

یلغان yalghan 仮、偽り。この言葉は形容詞としても作用する。「یلغان کشي yalghan kishi」嘘吐きな人。「یلغان سوز yalghan söz」嘘、嘘話。

یلغون yilghan 檉栁、タマリスク。

یبکین yäpkin 深紅、鳶色。「یبکین نانك yapkin näng」ドドメ色の物。

یلکن yälkin 好く走る、速く走る、健脚の、従僕、流れ者。「یلکن اتلغ yälkin atligh」快速の乗り手。オグズ人は「ی」を「ا」に替えて「الکن älkin」と言う。


v3-0035

یملان yamlan 跳び鼠。ある種の変わった鼠。


فَعیلانْ fäilan 型の語彙の章


یتیکان yätigän 北斗星、大熊座。

یسیمان yasiman 傾けた時に口からトクトクと水が音を立てる口の狭い水差しや瓶。

یلیمان yaliman 八方四面からの侵攻、侵犯。


فَعَنْلی fäänli 型の語彙の章


ینندي yonindi 削りだされた物、かんな屑。


三字の語彙の篇及び其れに字を足した語彙は完


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